2017年10月26日
タイトル写真はodulaさんのwebから拝借しています。
去年、パーツレビューに「Odula / OVER DRIVE チューンナップECU ADVNCE」を投稿したが、改訂と追記。
そこに書いたのは、計測トルクと計測馬力だ。タイヤがシャシダイナモメータを回すトルクと、トルクと回転数から計算した出力で、クラッチからタイヤまでは駆動損失になるから、エンジンの正味の出力(正味軸出力)ではない。だから、カタログ値より小さくて当たり前なのだ。
シャシダイナモメータ上で加速させ、最高出力が出たところでミッションをニュートラルに入れると、グラフがマイナス側にガクッと下がる。0(ゼロ)以下の大きさが駆動損失だそうだ。
この方法で測るのが一番正確なんだろうが、ATの場合、ニュートラルに入れた時のAT系への負荷が心配。そこで、ネット上で損失がどれぐらいか、見てみると・・・。
かつて、メーカーで実験部門に在籍していた方の経験値が出ている。曰く、「FFはプロペラシャフトが無い分、FRより有利で損失は10%」というのが、この人の意見だ(FRは15%が一般的とか)。早い話、計測トルクと計測馬力は正味軸出力値の90%だ。
ちょっと少ない気がする。「FFの損失は15%」というデータもある。損失15%として考えてみると・・・。1-15÷100=0.85。計測したトルクと馬力は正味軸出力値の0.85倍ということだ。こういう場合、ちょっとでも数字を大きくしたくて0.85の逆数≒1.18を掛け算し勝ちだが、算数的には0.85で割らなければならないし、第一、逆数を掛けても結果は一緒だ。
そこで、計測トルクと計測馬力を0.85で割ってみると・・・。
トルク41.0÷0.85≒48.2kgf・m(472.7N・m)、出力は228.4÷0.85≒268.7PS(198kw)という結果になる。損失が多ければ多い程、計算した正味の軸トルク・軸馬力は更に高くなる。大きく見せ掛けたければ、損失を大きく見積もればいいが、それでは、インチキ臭い。
それにしても、いくらなんでも、48.2kgf・m(472.7N・m)、268.7PS(198kw)ということは、あるまい。
そこで、経験値に基づいて10%の損失があるものとすると、計測したトルクと馬力は正味軸出力値の0.9倍ということだ。 計測トルク、計測馬力を0.9で割ってみると・・・。
トルク41.0÷0.9≒45.6kgf・m(446.9N・m)、出力は228.4÷0.9≒253.8PS(187kw)という結果になる。
トルクの方は「それぐらい出ているかな」という感触だが、出力253.8PS(187kw)という結果を見てもピンとこない。ノーマルと比べて79PSアップなんて、あり得るだろうか・・・。それこそ、アウトバーンでも巡航しないと、実感できない。
が、ちゃんとグラフが実証している。グラフをジッと見ると、最高出力の発生回転数は、ノーマルと、ほぼ一緒だ。トルク×回転数÷716=馬力だから、最高出力が出る回転数が上がったというのなら、回転数が上がった分、馬力がアップするが、グラフのトルクを物指で測って計算すると、ノーマルよりトルクがアップした分、ちゃんと馬力が上がっている勘定になる。
ディーゼルエンジンには、まだまだ未開の要素がありそうだ。ヨーロッパ向け、特にドイツとなると、250km/hで静かに、安定して走りたい。ディーゼルエンジンは最高回転数がガソリンエンジンより低いから、ミッションを多段化してオーバードライブのギア比を案配すれば、強烈な加速の末に最高速も高くなるという、おいしい話になる。ディーゼルの場合、多段にしないと変速比がクロスせず、高回転域の加速性能は悪化するのだ。自分でやりたければ、マニュアルモードで、どうぞ。
だが、変速機は多段にすればするほど長くなる。増してやFFでエンジンが横置きだとミッションを長くするのには限界がある。ディーゼルで、オートマで、段数は10速あたりのFRにすれば面白いぞ。アテンザFR論は、この辺から出た都市伝説かも。
けど、ミッションは多段化すればするほど重くなるから、超多段にすれば重量損の方が大きくなって、無駄だ。
じゃあ、CVTにして、最大トルクを発生する回転数を維持させて加速させると、強烈に加速するだろうが・・・速度の上がり具合と音がリンクせず、不自然さが際立つ。
が、これはオートマでの話で、多段化できるし、実際10速のオートマも存在する。し、12~14速ぐらいまでは可能だそうだ。しかし、ヨーロッパではマニュアルミッションを買う人が多い。例え10速マニュアルが作れるとしても、変速操作が忙しすぎて、使い物にならない。
なら、ミッションの段数は少ないまま、デフの最終減速比を案配すればいい。
閑話休題。
さて、ATが壊れないか心配していたが、マツダが公開している許容入力トルクは45.9kgf・m(450N・m)なので、45.6kgf・m(446.9N・m)ならカツカツでクリアしている。
絶えず45.6kgf・m(446.9N・m)のトルクがATに入力されているのなら心配だが、グラフを見ると、最大トルクを出すのは、ある意味、瞬間だ(パーツレビューのグラフ)。最大トルクに達した次の瞬間にはスッと下降する。これならATが壊れてしまうことは、あるまい。
このECUのチューニング、スロットルコントローラーを併用したら、かなり面白いぞ。スロコンの設定を最強にすると、路面が乾燥していても横断歩道の白線上ではホイールスピンする。白線を越えてから一気にアクセルを踏み込むと、そこからホイールスピンして加速する。こういうクルマには、日産のGT-R以外では、これまで乗ったことが無い。もちろん、GT-Rはアクセラの比ではないが。しかし、45.6kgf・m(446.9N・m)というトルクは伊達ではない。
が、クルマが走るのは、結局はタイヤと路面との共同作業だから、エンジンの軸出力にこだわる必要は無いのかも。
だから、このブログは「どうだっていいじゃねえか」に分類される、単なる無駄話なのだ。
Posted at 2017/10/26 15:46:50 | |
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