2013年11月27日
きのう、天気が回復し路面も乾いて装着前後の比較が解り易いコンディションになったので、少々走ってみた。
装着前後を比較する場合、いつも走る道を、いつものように走るのが一番解り易い。
まず最初に気付いたのは、走行時の音が静かになっている点。絶対的な音量が下がったというより音の質が変わって「静けさ」に感じ取れるのだ。
ハイブリッド車はモーターだけで走っている時があるが、ロードノイズと風切音以外、余計な音は入ってこないので比較しやすい。エアコンを止めてしまえば尚更だ。
この時に、取り付け前より確実に静かなのだ。
走行中、絶えず微小な弾性変形をしている車体(プラットフォームやドアパネルなど薄い部分が振動し易い)が車内の空気を振動させ鼓膜に振動が伝わって音として感じている。
解り易い例で書けば、オーディオの音が外に漏れる現象だ。コーンの振動がドアパネルを振動させ、車外の空気を振動させ、外部にも聞こえてしまう。
静かになったのは変形が止まったのではなく、変形の速度が遅くなったと考えている。変形の速度が遅くなると空気の振動の周波数も下がり、人間の可聴範囲から外れれば聞こえにくくなる、ということだと推測できる。
タイヤからの振動はサスペンションでは吸収できない。それどころか、サスペンション自体が絶えず振動しているのが普通だ。硬いブッシュやショックアブソーバーの取付部分などを通って車体を振動させる。
YAMAHAのHPには次のような記載がある。
通常乗用車の車体は走行に伴い1mm以下のごくわずかな変形が生じています。弾性体である金属製の車体は変形に対する減衰性が低いため、外力による変形エネルギーはほぼそのまま蓄積・放出され、固有振動数で変形を繰り返そうとします。
パフォーマンスダンパーは、車体への減衰要素の付加により、車体の変形エネルギーを吸収し、熱エネルギーとして発散させるようにしています。これにより車体の過大な変形速度が抑制され、通常走行時における快適性はもちろんのこと、比較的大きな車体変形を伴う高速走行時においても高い運動性と安定性を両立させることが可能となっています。
パフォーマンスダンパーの概念図が下の絵だ。

流体は圧縮すると温度が上がる。「車体への減衰要素の付加により、車体の変形エネルギーを吸収し、熱エネルギーとして発散させるようにしています。」というのは、ピストンの動きによって窒素が圧縮されたときに窒素の温度が上がることでエネルギー変換され、戻ろうとするときには放出しているということを意味すると考えられる。放出された熱エネルギーはオイルが吸収する。動きを止めてしまうのではなく、変形速度を緩やかにするのが「減衰要素の付加」だ。
戻ろうとするときはピストンのロッド側のオイルがキャンセルする。
加えて、突起状の路面を踏んだ時の衝撃が緩和される。角が丸くなったという印象だ。突き上げ感が、かなり低減している。
パフォーマンスダンパーを使わずに車体の変形をさせないようにしようとすると、乗っていられないほどのガチガチのクルマになってしまう。
自動車メーカー各社は車体剛性を上げることに終始してきたが、近年、考え方が少し変わってきている。ある程度の変形を許し、変形速度を制御しようという考え方だ。
トヨタのSAIが、マイナーチェンジを機にパフォーマンスダンパーを採用した。215/45R18のタイヤ・ホイールとセットでメーカーオプションだが、標準装備は205/60R16なので扁平率を下げることで走行性能を底上げする代わり、乗り心地はパフォーマンスダンパーで緩和しようと言う事で、両立できなかったことを両立しようとしている表れだ。
パフォーマンスダンパーの採用はクルマにとどまらず、家屋の筋かい(柱と柱を斜めにつなぐ補強)部分にも使われ出した。従来の考え方は「筋かいを入れることで、柱や鴨居(かもい)・土台で形成される四角形を、変形しにくい三角形の要素ふたつにすることで動かないようにしよう」という考え方だったが、屋根瓦の重みなどで動きが止まらず、動きの周波数の違いで家屋の上と下で揺れ方が違い、結果的に倒壊してしまっていたのを「ダンパーに変えることで緩やかな変形を許し、倒壊を防ぐ」という考え方だ。既に商品化されている。
クルマは今のところ、後付けやマイナーチェンジでの追加がメインだが、設計段階で装着を前提にすれば理想的だ。
Posted at 2013/11/27 08:42:42 | |
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パーツ装着 | クルマ
2013年11月26日
路面が乾いたので、昨日付けたYAMAHAのパフォーマンスダンパーを試してみようとクルマに乗り込んだら

納車後36日にしてこの距離というのは、近年稀に見る数字だ(ここまでいかなかったクルマも・・・)。
因みに最短は昭和56年4月3日に納車されたスカイラインターボで、その日のうちに1385km走り、納車の次の日に1ヶ月点検を受けた。
信州の田舎町の茶店でウィンナーコーヒーを注文したらコーヒーとソーセージが出てきて仰天したのが懐かしい。
パワステが付いていなかったので腕がパンパンに腫れ上がって、帰りに病院に直行したのを思い出す。
今、同じことしたら気を失う。
Posted at 2013/11/26 15:56:24 | |
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こんなの滅多にねえ。 | クルマ