2020年08月30日
仕事やらあれこれで全く書けませんでした(汗
ついに来週末にはGRヤリスが正式リリースですね。
既にディーラーから納車日の連絡が来た人も居るのではないでしょうか...
僕の納車日は12月頃・・・恐らく年末or年始付近なので出てくるパーツ類やオートサロンで発表されそうな新しいホイールなんかを待ちながら、じっくりと考えようと思います。
さて、今日のお話はGRヤリスの足回りについて考えてみたいと思います。本当に、昨今のトヨタが出してくる車の運動性は非常に良くなっています。
< 追記 >
今回は前回と比べて考えていくと分からない事が非常に多くて、書けば書くほどに「あれはどうだろう」、「そういえばあっちは関係あるのかな?」と繋がりが出てきてしまいました。
始めに僕の中のトヨタ車に対するイメージを書かせてもらいます。
はっきり書きます。割と長い酷評です。大好きだという方は、この前書きを見ない事をお勧めします。
トヨタがスポーツカーの類を出さなくなった辺りから、特に足回り関係が一気に酷くなったと思います。中途半端な車重、程度の低いプラットフォーム(サスペンション)、下ばかりで上がまったく回らないエンジン、エコカー(笑)に関しては2代目のプリウス・アクアが出てきた辺りから、一気に嫌悪感が増すレベルでトヨタ車が嫌いになる切っ掛けと言えました。
唯一・・・クラウンなど極一部の(トヨタ車では高級に分類していいのかな?)セダンだけが比較的まともな乗り味で、『A-Bセグメントより上のカテゴリーだけ』が試乗する気になるそんなメーカーでした。僕からするとトヨタ車のA-Bセグメントの車種が全体的にゴミだったんですよ。Cセグメントはなんとも微妙な位置付けでしたね・・・悪くはないけれどトヨタ車を選択する以前に、他メーカーを選ばない理由も無いよねって感じでした。
ともあれ『こんなゴミに金使うぐらいなら軽自動車で十分でしょ』って感じでした。そもそもA-Bセグメント買うなら、当時はフィットやスイフトがありましたし。数年後には今の型のデミオも出ていました。(今のMazda2の事です)2005~2015年代ぐらいでしょうか・・・当時出ていたトヨタ車って本当にエコカー以外でも可もなく不可もなくって感じの車が多かったと思います。
まさに『人を乗せて運ぶ消耗品』だったんです。
壊れたら乗り換えれば良い、適当に乗って買い換えれば良いみたいな。
道具には愛着が湧きますが、消耗品に愛着が湧く人は少ないでしょう。
単純に僕がトヨタのエコカーの乗り味が嫌いな理由として、運転する事における全てがふわふわと捉えどころのない操作感に起因しています。今回とは少し趣旨が外れますが、アクセルを踏んだ時抜いた時の追従性の酷さ。ハンドルを切った時の反応の遅さと妙なアンダー→オーバーな挙動・・・そういうスポーツ性を意識した車ではないにせよ全体的に『運転手の事を考えていない車』としか言いようがありませんでした。
レンタカーや社有車で乗った際に感心する事が出来たのは、車内の便利機能・電制系が良かった事ぐらいでしょうか。電制に関しては3代目プリウスに関してですが雪山(低μ路)でのトラクションの掛け方が素直に称賛できるレベルだったからです。
ただ、良くあんな車でプリウスカップとかやる気になるな・・・とは思います。燃費・空力設計に関してはCD値が兎に角優れていて、高速走行時の安定性などは侮れないものがあるのは確かですが・・・。このような車でも走らせ方はもちろんありますが、改めて操作技術が凄い人達だなと感心します。ちなみに今回、めっちゃdisったプリウスですけれど、ここ数年ぐらい前から妙に運動性が上がってきており、ワインディングをそれなりに楽しく走れる程度には良くなっています。
・・・プリウスカップってタイヤはともかく、ノーマルの足回りで走るんだよね?2代目や3代目のプリウスでは、僕の技量であんなタイムは怖くて出せる気がしません。命が何個必要になるんだろ・・・。
まぁ、そんな理由で僕が免許を取れる歳になった頃には、気が付けば憧れのセリカや80スープラなど出していた大好きだったトヨタが、低燃費・居住性の良さばかりを気にした車と呼びたくないようなモノ作りをする大嫌いなメーカーに成り下がってました。
そんな僕にとって全体的に底辺な認識しかなかったメーカーの嫌いになる切っ掛けとも言える代表格プリウスが、(上でも少し書きましたが)4代目かな?ぐらいから妙に運動性が上がった訳です。
もともと3代目で電制系を介入させることで低μ路でも走破性は悪くなかった車です。足回りが良くなれば動力系を考慮した運転をすればびっくりするぐらいに良く走ります。・・・当時は足回りが良くなったのかシャシー全体が良くなったのかは分かりませんでした。(興味がそこまでなかったので)
前置きがめちゃくちゃ長くなりましたが、
そんな背景があってこその考察となります。
< 背景終わり >
■ 昨今のサスペンションについて
いきなりですがキモの部分に行きます。しかもどちゃくそ長くなります。
ここ最近のトヨタ車は、驚くぐらいに運動性能が高くなりました。高級外車並みとまではいきませんが、かなり良い勝負になるレベルには良くなっています。もう一度書きますが、これも前書きが長くなります。時間つぶしに暇な方はどうぞ。
・TNGAについて
4代目ぐらいからのプリウスを筆頭に、この前に試乗して驚いたカローラスポーツなどを始めとして、直近では [ ヤリス 1.5L MT ] や [ ヤリス ハイブリッド e-Four ] ですね。正直な話・・・『他社との共同開発と言う体裁の殆どOEM』ではない純水なトヨタ車でもC-Dセグメント以外でこんなに良い車作りが出来るのかと驚きました。
その全ての根幹にあったのが、僕はサスペンション・・・プラットフォームにあると思います。今回、GRヤリスを買う事にならなければ、調べる事もなかったでしょう。TNGA ( Toyota New Global Architecture )プラットフォームと言うらしいですが、凄く簡単に纏めますとコストカットと品質向上を並行して実施するために『部品の共通化をしよう』というものです。
これだけを書くと『結局はコストカットかよ』と思ってしまいますが、革新的な技術によって少燃費性を上げる事がエンジン出力を上げる事に繋がるように・・・革新的な技術によって成された結果がコストカットに繋がる事もある訳です。
今回のTNGAプラットフォームでは、どんな車に使っても申し分のない性能品質が求められる事になります。ニュアンスとしては、(実際にはそんな事は不可能ですが)クラウンに使っても良いレベルの基礎をヴィッツなどのコンパクトカーにも使えるようにしましょうという事です。
結果としてヴィッツ(今のヤリス)など元々製品単価が低かった車種に対しては部品単価が上がるので、本来なら恐ろしいほどに販売価格アップ・・・となるのですが、トヨタが販売する車種全体で見た場合に『車種全体の共通化によって全体的な工数削減・生産キャパ向上・無駄な在庫の削減』などに繋がるためトヨタとしても長期的な視点では非常にメリットがあり、販売価格も据え置きレベルで済むわけです。
調べてみればなるほどと言う話で、TNGAが採用されたのが2015年のプリウスからのようです。それから徐々に採用車種が増えてきたようで、僕が試乗したカローラスポーツやヤリスなど特に素晴らしかったと思えるトヨタ車は全てTNGA採用車でした。
今回、GRヤリスに採用されているプラットフォームは『フロント側に最新のGA-B型』と『リア側にGA-C型を専用に改造したもの』との事です。
通常のヤリスは2019年9月に公式発表されたばかりのBセグメント向けの最新式 [ GA-B型 ]を前後に採用しており、フロントはストラット・リアはトーションビームが使われています。e-FourのAWDモデルだけリア側が2リンク式のダブルウィッシュボーンを採用していますが、今回のGRヤリスとはプラットフォームが別物です。
ヤリス e-Fourのリア側はGA-B型の2リンク式ダブルウィッシュボーンだからです。GRヤリスのリア側は、カローラスポーツやプリウスなどに使われているCセグメント向けプラットフォームのGA-C型を改造したものが使われています。つまり、キメラなのです。
ちなみにGA-C型以上からレクサスにも採用されています。
(現時点では車種的にレクサスにBセグメント以下が無いからですが)
■ AWDとサスペンション構造による考察
GRヤリスに搭載されているフロント側のGA-B型、リア側のGA-C型(改)が採用されていることは上記で触れましたが、今回採用されたGA-B型とGA-C型(改)について考えてみます。参考は各種HPや記事類とVIDEO OPTIONの動画など。
フロントのストラットに関しては置いておきましょう。今回の場合は何と言ってもリア側のダブルウィッシュボーンが特に重要と考えます。トヨタはダブルウィッシュボーンと呼んでいますが、このサスペンションはある意味でマルチリンクなのでは?と感じます。
通常、ダブルウィッシュボーンとは、アッパーアームとロアアームでタイヤを支える形式で、マルチリンクと言えばNCロードスターのように3-4本以上のアーム類にてタイヤ運動方向の自由度を高めたダブルウィッシュボーンの発展形式を指します。
今回のGA-C型(改)のダブルウィッシュボーンでは、ダブルウィッシュボーンに使用するパーツ類に併行した機能を持たせて・・・トレーリングアーム自体がボディとのリンクに該当するのではないかと考えたからです。
Gフォースの田澤さんが手で確認していたトレーリングアーム取り付け部のブッシュをあそこまで柔らかくしていることで、ボディに対してのリンクの一種として機能しているのでは?と考えました。
NCロードスターやRX-8のマルチリンクはお世辞にも良いとは言えない出来です。競技などコーナリング中でトーコントロールアームのブッシュ変化が大き過ぎるのかリアのインフォメーション変化が大きくトラクションが安定しないからです。そのために、競技などにはピロブッシュ化したりすることが多い訳ですが・・・。
GRヤリスの解説時に谷口選手が「これはすぐに固めるでしょ」と言っていたのは、基本的に上記と同じ理由と考えます。
ただ、トレーリングアーム自体にリンクの(3軸的)機能を持つと考えた場合に、ゴムブッシュをピロ化してしまうと上下だけで、トー変化がほぼ無くなってしまいます。ピロボール化という手段もありますが・・・メーカーがピロボール化していなかった事を考えれば、ゴムブッシュの方にメリットがあったからと思えます。
もちろん車種に寄りますがFRに関しては・・・RX-7(FDなど)はリア側に関してトー変化を無くす方向にした方が旋回時の横力に対してヨーモーメントを抑えることに繋がります。それ故の操縦安定性とリニアリティなのですが・・・。GRヤリスの場合には基本的にFFベースのフルタイムAWDとなる訳です。(加えて書くと重量バランスも59:41とフロントヘビーです)
この点について、調べてみたところ4代目プリウスの(TNGA GA-C型)ダブルウィッシュボーンについて車両分解調査という技術レポート(2016/03/07)がありました。もう既に専門の方が解析されたレポートが大変分かりやすく纏められていますね(汗
内容を見てみたところ、トレーリングアーム形状と取り付け点について記載がありました。纏めますと従来の構造ではリアトレーリングアームのブッシュ位置がタイヤセンター位置に対して低く、路面からの入力方向に対してサスペンションの変化方向が異なるためにサスペンションの動きが自然ではなかったとの事です。
GA-C型などのダブルウィッシュボーンの場合は、リアトレーリングアームのブッシュ位置を高くする事で、路面からの入力に対して自然な・・・近しい状態としているようです。この構造を見ると、(ダンパーやスプリングの方向は違うのですが)バイクのサスペンション構造に似ているように思えました。
良く解説の絵や動画などでは、路面からの入力(突き上げ)はタイヤに対して垂直に表現される事が多いですが、実際の走行中ではこの技術レポートの内容にあるように車の進行方向に対して垂直ではありません。
この説明を見ていて感じたのですが、あの極端にふにゃふにゃのブッシュは・・・まさにこの動きの為ではないでしょうか。ブッシュ自体の消耗が恐ろしく早そうなのが凄く怖いんですが・・・。
ボディ→(トレーリングアームブッシュ)→サスペンションと1工程・・・ブッシュ可動分を含めて考えると、カローラスポーツで車の挙動が電制によって不愉快な介入と感じなかった事やトラクションの良さの証明にも思えます。
うーん・・・予想外れては居なかった?なんとも言えませんね(汗
・AWDとコーナリング性能について
少し話を戻してしまいますが、FFベースのフルタイムAWD車は基本的にアンダーステアの傾向が非常に強いです。様々な理由がありますが、広く知られているような理由としては前後で回転差が発生してしまうからです。フロント側が減速・コーナリング時に、リア側でトラクションを掛けてしまうためプッシングアンダーが出てしまうからです。
昨今の技術を結集した結果として、アクティブトルクスプリット型AWDなどに関してはスリップ時に駆動力が配分されるため、従来のAWDとは異なりコーナリング時のアンダーステアは基本的にFWD並みに抑えられますが、今回のGRヤリスようなFFベースのフルタイムAWDの場合ではスーパーAYCのような挙動は難しいと思います。
ですが、『GRヤリスは直線ではWRXなどと比べて最高速で10km/h以上遅いが、コーナーで差を詰めていける』と走行した河野選手がコメントしています。S耐テストではシェイクダウンテストで走行出来る事を確認したまま、FSWに持ち込まれた訳ですが・・・現に、ストレートで差を付けられているにも関わらず、FSW本コースのベストタイムは1分54秒688とかとんでもないタイムを殆ど純正状態で叩き出しました。このタイムはランエボⅩと同等のタイム・・・クラストップのWRX STIと比べて0.7秒落ちです。
最高速で10km/h以上違うというのは・・・かなり辛い事です。特にFSWのような1475mものロングストレートでは5速・6速全開からの伸びで予想以上に差が付いてしまうからです。単純計算で10km/hの差があったと仮定して秒間2.77 m 離されます。つまりざっくり1秒で1台分離されていく訳です。
今のNCロードスターがエキマニ・マフラー交換のみのライトチェーン時代にFSWを走りましたがS2000やFD2・・・積車で来ていた爆音のEK9などのホンダVTEC勢にストレートで抜かれていった非常に苦い思い出があるので、この辛さは割り切らんとやっていけません(汗)ヤツらはコーナーもめちゃんこ速いのです・・・。
話が逸れ過ぎました(汗
ブレーキとコーナーで差を詰めているのでしょうけれど、そのリードをある程度は帳消しに出来るコーナリング性能を持っているという事です。
この点に関して、GRヤリスが特殊なのはFFベースのフルタイムAWDにも関わらず、GR-Fourという機構によって30:70の駆動力配分が可能となっています。この辺りが前例がない為に分からない部分です。
実際に走行したメディアの動画を見る限りでは、単にタイヤの限界が低過ぎるという点もありますが・・・特にRZ(オープンデフ)のSPORTモードで確かにオーバーステアのような傾向が見受けられました。
この現象は・・・極端な例えになりますが911 GTⅢと同じ現象なのでしょうか・・・?911 GTⅢはRRのAWDです。GRヤリスはFFベースのAWDですが、GR-Fourの構造上・・・(ITCCの締結力次第で殆ど誤差な感じではありますが)リア側から駆動力配分を行っています。
つまり50:50のトラックモードでも駆動力の分配に関してはリア側の方が早いと思います。NORMALに関しては従来通りだと思いますが・・・。
うーん・・・書いていて感じたのですが、どちらかと言えば911 GTⅢよりも、日産のGT-R(R35)に近いフィーリングなのでしょうか。もっとも、R35もFFベースではなくFRベースで異なるのは911 GTⅢ(RR)と同じですが。
重量配分が55:45で若干フロントヘビーである事、リア側から優先的にトルクが配分される事という内容としては非常に似ていると感じます。
911 GTⅢ、R35どちらもコーナリング性能が非常に優れています。
WRXやランエボⅩは、どちらもFFベースのAWDです。
この辺りに関係がありそうですね。AWDと言っても駆動分配がリア側からなので、オーバーステア気味に出来るからでしょうか。とは言っても、この2台では動力性能が高過ぎて、素人が運転したら電制で姿勢制御しないとほぼ扱えないレベルでしょうけれど・・・。
そうなってくると、ますますサスペンション構造に対するアプローチは、どうしていけば最適解が得られるのか難しい所だと思います。次回はもう一度サスペンション構造とダンパーとスプリングなんかに関しても触れたいと思います。
今回調べた中で、GA-C型に対する車両分解調査という技術レポート(2016/03/07)を見つける事が出来たので、その中にあったダンパーなどの関係性も含めて考えていきたいと思います。
新技術って、たーのしー!
Posted at 2020/08/30 19:22:53 | |
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GRヤリス | 日記
2020年08月23日
引き続いてVIDEO OPTION 動画など出回ってる内容を元に
GRヤリスのエンジンについて考えていきたいと思います。
かなりマニアックな話になるので、暇だから見てやるかという方だけどうぞ(汗
もしくは納車まで自分の車がどんな車なのか、どんな風に弄れるか考えたい方で・・・ちょっと勉強してみるのも良いかも?と思う方は見てやって下さい。(間違ってる部分もあるかもしれませんけどネ)
■ ローラーロッカーアームの採用
① エボⅠ - Ⅸまでに搭載されたエンジンである [ 4G63 ] と同様に
ローラーロッカーアームを採用している。
始めにロッカーアームとは、カムシャフトのカム山の形状に沿ってバルプを押すための部品です。もちろんロッカーアーム自体を用いない直打ち式(むしろ直打ち式が主流と言えました)もあります。部品増加になる分だけコストも増え、ロッカーアーム自体が及ぼすメリット・デメリットがあります。
高出力のエンジンを作る際にキモになってくるのが、カムシャフトのカム山形状とリフト量(カムプロフィール)です。NAだろうがTBだろうがSCだろうが一緒です。強いて言えばNAエンジン車では過給機を搭載していない為、大幅な出力向上には特に大事なのが、カムシャフトのカムプロフィールになります。
カムシャフトを交換(カムプロフィールを変更)することで、エンジンの(正確にはシリンダー内の)吸排気のタイミングが変わり・・・エンジンが持っていたキャラクターが大幅に変わるためです。純正状態では高回転時の最高出力よりも下道を含めた日常の使いやすさ・・・低回転重視のトルクが重視されますが、カムプロフィールを変える事で競技走行時(高回転重視)の最高出力・トルク向上を重視したエンジンに変える事が出来ます。(もちろん、可能なら現車合わせでのECUマップの書き換えなどが必須です)
雑談ですが社外品のカムシャフトを交換して高出力化するというのは、割とオーソドックスな方法です。純正で高出力が売りな『皆大好きホンダのVTEC』は、カムシャフトのプロフィールを低回転・高回転で切り替える事で実現しています。
当然ホンダだけではなく、各社で似たような構造を採用しています。トヨタのVVTi、スバルのAVCS、三菱のMIVEC、日立のVTC、マツダのS-VTなど詳細は違いますが似たような事はやってますね。(何か画期的な良い構造を作れば、他社が解析して真似をするのはいつの時代も一緒です)
このカムプロフィールを活かすための部品が、ロッカーアームとなります。
ロッカーアームを用いる事のメリットは、カムシャフトへの抵抗(負荷)が少なくなる点にあります。直打ち式ではエンジンオイルなどが潤滑させていますが、バルプスプリング自体の反力をカムシャフト自体で受けてしまうためにカムシャフト自体の回転抵抗となってしまいます。
もう一つは個人的にはこちらが最大のメリットだと思うのですが、直打ち式ではカムシャフトのカム山自体が直接リフト量に関わってくるので限界があるのに対して、てこの原理を用いるためにカムシャフトのカム山高さに合わせたバルブの動作量(リフト量)を直打ち式よりも増やすことが出来ます。
また、カムプロフィール設計の自由度としても、ハイカムのような形状とせずにリフト量を稼げることからカム本体の回転慣性モーメントにおいても有利に働きます。形状面に関しても、凹面形状を可能とするのは最大のメリットと言えるでしょう。
デメリットとしては、ロッカーアーム自体を加える必要があるため、部品点数が増える上にエンジンの設計に制約を受けてしまいます。大きさに関してもシリンダーヘッド部が大きくなってしまうためエンジンルームのレイアウトに影響が出てしまいます。
上記に挙げたエンジンの設計部分に関して追記すると、ロッカーアーム自体が動作する事で慣性が働き、下手な設計をすると高回転時の抵抗となる可能性があります。・・・もっとも抵抗となるのは昔の話で、様々な研究や開発が行われた結果として、極端な例を挙げると高出力のエンジンを必要とするF1のエンジンにはスイングアーム式のロッカーアームが採用されています。
エボⅠ - Ⅸ に使用されたエンジン [ 4G63 ] にも採用されていたローラーロッカーアームと言うのは、分類上ではロッカーアームのシーソー型・スイングアーム型共にあります。所謂、てこの原理での [ 力点 ] 部分にベアリングローラーを内蔵させる事で、ロッカーアームとカム山間の摩擦抵抗を最小限に減らすタイプです。
昨今では、低粘度のオイルを使用した車種が主流となってきている為、ローラーロッカーアームのメリットが大きくなってきており、今後も採用例が増えていくという。
ローラーロッカータイプを使用している車種は、低燃費向けにも使用され始めた事もあり増えているようですが・・・むしろ燃費の良さは出力向上にも繋がります。バイクの世界でも実はロッカーアームの採用が増えてきており、スイングアーム型のフィンガーフォロワータイプがスズキのGSX-R1000Rなどに採用されるなどの例もありますね。
■ バルプスプリングにテーパースプリングを採用
こちらに関しては、正直なところ僕だけではちょっと良く分かりません・・・。カットモデルからGフォースの田澤さんが指摘したようにバルプスプリングにテーパースプリングが採用されていました。テーパースプリングのメリットとしては、コイルスプリングと比べてストローク量(リフト量)を稼げるところにありますが・・・。
バルプ自体のストロークを確保する意味は・・・?
高回転型のエンジンに使われるダブルスプリングでもなく、サージング対策の不等ピッチスプリングでもない。動画中では良く分からなかったけれど・・・もしかしたら不等ピッチのテーパースプリングなのかもしれないけれど、動画中では良く分からない。
仮に、不等ピッチのテーパースプリングだったと仮定した場合、必要とする出力特性を得るためのストロークが必要となり、不等ピッチの特性によって低~高回転までを1つでカバーするスプリングを作ろうとした・・・とか??
ダブルスプリングと同じ効果を1つのスプリングで済ませられれば、ダブルスプリングのように2つも要らなくなって1気筒で4ヵ所 数 g の軽量化になる(全部で12ヵ所の軽量化)・・・けど、そこまでは考えて無さそうな気がする。
※ こっそり追記
バルプのストローク量を増やすメリットですが、カムシャフトのリフト量を増やすのと同じ効果があります。バルプがストロークした距離が増えれば、単純にシリンダーの吸排気ポートが開いている時間が増えるからです。もちろん、やり過ぎるのは良くないので吸排気のバランス次第なんですが、ここで重要になってくるのは吸気側と排気側が共に開いている状態で、オーバーラップと言いますが・・・このオーバーラップ量の匙加減が重要なのです。
時間にしてしまえば刹那とも言えるような時間ですが、ハイカムと言われるパーツはリフト量などのカムプロフィールを変えて、オーバーラップ量を純正と比べて増やしています。純正のカムシャフトで、ハイカム並みのオーバーラップ量を得るためにストローク量を増やして、疑似的にハイカムを入れたようなフィーリングにしているのではないか?と思ったんです。
ただ、書いておいてアレなんですが、流石に飛躍し過ぎというか純正でそこまでやらんだろうと思って書かなかったんですけれど。あにさんから高回転時における出力向上に寄与するんじゃないかとコメント頂きまして『・・・やっぱりそうなのかな?』と思ったので、やっぱりこっそり追記した次第です(笑
ただ、あくまでも『不等ピッチのテーパースプリング1つだけ』であればの話なので、僕の想像の域を出ません。また、不等ピッチでは初期の入力から次第にバネの特性が変化しますので・・・その辺りを含めて考えると初期の低フリクション→高回転時での戻りの初速向上なのかな?というレベルです。ストロークが増えた分だけオーバーラップ量は増えますが、単純にバルプも通常より更に早く戻らねばなりません。ピストンはクランクシャフトの回転で往復してくれますが、バルプはスプリングの力で戻る訳です。
この辺りは、その内にトヨタの開発さんとかがプロジェクトX的な
ドキュメンタリー番組などで解説してくれると凄く嬉しいですねwww
■ レーザークラッドバルブシートが非採用!?
動画を見ていて「あれ?」ってなったのがレーザークラッドバルブシートではなかったこと。今さらになって気が付いて、この数年のトレンドじゃなかった??と調べてみたところMotor fan TECHやCar Watchの記事で既に取り上げられていました。(完全に見落としてた・・・)
こちらに関しては『今回のクルマは世界中で競技に使っていただいたり、レースに使っていただいたり、多分カスタマイズされるニーズがあるのだろうなと思っています。そこがレーザークラッドだとやりにくいです。例えばシートを打ち替えるであるとか、そういった保守、メンテ、チューニングを含めてのものになります。そのような余地を今回は、残したということです。そのために“少しの工夫”で乗り越えています。詳細は量産まで待ってください』(参考:Car Watch)・・・との事でした。
何とも言えませんが、GRヤリスがローラーロッカーアームとテーパーバルプスプリングの組み合わせを採用した理由は、1.6 L エンジンに対する高出力化へのアプローチだけではなく、SP規格 0W-20のオイルを使用していることにも関係がありそうですね。
あくまでも想像でしかものを言えませんが、環境側面からSP規格の低粘度オイルを使った上で、弊害として出てくる混合もしくは境界潤滑領域での低フリクション性を低~高回転までカバー可能な設計が必要となったのか?でしょうか。
・・・むしろ、レーザークラッドバルブシートを使わなかった理由などを加味すると、量産車として最適化をしていった結果としてそれぞれに採用する必要があったと表現するべきなのかもしれません。
次は足回りについてでしょうか。
その他にも気が付いたことなんかがあったら、
だらだらと書いていこうと思います。
Posted at 2020/08/23 18:46:17 | |
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GRヤリス | 日記
2020年08月19日
■ VIDEO OPTIONの動画の話
NOBさんこと谷口選手とチューニングショップGフォースの田澤さんが、VIDEO OPTIONの動画でGRヤリスの解説などをしてくれたようです。OPTION流石です・・・!!こういう情報が何よりも欲しかったんですよ!
Gフォースの田澤さんのコメントでは、やっぱりというか・・・何と言いますか・・・予想通りに嫌な方面で厳しいコメントがありました。あのエンジンレイアウトとエキマニでは、プロから見ても抜け道とか無いものか・・・。
足回りに関しては、各社がどうとでもしてくれると思いますので構わない。それよりもパワーですよ!272 PSでも十分ですが、純正状態で最大約1.5kのブーストが掛かっているようです。ここからブースト圧を上げて本当にECU+αだけで350PSいくのでしょうか・・・。(個人的には300~310 PSぐらい出てくれれば必要十分で嬉しいです)
純正状態では、絶対にマージンを取っているはずですが・・・採用しているターボはボールベアリングターボです。オイルフローティングのジャーナルではありませんので、HKS GTⅢのようなハイパワーは構造的に厳しいでしょう。
そもそもタービンの回転数を一定以上にしないためにウェストゲート制御が特殊とか聞いたけど。昨今の小排気量ターボだと主に燃費向上狙いでウェストゲートの制御って割と一般的だと思うんだけどGRヤリスは常時タービンに排圧掛かってる状態にしているらしいから、最高出力付近でウェストゲートを開いて逆に排圧分散させる・・・とかなのかな?
そうだった場合、マージンをどれだけ残しているのか・・・厳しい気がします。
個人的な意見ですけれど、WRCホモロゲが関係無くなったのであれば・・・3気筒のままで良いので、1気筒辺り600ccとして無理のない範囲で1.8 Lにしません?等倍にはならないと思いますが1 cc 辺りの出力から300 ~ 305 PS付近ぐらいですかね?シリンダーなど重量増加になりますが例えば 1290 kg で 10 kg 増えたとしても300 PS出ていれば純正状態で『 200 kg !も軽い WRX STI 』ですよ?やったぜ
個人的にどうせ弄り難いなら...
弄らなくても十分なこっちの方が嬉しいかな・・・w
■ 等速トランスファーの話
ALPHAの社長がGRヤリスのRC購入を決めて、少しずつ情報を出してくれているのですが等速トランスファーを選択した場合でも、「通常仕様よりも切り替えた変化が判りにくいかもしれない」がAWD制御のモード選択は可能という記載がありました。
どういう事でしょうか...
等速トランスファーを入れるという事は、
言葉上の意味でも『等速』と書いてある以上は50:50になるはずです。
僕の理解ではITCCのフルタイムAWDで駆動配分をリア側なりフロント側に偏らせるためには、カップリングの締結部を滑らせる必要があるはずです。だから、GRヤリスのAWDシステム『GR-FOUR』は前後の駆動配分が調整可能な新開発AWDなのだと理解していました。
(AWDという機構に詳しくは無いので、僕の勘違いだったらすみませんが)少し噛み砕いて説明すると、ジェイテクトのITCCとは2009年頃に出てきたAWDの制御用のカップリングです。100:0 → 50:50にすることが可能となるものです。つまり駆動輪のスリップを検知した際に非駆動輪に動力が供給というか分配されます。(最近流行りのアクティブトルクスプリットAWDというやつです)
この方式ではカップリングに油圧クラッチを使用する事で、前輪もしくは後輪に動力を供給する事が可能となります。故に従来のITCCでは、(前後のデフのギア比が等しい場合)動力側から100:0は可能であっても50:50までが限界で、0:100に駆動力を変化させる事が出来ませんでした。
GR-FOURの駆動力配分が幅広く可能となったのは、前後の減速比に差を付ける事でカップリングの締結時に常時スリップ状態としている点にあります。だから、締結力を強めれば強める程に、リア側へ駆動力を振ることが可能となるようです。純正状態では、締結力は下記のようになっていると思われます。
NORMAL 弱 → TRACK 中 → SPORT 強
※ 恐らくですが、ITCC的にはSPORT >>TRACK ≧ NORMALの関係で油温が上がりやすく厳しいのではないでしょうか。強ければ強いほど摩擦が増えて厳しいが、弱くても半クラッチと同じように良くは無いのではなかろうか?60:40なので然程変わらないとも言えますが。50:50のTRACKモードも締結力で維持しているとの事から、純正状態では常に滑っている状態のはずです。
去年の12月頃にメディア向け?試乗会では、ITCCの油温センサー?によりセーフモードに入ってしまうという事がありました。この症状は、カップリングの締結時に常時スリップしている(例えが微妙で申し訳ないけれど半クラッチ状態?)事に起因すると思われます。
※ 後のインタビュー動画で、「スリップさせていることでITCCの油温予想値からECU側でセーフモードにしてしまった」と聞いています。現在ではITCCの油温実測値?(あの小さくてクラッチプレートがぎっしり詰まった構造体のどこにセンサーを噛ませたのか凄く気になりますが)で制御しているので問題無いようです。
話が逸れていきましたが、前後でギア比が異なるからこそ、駆動配分が50:50で固定とならずに30:70などが可能になった筈なのです。等速トランスファーを入れて前後の差を・・・ファイナルを同じにしてしまったら50:50以外にどう配分出来るのですか??
純正状態では構造上、瞬間的には変動するようだから±α程度の変動であれば分かるけれど、等速トランスファーを入れたら30:70までどうやって配分するのですか・・・???
ちょっと、僕の頭では理解出来ませんでした。頭が固いのかな・・・。前後のファイナルをそれぞれ合わせている筈なのに、駆動配分が可能で30:70に出来る???
ALPHAの社長が確認した文章の内容から『通常仕様よりも変化が判りにくいかもしれない』とあるけれど、クラッチの締結力で駆動配分が常時変動するような話だから、基本的に50:50だけれども、瞬間的には(理論上は)30:70になる瞬間があるということ??
うーん・・・僕には、クラッチの締結力が強くなっても前後のファイナルが同じであれば、50:50にしかならんと思うのだけれど・・・。僕には理解出来なかったけれど、等速トランスファーを入れても何らかの方法で駆動配分を30:70に出来るのであれば、競技に使用するには一番良い選択肢に思える。
だって、常時スリップさせない訳ですよ?例の問題になりそうなセーフモード問題だって実際にサーキットを何周連続で走ったらセーフモードになるのか情報が無いから知らんけど、ITCCの油温に関する心配は少なくても減るんじゃないかな。
もちろん、正否はあるのだけれど
この手の情報は、7月までに出してくれませんかね。
そもそも先行予約者特典の開発秘話って、Youtubeに後々公開されたやつだよね。しかも、GRファクトリーが凄いよっていう作業の様子とかが映ってた訳だけど、内容としてはあまり実のある内容じゃなかったよね。どの辺りが開発秘話だったんですか?
メーカーオプションとかの情報こそ、予約者に流すべきなんじゃないのかな。ネットに流出させる輩が出てくるって?罰則金・・・なんなら『情報流出させたら訴訟沙汰になったら、該当区分1箇所につき罰則金〇〇〇〇万を支払った上で了承します』っていう誓約書でも書かせれば良いだろう。
それの可否までは知らん。その程度はメーカーが考えてくれ。
少なくても商談開始から終了までの期間ではなく、遅くても7月中旬には全てのメーカーオプションなりの情報程度・・・もしくは純正状態の性能や限界に関するエビデンスは用意するべきだったと思う。『1st Editionは人柱』っていうのを理解した上で購入するつもりでいたのは確かで、予約のデポジットも支払った訳だけど・・・9月以降に全てが明らかになるのであれば、1st Edition予約者でRC選んだ人ぐらいはメーカーオプションの変更が出来るようにして然るべきだと感じる。
『RC用のオプションだから1st Edition予約者には発表しませんでした』って言われたら、それはそれで言いたいことはあるけれど・・・。『車好きを増やしたい』、『競技走行ユーザーを増やしたい』とか少しでも考えてくれているのであれば、もう少しというか『買い手のお客様に対して、売り手はどうあるべきであるか』を考えた方が良いんじゃないかな。
今回のGRヤリスのアプローチ方法みたいにさ。
今の売り方は、
『作ってやったぞ、早く欲しいのだろう?情報無くても買えよ。』
・・・って言われてる気分です。
この程度で不満を募らせる僕は、短気ですからイラッとしました。
(欲しいので文句言いつつも結局は購入してますけれど)
Posted at 2020/08/19 23:02:58 | |
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GRヤリス | 日記
2020年08月16日
本日は久しぶりにバイクの話です。
もうすぐ休みも終わろうかとしていますが、相も変わらず強制力はありませんが
会社から不要不急の自粛を言いつけられているので、結局は基本的に食料品の買い出し以外は外出できなかった僕です。
平積みされて溜まってた洋画のDVD/BD消化や本を読んだりしていましたが、
外出出来ないというのは非常に窮屈なものですね。後は車関係だとちょっとしたお小遣い稼ぎと言うか、お手伝いで屋外に出たぐらいでしょうか。スポドリ粉末や氷などの買い出し→休憩所にキャンプで使ってるタープ設営→昼食手配などなど・・・スポ少の保護者かな?という感じでしたが( ̄▽ ̄;) 水着のお姉さんだったら大歓迎なのですが、実際にはオッサン達のケアです。本当にありがとうございました。
コロナ関係の面倒な部分があるんで、7-8人ですがタープ2張りして、皿やコップなどは名前書いて混ざらないようにしたり、ゴム手使ったり。エタノールで机とか拭いたり。経費で落としてくれると言うので、昼飯に近所のお肉屋さんから買ってきたラム肉を串にさして、源タレ刷毛塗りして炭火焼きにしたりとか。基本的に僕が昼食作って、オッサン達に提供する屋台スタイルです。先生がかき氷機持ってきたので、食後とオヤツにかき氷も作りました。
源タレ味シロップとかカオスな地獄絵図も一部出ましたが...
オモテナシ満載でオッサン達もホクホク。僕もお小遣いがもらえてホクホク。
バイクに関しては、1度だけバイクで近所だけでも軽く走らせようと思いましたが、外に出た途端に恐ろしい熱風が・・・。路面からの照り返しで40度近かったのでは(汗)食料品の買い出しに外に出れば国道が渋滞しているのを思い出せば、更に出る気力が無くなってバイクにすら1度も乗れなかった盆休みです。
いつまで続くんでしょうかね・・・この生活・・・。
と、個人的に人生で究極的につまらなかった夏休み&盆休みの感想はともかく、Youtubeなども暇な時間に流してたりする訳ですがYSP横浜戸塚さんの放送でTRACER900GTについて『フロントの接地感が少ない』という発言がありました。フロントの荷重が掛かり難いバイクだと・・・このバイクを購入してから延々となんでこんなにフロントの接地感が無いのだろうと思っていたのですが、やはりフロントの荷重が掛かり難いのが原因で合っていたようです。
ワインディング流してる時にコーナリング時に前傾姿勢でフロント荷重かけないと、自分の頭の中に描いていたラインをトレース出来ないんですよね。正確にはそれでも僅かに想像よりズレてくるのですが・・・。段差などでフロントが跳ねやすかったり、アクセル開けた時の動き含めても基本的に動作が後ろよりなんですね。
仕事やらコロナの影響で、TRACER900GTを買ってから長距離ツーリングもキャンプも殆ど行けていないのだけれど、僕はミニマリストにはなれないので割と重装備で行きます。『えっ、車じゃないのに、こんなに色々と詰めたんですか!?』みたいな事を割と言われます。まぁ、本当に必要ではないものについては持っていきませんが。
例えば、テント(ソロ用ではあるけれどかなり重いTC生地の2-3人向け幕)、タープ(遮光性が高いが割と重めのTC生地の大型 or 小型タープどちらか)、タープ用ポール2本、焚き火台(Mサイズ以上)、薪割り用斧、調理用ナイフ、椅子、テーブル、コット、シュラフ、枕、クーラーバッグ、ソーラー発電機、etcetcetc...
バイクですが、車のソロキャンパー並みの装備は揃ってますねwww
3泊以上の連泊どころか1週間単位の旅が可能な装備ですね。北海道など移動が主になるような場合には、焚き火台などをガスストーブ系に変えたりして斧などは省略しますが。
もちろん、それだけ積載すれば純正パニア×2、キャンピングシートバッグ2だけには収まらないので、追加でテントが入る防水ロールバッグ系を最低1つは追加します。総重量でおよそ40 - 45 kg(過去最高で53 kg)ほどでしょうか。
基本的に女性一人もしくは男性一人を乗せてタンデム走行するよりは軽いんですけれど、アクアラインなどの横風が相当厳しい場所を通る場合には、人よりも荷物の場合は体積というか面積が大きいので影響を受けやすく、気を抜くと転倒するレベルになります。
後ろに相当荷重が掛かっているので、高速など平坦な道以外では前傾気味の姿勢を取って、下道(特にワインディング)ではブレーキタイミングを少し遅らせてフロント荷重気味にコーナーに入るようにしています。当然ですが法定速度の話です。(速度に関わらずフロントに荷重を掛けないとラインが膨らむため)
フロントのプリロードを色々と試しても納得来なかったのは、この辺りが原因でした。堅くし過ぎると跳ねやすく速度を乗せてあげないと荷重が抜けてしまう。柔らかくし過ぎると荷重は乗せやすくなるが応答性が悪くなる。結果、納車状態のRefから1-2ぐらい柔らかくしてワインディングは前傾気味という状態に落ち着きました。
・・・落ち着いたというか、妥協点というか。
これ以上を求めるには前後のサスを変える必要が出てくるので、費用が非常に高くなる。妥協出来る程度に収まっているのであれば我慢出来なくはない。TRACER900GTでサーキット走行なりジムカーナに出る訳では無いし。
そう割り切った訳です。
そうは言っても、友人や知人のバイクに乗せてもらうとSSとかってやっぱり乗りやすい。自分が思い描いたラインに限りなく近く走ってくれる。車で言う修正舵が要らない。ブレーキのタイミングから倒し始めまでコーナー1つ曲がるだけで、これでもかと違いが分かってしまう。
傍から見れば大した差ではないんですけれど、運転している側からするとやっぱり修正舵が必要だったり、ブレーキのタイミングを意図的に遅らせたりってストレスなんですよね。長いこと乗っていれば慣れていくんでしょうけれど、未だに慣れない。
キャンプや旅に出るときのような装備を乗せていないとか、そういう理由も当然あるのだけれど・・・。どれだけ乗っても『意識して乗らないといけない』と言う部分が自分の中で違和感のように引っかかってしまう。
旅用のバイクとしては申し分ないけれど、BMW R1250GSみたいにワインディングも楽しめるような出来ではない・・・そこはどうしても価格相応なのでしょう。一つの車種に全てを求めてはいけないのですが、上を知ってしまうと澱みが出てきてしまうのは仕方が無い事なのかもしれません。
不満があるけれど我慢出来る・・・というレベルに
作り上げているのがミソなのかもしれませんが(汗
Posted at 2020/08/16 12:37:42 | |
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TRACER900GT | 日記
2020年08月10日
連日毎回、GRヤリスばかりだったのでたまには違う内容を書きたいと思います。
今回、注目したいものは『ドライブレコーダー』についてです。
皆さんはドライブレコーダーを使っていますか?
使っている機種・種類はどんなものでしょうか。
僕なんかが書く内容よりも纏め記事の方が詳しく載っていますが、
個人的な備忘録を兼ねているのでご容赦下さいw
ざっくり分けていくとドライブレコーダーには下記の種類があります。
■ 前方録画
広角型のカメラが1つ。 設置時の方向のみ録画するタイプ。
メリット : 非常に安い
デメリット : 撮影範囲でカバー出来ないアクシデントに対応出来ない。
■ 前後録画
前方録画と同じ広角型のカメラが2つ。 それぞれ前後につけるのが一般的。
メリット : 安い~やや高い。前方録画の後方もカバー出来る。
デメリット : 側面など撮影範囲外のアクシデントに対応出来ない。
■ 360度(180度)録画
魚眼型のカメラが1つ。
最近流行りだしてきた360度撮影のアクションカムと同様。
メリット : やや高い。撮影範囲が360度なので、事故状況の説明に有利。
デメリット : 解像度がかなり低い。撮影時間が短い。
先日、行きつけのお店でドラレコ購入を迷っている方が居て、その時に社長と3人で雑談していた時の内容なんですが・・・結局、有利・不利がある訳です。その方はアウディ TTクーペを購入されたばかりだったようで、事故など何かあった時の為にドラレコが欲しいというのが発端でした。
僕の個人的な感想ですが、タイトルに書いたようにドラレコとアクションカムを比較した場合、かなり大きな違いがあります。残念な事にドラレコの撮影能力は、アクションカムの領域まで達していない製品が多いです。
特に360度撮影型のドラレコです。
酷いものだと解像度が低過ぎて、衝突してきた車のナンバーを読み取れません。
当て逃げなどに関しては、状況証拠を上げるにも決定打にかけてしまいます。
※ 比較対象のアクションカムはGoProやSONY アクションカム、DJI OsmoAction、Insta360シリーズなどを前提としています。安めの中華製アクションカムは考慮外ですが、ドラレコの撮影能力は良くて中華製アクションカムの上位機種相当・・・証拠として使えるレベルかな?というものが大半です。
ドラレコでも高級機種などになると、鉄板と言われるアクションカムメーカーのエントリーモデルクラスの解像度になります。『そこまでの解像度が必要?』という疑問については後述したいと思います。
■ ドラレコを付ける意味
何のためにドラレコを付けますか?走行中に発生した事故時の状況説明ですか?
状況説明であれば、実は解像度が低くても問題ありません。
何故なら、相手の車が特定出来ていて、その場に残っているからです。
夜間だろうが日中だろうが、解像度が低かろうが状況は記録に残せるのです。
それなら、当て逃げ対策ですか?
当て逃げ対策としてのドラレコは、比較的割高なものが多くなっています。
夜間に対応するセンサー、ナンバーを読み取れる解像度が必要です。
特に夜間に対応するセンサーというものは、かなり限られています。カメラのセンサーと言えばSONYです。一眼レフからビデオカメラやアクションカムに至るまでSONYのセンサーは高級機種になれば採用率が高くなるほどの信頼性があります。
安いドラレコは、何故安いのでしょうか。
①センサーに安いものを使用している
安いセンサーは画角などにも影響がありますが、
白飛び・黒潰れ・ノイズなど様々な粗があります。
②レンズの光学設計が悪い
ドラレコ・バックカメラ・アクションカム・携帯(ガラケー)・スマホのカメラなどは、基本的に自然な見え方をするようなレンズ設計が出来ません。③でも後述しますが、公差を考えて製品設計をしなければいけないために、メーカーさんがかなり苦労されている部分です。
出力された映像の歪み、斜入射からのゴースト(フレア)など
①と相まって酷いものは、割り切って使用する勇気が必要です。
③(そのメーカーの)画像処理技術が悪い
画角に関してもそうですが、製品の大きさなどサイズ的にかなり厳しい縛りの中で、光路長が確保出来ないからです。そのため②で書いたような僕達の周りにあるカメラの大半がレンズユニットだけでは綺麗な映像が取れません。画像処理によって成り立っている分野と言えるでしょう。
その心臓部である画像処理技術が未熟であるのか・・・もしくは、(画像処理ですらカバー出来ないレベルで)センサーや光学設計が酷過ぎる品質であるか。
この3つの何れかがダメでも成り立たなくなります。
だから、少しの金額の違いで得られる成果も目に見えて上がります。
ちなみに僕は、当て逃げ対策として付けています。
僕の住んでいる物件は社会人向けの割高物件なんですが、時折・・・学生さんが入居する事もありまして、言ってしまえば運転が下手な子が遊びに来ることがあります。そして、その手の族は当て逃げすることがかなり多いです。
もちろん、そういう子達以外にも下手な人は多いけどね。
僕自身、10年近く住んでいますが8回当て逃げされています。
後に8回中、2人が2回当て逃げしていたのが分かって弁償させています。
弁償させた4回中、ドラレコから弁償させたのは2件のみ。
残る4回はドラレコもついていなかった時期なので闇の中。
ロードスターの中でも比較的大きい方に分類されるNCロードスターですが、全長に関してはどのロードスターと比べても大差ありません。普通車のセダン・ミニバンと比べても明らかに短く、Bセグメントクラスの車より短い事が多いです。(具体的にはトヨタ車のアクアやヴィッツなどがBセグメントに該当)
車輪止めに後輪を当てて、一番引っ込んだ状態にしていると
駐車スペースのラインから 50 cm近くは余裕があるんですが、
それでも・・・ぶつける阿呆は一定数居ます。
両側に入居者が居ればまだマシなのですが、
居ない時には側面をがっつりやられた事もあります。
一番酷かったので、フロントバンパー脱落・ナンバープレート破損ですかね。
フロントバンパーの時には、運よく大家さんが目撃していたのでそのまま警察に通報・当て逃げ現行犯で事なきを得ました。大学生の子だったのですが、警察に事情説明している際に『自分では修理費用が払えない』(加えて保険未加入)と言われ、『親御さんに工面してもらいたいので連絡してほしい』と言ったら、過去にも当て逃げしていたのをこのタイミングで白状しまして・・・。
色々とまぁ面倒な事件でした。詳細を知った相手方の親御さんが、
態々他県からお金を手渡しで謝罪に来たという・・・。
ナンバープレート破損の時は犯人が見つからず・・・。
バンパーの修理その他で10万近くの被害が出たのを切っ掛けに
ドラレコを付けました。主に停車時の当て逃げ対策用です。
コンビニやスーパーで停車中に当て逃げされる事も割と聞きます。
僕のようにコンビニで、離れた場所に停車していても、
後ろが見えないのに凄い勢いでバックして全損クラスの事故を
起こしやがった女性(と書いて馬鹿と読む)も居ましたがね。
ただ、こちらの場合は誰も停めないような遠く離れた場所に停車する事で防げるケースが殆どです。『雨に濡れるのが嫌だ』、『入口に少しでも近い方が良い』・・・などなど。皆さん考える事は一緒です。
離れた場所に停車する人は、当て逃げを警戒している方が多いです。
離れた場所に停車する人は、意外に多いのですが・・・そもそも当て逃げを警戒するような方は運転が慎重になりますし、隣が空いていても1つ開けて停車したりします。離れた場所と言うのは停車位置を選び放題ですからね。
交通量・利用客の絶対数が明らかに少ない為、
当て逃げなどの接触事故などには、相当効果があります。
そんな当て逃げ対策ですが、目撃者が居なかった場合にはドラレコぐらいしか証拠を残せないんです。ドラレコの費用と車の修理費用を天秤にかけると、僕の場合は簡単に元が取れました。
これも実体験の苦い記憶なのですが、コンビニやスーパーなどの防犯カメラの映像と言うのは、当て逃げなどで提供してくれることはありません。記録を確認させてくれる事も"ほぼ"ありません。
自分の身は自分でしか守れないのです。
自分の家の敷地内(庭など)に停めているから必要ない。
出先で、ぶつけられなければ必要ない。
ぶつけられても修理しなければ必要ない。
それは確かですが、やはり万が一の時に安い適当な板金屋さんでも3-5万以上の修理費用を負担するよりは、個人的にはドラレコを購入・取り付けしておいた方が無難だと思います。
高い機種でも3万円程度です。
その中でも安めの機種を吟味すれば2万円程度で手に入ります。
ですが、そのケチった1万円の内容については、吟味される事をお勧めします。
ケチった内容の所為で決定打に欠れば、そもそも付ける意味がありません。
中華製アクションカムと同じで、ドラレコの性能は日進月歩です。
先進メーカーの技術を盗んで安価なものが増えてきています。
もっとも価格帯的に供給元が同じなのかもしれませんが・・・。
半年先・1年後には現行機種の最新版並みのドラレコがエントリークラスになるかもしれません。どこまで性能を追求するかに寄るのは個人の自由ですし、性能面・価格面でも高過ぎるものは必要ないと言うのも事実です。
唯一言えるのは、現行の車メーカーが純正オプションとして設定しているドラレコは割と高価なのに微妙なものが多いです。一昔前の純正ナビと似たような状況と言えます。良くて1世代前・・・大体が2-3世代前の製品が純正オプションとしてラインナップされており、値段も最新機種並みの金額となっています。
最新機種の車に関しては、通信機構を備えているので・・・(既に実装している車・メーカーもあるかもしれませんが)将来的にはアクシデント発生時にメーカーオペレーターが遠隔操作で録画開始をしてくれるような感じになるかもしれません。(現行車種のナビのように純正オプション以外を選ばせないため)
対費用効果として、個人的にはかなり効果があるものと思います。
通勤・通学に使用するような使用頻度の高い車でなければ、バッテリー上がりの可能性が高くなりますから、そこに関してはご注意下さい。
Posted at 2020/08/10 11:53:19 | |
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撮影機材 | 日記