964の点火系の予習その2
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
前回「964の点火系をチェックする前に軽く予習してみた」の続き。
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あ。
3代目ポルシェ911、通称964の話です。
「ポルシェは市販車もレーシングカーも全部9から始まってて、ワケガワカラン!」と思ってるうちは、まだ軽症。
誰でも気がつくと、どっぷりと重症になってる。
そういう世界、そういう宗教だから、その辺は心配しなくても大丈夫だよ。
(何が大丈夫なんだか……)
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今回は、世界中の誰でも無料で利用できるようにPDF形式で配布されてる「パーツリスト」と、それからクルマに付いてくる「ドライバーズマニュアル」と、両方で軽く下調べしてみました。
まずは後者、ドライバーズマニュアルから。
ところが……
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空冷だから、くれぐれも、オイルには気をつけてね。
具体的には、これこれこういう手順で確認するんだよ。
(ディップスティック)
空冷911は、オイルが減っていくのはお約束。
1000km毎に1.5リットルぐらいのペースで減っていくのは「正常」だから、日々、自分でつぎ足してね。
……とは書いてある。
点検と補充については書いてある。
ところが、オイル交換そのものについては記載が無い。
「全量11.5リットルのうち、オイル交換の時に抜けるのは約9リットル」とは書いてあるけど、そこまで。
具体的な手順については、一切まったく書いてない。
つまり、ユーザーが自分でやるのは、日常の点検と、つぎ足しまで。
オイル交換は自分でやるな!……ということらしい。
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……というわけで。
オイル交換さえ「自分でやるな!」として記載が無いぐらいだから、点火系についても記載が無いのでした。
まったく無いのでした。
何のための「ドライバーズマニュアル」だよ……
2
ほらね。
イグニッションコイルの「イ」も、デスビの「デ」も、まったく無い。
3
ほらね。
ほらね。
「フ」のところにも、プラグは載ってない。
4
ところが、プラグの型番と、そのすぐ下にプラグのギャップは書いてある……という不思議。
フロア下のパネルを外すところから始まって、プラグコードを外して、プラグを取り外すという…… 964に独特の、いちばん知りたいところについては何も書いてない。
つまり、プラグの点検でさえ、自分でやろうとしないで、おとなしく専門工場に任せなさい、ってことらしい。
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オイル交換さえ、自分でやらない(やらせない)
プラグの点検さえ、自分でやらせない(やらせない)
それのどこが「愛車」なの?
……と、古い世代のオッサンは疑問を感じてしまうのですが。
まぁ、自動車メーカー側にも、考えなり事情なりがあるんだろうから、それはいいさ。
だけど、それならどうして先端部のギャップの数値「だけ」は記載しているの?
5
「ドライバーズマニュアル」をあきらめて、次は「PDF形式のパーツリスト」です。
(プラグコードの走行図)
(ファンの上を走って行く3本が、下側、つまり排気側)
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もう、とっくに有名な話かもしれないけど。
この「誰でも無料でダウンロードできる」PDF形式のパーツリストを、DVDとかに焼いて、ヤフオクとかで売ってるヤツがいたよ。
DVDに焼くことさえせず、ダウンロードできるURLを教えるだけの出品もあったよ。
空冷時代の古いポルシェ911に限らず、各車のオーナーさん全員、だまされないように気をつけてね。
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あと……
私が13型のiPadPro(初代)を買った大きな理由の1つは、964スピードスターのパーツリストのPDFを常に持ち歩いた上で、必要に応じて大きな画面でズームアップして確認したいから。
電車の中とか、運転中の信号待ちとか、PC(ポルシェセンター)の店頭で、という状況では、8型のiPad mini4のほうが便利。
でも、1人でじっくりと向かい合いたい時は、13型のほうが便利。
(964のパーツリストに限らず、Google Mapsでも、Wikipediaでも)
結局、iPadは「13型Proと8型miniの2台体制」で落ち着きました。
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話を戻して、大事な点をくり返しておくけど……
全メーカーの全車種、いずれもパーツリストのPDFは【誰でも無料でダウンロードできる】はずだよ。
6
こちらは、その「世界中の誰でも無料で利用できるようにPDF形式で配布されてる」パーツリストの、デスビ。
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余談になるけど、今どきのクルマはデスビが無くて、小型のイグニッションコイルが各プラグの上に直接のっかっていて「ダイレクトコイル」という。
だから、若い人はデスビを知らなかったりするみたい。
昔、かなり年上の大先輩に「キャブレーター世代ですよね」とか言ったことのある私。
これからは、まったく同じように「デスビ世代ですよね」とか、言われるんだろうなぁ。
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964スピードスターは、4WDでもターボでもない、ただのカレラ2。
ツインプラグなので、デスビもツインだし、イグニッションコイルもツイン。
イグニッションコイルと、デスビキャップと、キャップの中でくるくる回り続けるローターの部品番号はわかった。
デスビで分岐されたプラグコードの、どれがどこに行ってるのかの、概略も把握できた。
おおよその構造と部品番号はわかったから、あとは1つ1つ確認していくだけ。
イグニッションコイルとデスビは、すぐ目の前に見えてるから、簡単そうなんだけど……
問題は、どうやってプラグにたどり着くか?だよなぁ。
7
例えば、燃料ポンプが生きてるのにプラグがまったく湿ってなければ、燃料フィルターが詰まってる?となるわけで。
とにかく、まず最初にプラグでしょ。
だけど、964の場合は、フロア下のパネルを取り外すところから始まって、プラグにたどり着くまでが大変みたい。
そして、早い個体は2万5千kmぐらいでプラグそのものがダメになったりもするらしくて。
プラグそのものは、高価なものじゃないし。
軽い点検のつもりでも、今回は「交換しちゃえば?」とも思ったり。
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そういえば、オートバックス(とかのカー用品店)でさえも、近頃はプラグを置いてないお店が多いよね。
プラグさえ自分でチェックしないユーザー側と、プラグさえ勝手に外してほしくない自動車メーカー側との、思惑が一致した結果、なのかな。
プラグの在庫があっても、よくある型番だけで、ポルシェ用は置いてません、とか。
ポルシェ用なんか置いても、年に1台分、出るかどうか。2台分の在庫を置いてるところは、まず無いと思いますよ、とか。
(だから、カレラ2はツインプラグなんだってば、2台分じゃなくて1台で12本必要なんだってば)
なので、Amazonさん、今回もありがとう!です。
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さて、点火系をチェックするにあたっての、予習はこのぐらい。
取りかかりましょうかね。
(続く)
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