ロードスターとロータス
初代ロードスターの登場では、まさにロータスエランといえるようなそんな存在をもって日本で生まれたような話をよく聴きます。今日は、まさにその名門ロータスの王道ライトウェイトスポーツ、ロータスエリーゼと乗り比べをさせていただきました。
こちらはフェイズ2、いわゆるS2と呼ばれるエリーゼの後期型、111Rでエンジンはノーマル、排気系、デフ、クラッチ、クロスミッション、Sタイヤと軽めのサーキット仕様となります。1.8NAでヤマハ製のトヨタエンジンを搭載。セリカの2ZZ-GEをベースに純正のCPUチューニングで192ps/18.5kgm。かなりパワーあります。
ちなみに、エリーゼは、、、なんと…880kgしかありません。
アルミモノコック恐るべし。
全く異なるLWSとしての顔
ご存じのとおりですが、エリーゼはMR。完全に戦闘機のような存在。ロードスターの考えるヒラヒラとした感覚とは違って鋭い切れ味のナイフのようなハンドリングが売り。オンザロードというか、地面にビタッと張り付き旋回する感覚。横から並べてリアホイールの軸に合わせて列べてみたのが上の写真。
列べてみるととても面白いです。座っているポジションが全然ちがう。NDはフロントミッドシップということもあってやはり後ろ気味に座席があるのがよく分かります。対してエリーゼは車輌のど真ん中に座るような感覚。丁度オフィスのクルクル回るデスクチェアのような回頭感があるのが特徴的。トラクションの掛かりかたやハナッツラの素直さはさすがMRと言えるところ。
このエリーゼはサーキットでの走行も考慮してチューニングしてあるので、また全然ノーマルだと違った印象があるんだろうとはおもうけれど、道をなぞるようにして走る感覚はFRとはことなりもの凄い面白いです。カートをそのまま公道でつかう4輪自動車にしたようなそんなリジットな感覚がホントにレーシーで楽しいし、ハンドルももちろん重ステでかつ雑味がないハンドルインフォメーションが返ってくるのはとても興味深い。
もっと雑なノンパワステの車にのるとおもちゃのようなダイレクト感があったりすものですが、モノコックボディがいいのかエリーゼの重ステはとても素直。こじってる感じはしないし気持ちいいハンドルの取り回しができるのはなるほどなぁといった感じ。もちろん駐車場にとめたりするときは重ステだけにどうしようもない感じだけど走り出せば素晴らしい感覚が得られるのは作り込みの良さなんでしょうか。
車高の低さ、アイポイントの低さは特筆すべきポイントの一つ。NDロードスターでもだいぶアイポイントは低いとはおもうけど、たとえばそのアイポイントの低さの話をすると、NDでは50kmか60kmくらいで走っているつもりがメーターをみると40kmちょっとくらいだったりすることがある。低いってことは地面に近いそれだけ目から入ってくるインフォメーションが異なって違和感として感じられる。すごく速く感じることがその最たる要素なんだけれど、カートで走行してるような地面すれすれ感があるのもこの手の車の一つ特徴的なところですね。
つまるところ、飛ばさなくても楽しいわけで、体感のスピード感が高いように感じられるのでよほどのことがないかぎりは急に止まることもできるしスピードも実際はでてないので周囲からみても凄い飛ばしてるようにも見られない。この錯覚がおもしろいところで、かつドライバーとしても安心して転がせられるところかなぁと自分なりに考えます。
話はエリーゼに戻しますが、とにかくNDよりも2,3cm以上アイポイントが低いんじゃないかなと。とてもスピード感があります。60kmも出してれば凄いスピードで駆け抜けてるような感覚に陥るし、2速でずっと走っていればぜんぜん十分楽しめたりもする。ロードスターだともっと高いスピードレンジで走行すると脚もゆるふわだしFRかつLSDもないのでふわふわふわふわ、、、これが結構怖いですね。怖いのでスピードは出さなくなるという流れが自然に発生するのだけれど、エリーゼは逆。。スピードが乗れば乗るほどハンドルからつたわってくるインフォメーションも安定感を増すので結構なスピードで駆け抜けても怖さがない。のんびりしたLWSとは対照的で、レーシーな存在だなぁと実感しますね。
アクセルやクラッチ、そして111Rではブレーキフィーリングがかなり改善されていてググっと奥できっちり効く安心感があるし、クラッチも重くレーシー。アクセルは爆発的なパワーがある2ZZが大きく3段階くらいドライバーに違いを感じさせてくれます。もっとこまかく踏み抜くようにとボディ全体が要求してきてくれるのも直感的なプラス面なんだろうなぁ。
言えることは、まぁ、構造から考えても比較するような車じゃないってことだと思います。でもこうしたジャンルの車を生みだし続けてることは自動車の文化にとってもとても素晴らしいことですね。
NDの軽やかさ
構造上比較するような車じゃあないと思いますが、ロードスターはLWSにおいても、いまのロータスとはまた違うジャンルだと痛感しています。ヒラヒラと舞うようなそんな感覚はSLPよりもSのほうが圧倒的ということなのでもっと低い速度域でもその感覚を楽しみながらはしれるんだろうと想像します。
オンザロードをするための脚でもないし、ボディ剛性でもない。ハンドルをきってコーナーをたくさんまがっていく中で心地よいと感じるフィーリングを重視しつつ、素晴らしいエンジン特性やトルク特性に恵まれたことでその感覚がより高い位置まで感じられるよう設定されたのがこの車種なのかなぁと。
のんびり走るもよし。たまに峠をひらひらと駆け抜けるもよし。雨の日でも幌をつけておでかけもよし。早朝にドライブなんてのも最高じゃないですか。ロータスエリーゼだと気合いをしっかりいれないとちょっと気分がのってきたのでドライブいこっかな?そんな日常での気軽な楽しみとしては結構ハードルが高いなというのが正直なところ。
まだまだこれからいろんなところに走りにいきつつ、いろいろな車にも乗って見つつ、NDってどういう位置にあってどう向き合っていくのがいいのか一緒に探していければなぁと思います。
Posted at 2015/08/09 13:36:56 | |
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