このレポートは掲載者が自己責任において作成したものです。
同様のことをされた場合、掲載者はパーツ手配などを含めて、作業前、作業中、作業後を問わず、一切の責任を負いません。
また、違法改造ではないようですが、保安基準が改正されている可能性があるので、事前に最寄りの運輸局か、独立検査法人自動車技術総合機構(平成28年4月に、旧・交通安全環境研究所と旧・自動車検査独立行政法人が統合されて設立)に確かめて下さい。掲載者個人は、独立検査法人自動車技術総合機構に問い合わせることをお奨めします。
実施した場合メーカーの保証は受けられない可能性があります。
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ソニカには下から「R」・「RS」・「RS-Limited」とあるが、RS-Limitedはゲート式シフトで、おまけに7速アクティブシフト(+にしたらシフトアップ、-にしたらシフトダウンのマニュルモード)が付いているのが、他のグレードと違う。
嫉妬してない?
じゃあ、「R」・「RS」を7速アクティブシフトにした上で、プラスワン、機能を追加する方法を紹介致そう。
ただし、やるなら完全自己責任で。一切、クレームを付けず「クルマが壊れようが、ケガしようが、させようが、一切文句は言わねえ」という人に限る。
用意するものは下の写真のブツ。

新品を買うと上のシフトレバーが40100円、下のCVTコントロールユニットが48500円、メーターが50600円。いずれも税抜きの参考価格だ。上手くヤフオク!にでも出ていればいいが、ケーブルや端子を含めると、15万円程度、掛かる。費用対効果の判断は、その人次第。あえて書けば、クルマの電気系統に、多少なりとも強くなるという事。出費は勉強代だと思うべし。高いと感じるか、感じないかは、人それぞれで、筆者が口を出す立場ではないが、効果が大きい、良い課題だよ。「自分は電気系統は苦手だし、解らない」という人も、読んでみたら興味が湧くかも。
肝心要のCVTコントロールユニットはRS-Limited専用品で、ほかのグレードの物を使用するとシフトレバー自体が動かなくなってしまう。RS-Limitedに限っては、シフトレバーのロック・アンロックが電気仕掛けなのだ。
失敗したくなかったら、他のグレードのCVTコントロールユニットの応用にこだわらずに、素直に専用品を買うべきだ。それぐらい、リスクに影響するし、買い直しになると、安物買いの銭失いになりかねない。
さて、回路だ。

こっちはニュートラルスイッチが全グレードで共通なので、気にしなくていい。交換したCVTコントロールユニットにコネクターをはめ込めば勝手にゲートシフト式の方になる。
むしろ、問題はこっちだ。
配線を5本、追加しなければならない。接続コネクターはガラ空きだが、コネクターの端子が手に入らなけりゃ、どうしようもない。運が良ければネット上で見つかるかも知れないが、探し方がわかるかどうか。
が、方法は他にもある。

上の写真はCVTコントロールユニットの裏面のネジ4本を外し、裏蓋を取ってプリント基板を取り外して、裏から見た写真だ。
追加するのは赤丸の5本。プリント基板にリード線を直付けすればいいと思うだろうが、ハンダが周辺に回るから、かなり危ない。
そこで考えたのが、プリント基板の所定の箇所に小さな穴をあけて真鍮線を差し込み、ハンダ付けして、足がかりにするのだ。このときに注意するのは
1.ペーストは使わない。
2.必ず、低温ハンダを使う。
3.反対面をよく見て、他のコネクターの足に接触していないか、ハンダが流れていないか、十二分に確かめる。拡大鏡を使うのが前提の作業だ。
4.残った真鍮線は、ニッパーで切ってしまう。
低温ハンダは、普通のハンダより低い温度で溶けるから、短時間でハンダ付けできれば、基板側のハンダを溶かすことが無いが、ハンダごてを長い時間当てると基板側のハンダにも熱が回って溶けてしまうから、短時間で片付けなければならない。ハンダ付けの経験に乏しい場合は、事前に十分に練習して、なんでもハンダ付けできるレベルに腕を鍛えるのが先だ。ハンダ付けの失敗ほど、見つけにくい上に怖い事は、無い。
低温ハンダは極少量使うのが基本。多いと、付近にも広がって万事休すになってしまう。
オイラは0.5mmの穴をあけて、0.4mmの真鍮線をハンダ付けしたが、ひと回り太い方がいいかも。
拡大鏡でよ~く見て、近くのハンダ付けにハンダが回っていないか、十二分に確かめる!!!ここでチョンボすると、何が起こってもおかしくないぐらい、重要な作業で、真鍮線の細さで重要度が低いと判断するのは、大間違いだ。
足がかりにした真鍮線にリード線をハンダ付けする。足を長くすると、裏蓋を付けたときにショートしてしまうから、長さは最短にしなければならない。よく考えながらやってみればわかる、という種類の作業。
リード線は、絶対に同じ色を使わないこと。Amazonで探せば5色ぐらいあるから、2mずつぐらい買っとけばいい。同じ色を使うと、接続を間違えた時に混乱して、別の失敗を誘発し勝ちだ。
リード線をコネクターとプラスチックのケースの隙間から外へ出し、10cmぐらいで切ってギボシ端子を付ける。ギボシ端子は圧着するだけではだめで、ハンダを流して固定してから圧着する。被覆の圧着も忘れずに。テフロンの絶縁チューブは圧着する前にリード線に通しておく。
「どうしてもリード線を、直接ハンダ付けしてやる」という頑固な人は、リード線の太さに注意が要る。
ここで4枚目の写真を、もう一度見ると、E27、E37、E09という端子番号が見える。大事なのは、その見方だ。下の写真の様にコネクタ端子番号はコネクタを接合面から見た位置を示す。
つまり、ハーネスを持って、こっちに向けた場合の番号だ。

これでCVTコントロールユニット側の準備はできた。次はセレクトレバー側だ。

全体の位置関係を示すのが上の写真。中央にある黒い箱上に白いコネクターが付いているのが「シフトロックコンピューター」。右上のクリーム色のコネクターは、先に書いたE37だ。比較的近くに集約している。

黒い箱がシフトロックコンピューター。

E09コネクター。
勘のいい人だと察しがつくだろうが、リード線を外に引っ張ってくるのは、CVTコントロールユニットの時と同じだ。今度は、固定している部材がプラスチックだから「バキッ」といかないように御注意を。

こちらはE37のコネクター。リード線の引っ張り方は、裏面のケーブルを利用するのが現実的だが、外してしまうと元々、どこに刺さっていたのかわからなくなるので、外す前に必ず、「筆記で記録しておく」こと。筆記で記録すると、頭にも残って、元に戻すときのミスが減る。
ここまでくれば作業の半分は済んだようなものだ。
あとは、CVTコントロールユニット、CVTのセレクトレバー、シフトロックコンピューターの間をつなぐ。
なお、従来のストレートシフト式のセレクトレバーを外すときにシフトロックのワイヤーを外さなければならない。ワイヤーを外さなければセレクトレバー自体が外れないから、文面で書くより現物を見る方が現実的だ。
ワイヤーの反対側はキースイッチのところにつながっている。コラムカバーを外して、よく見ればわかるはずだ。
この時点で、CVTはRS-Limitedと同じになったが、いきなり公道を走るのは、非常に危険だ。作業途上で、なにが潜んでいるか、わからないからだ。
エンジンは掛けずに、IGNがONの位置で、パーキングブレーキをしっかりと掛けて、フットブレーキも強く踏んでセレクトレバーを動かしてみる。動きに引っ掛かりなどが無いか、十分確かめなければならない。
次に、エンジンが十分暖気してから、ブレーキを強く踏んだまま「D」に入れてクルマ側が動こうと反応するか、「R」に入れても動こうと反応するかを確かめる。
セレクトレバーを「S」モード側に倒してメーターの表示が正常に反応するかも十分確かめる。
ここから、やっと試運転だが、環境はそれぞれ違うだろうから、人やクルマが少ないところで、超低速でから。時間的には深夜より、早朝の方が安全かも。
メーカーでクルマが完成した直後を連想すれば、解りやすい。クリーピングから始めて、徐々に速度を上げる。
ここまで来ると、パドルシフトを付けたくない?付けたいでしょ。
回路図はこれ。

早い話、マニュアルモードの+、-の操作は、単なるスイッチ操作なのだ。図のように並列にスイッチを付ければ、どちらのスイッチでも作動する。

パドルスイッチは、できればトヨタ製がいい。付けるのが楽なのだ。

ハンドルを横切るバーの左右に穴が開いているが、これを利用して、付ける。

仮付けの写真しか残ってないが、穴の位置関係はピッタリ合うので、パドルスイッチの前後の位置関係だけが問題だ。
オイラの場合は、長めのボルトをハンドルのバーにナットで止めてスタッドボルト代わりにして、別の二つのナットでパドルスイッチを挟み込むように固定した。
ボルトを長めにしておくと位置決めの自由度は上がるが、裏からカバーが付くのを、お忘れなく。カバーは現物合わせで切断するしかないだろうね。
これだけでは作動しない。3本の線の内、1本はアースだが、少なくても、残り2本はセレクトレバーまで引かなくてはならない。ハンドルは回るから、直接つなぐわけにはいかない。
エアバックを外してハンドルを抜くと、黄色いスパイラルケーブルが見える。付いているケーブルはエアバックを作動させるのと、ホーンの配線だ。それに加えて、更に2本要る。
そこで使うのが、ステアリングスイッチの付いたグレードのスパイラルケーブル。ステアリングスイッチは無いんだから、配線は自由に使える。これを利用するのだが、方法はくらいは、自分で試行錯誤して欲しい。
色々な物を元に戻して完成だが、ゆっくり加速して、なにか異常を感じたら、すぐ止める。いきなりスピードを出すのは論外。さっきと同じように、メーカーでクルマが完成した直後を連想して十分な確認をしてから、低速走行から始めて、徐々にスピードを上げて下さい。
繰り返しますが
、このレポートは掲載者が自己責任において作成したものです。同様のことをされて、不測の事態が発生しても、掲載者は一切責任を負いません。これに同意できる方のみ、事情に合わせて挑戦してみて下さい。