964の燃料フィルター交換 前編 OUT側
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
25歳の彼女(3代目ポルシェ911、通称964)のエンジンが、年末からずっとかからない。
だけど、燃料ポンプを取り外してバッテリー直結にしてみたら、生きてたんだよね。
……の続き。
1ヶ所を掘っただけで、点火系と(燃料ポンプ以降の)燃料系を同時にチェックできる場所として、エアフィルターを取り外して。
プラグを2本(4番の吸気側と5番の吸気側)だけ外してみた限りでは、点火系は生きてた。
どうやら、燃料系(燃料ポンプ以降、つまり燃料フィルター)っぽいんだよね。
……の続き。
プラグを元通り戻したけど、エアフィルターは外したまま。
引き続きで、次は燃料フィルターです。
===
いろいろとググってみたけど、相変わらず「これは役に立った!ありがとう!」と思える情報の大部分は、みんカラ。
諸先輩がたの記録を拝見して、まず用意したのは、1リットルのポリジョッキ。
2
続いて用意したのは、この3本。
・19mmのスパナ、ロングを2本(パワーをかけるには長さが必要)
・19mmのスパナ、ショートを1本(狭いスペースで効率よく回す)
(17mmのスパナも必要なので、19と17のコンビネーション)
(メガネレンチじゃダメなのよ、スパナじゃないと)
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かなりの力が要るので、工具の長さが短いと、力不足でさっぱりゆるまない。
(専門用語で、テコの原理といいます)
(物理じゃなくて、たぶん理科)
だけど、長すぎると、今度は周りのエンジンやら何やら諸々にぶつかって、ニッチもサッチもいかない。
この作業のためにわざわざ買うなら、全長20cmぐらいから25cmぐらいがよろしいかと。
で。
ゆるんでからは、ちゃっちゃかちゃっちゃか、どんどん回していきたいんだけど。
長すぎると、あっちこっちぶつかって、なかなか回らない。
そこで、15cm以下ぐらいの短いスパナに持ち替えるわけです。
===
まぁ、最初の説明は、そのぐらいで。
やってみれば、わかります。
3
燃料フィルターには、出口と入口、2ヶ所ある。
燃料ポンプから送られてきて燃料フィルターに入る側、いわゆるIN側と。
燃料フィルターを出てエンジンに向かう、通称OUT側。
まずは、手が届きやすいOUT側から。
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冷却水の補充用か何かで使ったっきり、ずっと眠っていた1リットルのポリジョッキ。
こいつの上半身をぶった切って、下半身だけを燃料フィルター出口の下にセット。
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燃料フィルター本体のところは、22mm。
物理的には不可能じゃないけど、先輩諸氏の記録を見ても、いきなりここをゆるめるケースは少ないみたい。
その手前、燃料フィルター側の19mmを強力に押さえつける19mmスパナと。
手前側というか、車両の後端側というか、ゆるめる側の19mmスパナと。
まぁ、位置関係としては、こんな感じです。
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で。
どちらも、自分なりに全身全霊フルパワーをかけるには、エンジン本体やエンジンフードが邪魔。
あっちこっち、身体の自由が利かず、どうにもならない。
この画像のように、90度に開いてしまうと、なかなか大変。
そこで……
この2本をもうちょっと狭く、30度ぐらいの角度で並べて、ふんっ!えいやっ!とおおおっ!うりゃりゃあっ!と、片手あるいは両手で握りつぶす感じにするとよろしいかと。
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初めてここをゆるめる時は、「地球上にこれより固く締め付けられてるボルトとナットは存在しないんじゃないか?」と思うぐらい、とにかく固い。
だけど、反対側のIN側はもっと固く締まってるから、このぐらいで泣きごとを言ってちゃダメよ。
でも……
あんまりがんばってると、へばってきて、判断力も落ちてくる。
こりゃダメだゎ!と思った時点で、軟弱に甘いものでカフェイン休憩してみたり。
あるいは、もっと軟弱に、その日はあきらめてお風呂に入ってごはんを食べて早寝して、翌朝またやり直してみたり。
適度に休憩してみると、再開直後、意外とすんなり簡単にできちゃうかも。
できないかも。
とにかく、逆ネジその他の、トリックとか裏技とかは存在しない。
ただただ、普通にフルパワーをかけてゆるめるだけ。
文字でお伝えできるのは、あとは「がんばれ」の4文字だけ。
くれぐれもケガをしないように。
5
いったんゆるんでしまえば、あとはチャッチャカチャッチャカ回していくだけで外れます。
ほらね。……というのが、この画像。
6
外れる直前から、燃料フィルター内に残ってるガソリンが出てくるので、さっきの1リットルのポリジョッキの下半身で受け止める。
バーベキュー用の紙皿プラスちょっと工夫したりとか、色々と見かけました。
でも、この先ずっと、空冷911に乗り続ける限り、何回も何回もくり返すであろう、この作業。
燃料フィルター(と燃料ポンプ)専用と割り切って、ポリジョッキの1個ぐらい、新品を買ってきてつぶしちゃっても、よろしいのではないかと。
(工具は財産)
(男は、道具にこだわる生き物)
取っ手が付いてたほうが、便利だし……
===
あと、もう1つ。
この画像だけ見ると、出てきたガソリンが少ないでしょ。
これだけなら、わざわざ新品のポリジョッキをつぶすまでもない。
ウェスとか、ぼろ雑巾に吸わせればいいじゃん、と思うでしょ。
私も、そう思ったさ。
でも、ちがったよ。
結果を先に書いちゃうと、ガソリンが来ていなかった。
ガソリンが来てない状態でセルを何回も何回も回していたから、燃料フィルターにガソリンが残ってないのでした。
(通常の状態なら、もっとたくさんのガソリンが出てくるはず)
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んで、またしてもQRコード。
みんカラには動画を記録できないようなので、YouTubeにアップしてます。
https://youtu.be/D6_9mlfVPps
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燃料フィルターの出口から先、エンジン側の燃料ホースを外した状態で、セルを回してみた。
でも、燃料は出てこない。
バッテリー直結にして、燃料ポンプだけ強制的に動かしてみても、やっぱり燃料は出てこないのでした。
8
964の燃料フィルターは「2万km毎に交換」というサイトも見つけた。
それって、リッター10kmなら、2千リットルだし。
リッター5kmとしても、4千リットルなわけで。
日本の良質なガソリンをそのぐらい濾過したぐらいで、燃料フィルターが「ガソリン1滴さえ出てこない」ほど完全に詰まっちゃうとは、思えないんだよなぁ。
===
燃料フィルターの入口(IN側)までは燃料が来てるけど、燃料フィルターが完全に詰まっているのか。
あるいは、燃料フィルターまで燃料が来てないのか。
とにかく、燃料フィルターを取り外さないことには、話が進まない。
次は、奥側というかIN側、こいつですな……
(続く)
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