2012年12月17日
Posted at 2012/12/17 09:13:37 | |
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写真箱 | 日記
2012年12月15日
昨日のウインチのワイヤーに関しての記事を見た友人から面白いメールが届いたので此処にご紹介したいと思います。
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ロープ類にグリスを塗布する理由は、次の2点に集約されます。
①ワイヤロープの芯に潤滑の為に麻などの心綱が使用されている場合、この心綱は外周のワイヤ層の潤滑を長期にわたり確保する為に製造時からグリスがしみこませてあります。このグリスはワイヤが滑車やフェアリーダーを通過する際に屈曲することにより周囲のワイヤ素線に滲み出し、素線同士が内部摩擦し磨耗するのを防ぐ為に施されています。
②ワイヤロープの外側に用いられるグリスは、滑車やフェアリーダー、地面などと摩擦し、表面磨耗するのを防ぐ為と、内部の心綱からにじみ出てしまったグリスの補給の為に用いられます。
広く一般産業用に用いられているワイヤは上記のグリスを用いない場合、酸化等による腐食が容易に発生する材質(鋼製かそれに亜鉛メッキを施したもの)なので、屋外に順ずる使用環境でこれらのワイヤを使用する場合ロープグリスの使用は事実上絶対条件とされています。
一般的な産業ウインチには赤ロープグリス、長期に渡って設置され続ける環境にある吊橋や索道などのワイヤケーブルの保護には耐久性重視のアスファルト系黒ロープグリスが適しているそうなので、ウインチに使うなら赤ロープグリスかもしれません。重油や原油は不純物により素線を侵すので使用は避けること。
例外として、屋外に用いられるワイヤ類に於いて、道路に設置されたガードロープ(正式名はガードケーブル)や電柱の支線がありますが、このワイヤには心綱が無いうえ、使用環境において屈曲もないので①、②のどちらのグリスも使用されていません。そして何より、歩行者やその他の交通に対しての汚損を防ぐ点からもロープグリスの使用はなされていないのです。防食の為に亜鉛メッキがされています。
同様に、レジャー車両用のウインチは、その使用頻度、使用条件からして、ワイヤの内部摩擦を考慮しなくてはならないほどの使用頻度は無い上、環境による腐食を排除し、そのワイヤの取り扱いを事実上メンテナンスフリーにするためにステンレス素材を用いたワイヤが使用されています。
よって、①、②のワイヤグリスは使用しなければならないことはありませんし、また心綱も組み込まれていないので、当初よりグリスの必要性は無視されているのではないでしょうか。
むしろグリスを使用することによって、地面との摩擦の際、砂塵等を素線の中に閉じ込めて内部磨耗を起こしてしまう可能性(素線内部の砂粒は素線破断の要因です)、並びに車両や操作員の汚損を惹起します。
ユニック等のクレーンではワイヤが土砂にまみれることは少ない条件で、滑車やドラムにより頻繁に屈曲されるので、グリスは必須なのでしょう。
※ワイヤは衝撃荷重に弱いので、大型船舶の係船ワイヤではテールロープと呼ばれる10メートル程度のホーサー(繊維ロープの係船ロープ)を末端に連結して係船ワイヤを衝撃荷重から保護しています。このテールロープにはワイヤの破断荷重の1.25倍程度の能力のホーサーが使用されます。
一例として、45メートルの係船ワイヤに11メートルのナイロン製テールロープを連結するだけで、事実上約260メートルの長さのワイヤを使用したのと同じ衝撃吸収効果を確保できるとされています。
つまり、レジャー車両用のウインチであってもその先端にソフトカーロープかストラップを連結するだけで、衝撃荷重による破断、ウインチやウインチベッド、車両に対するダメージを未然に防ぐことが出来ます。
私はウインチを使用する際はなるべくソフトカーロープを連結します。こういった使い方は誰もしていないと思います。
ワイヤグリスもメリットはありましょうが、使用用途を考慮するとステンレスワイヤならばグリスはやめて、ソフトカーロープと併用する方式のほうがスマートに思えます。
以上御参考までに。
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この様に静岡のY60AD乗り友人から興味深いメールが届きました。いつもながら良く変な事を知っているものだと感心しますが、今回もその例に漏れずです。本文中にもありましたがレジャー用のウインチのワイヤーの材質にはステンレスが用いられメンテナンスフリー化が図られていると言う点は確かにそう言う事が有りえない訳でもなさそうです。ただ気になるのが自分が見つけたランクルの取り扱い説明書にはグリスの塗布の指示が記載されておりました。ランクルの場合純正ではWARN社、アイシン製の物が搭載されておりますがその両者使用ワイヤーロープの材質が同じ物かは判断が付きません。一方日産サファリ場合はPTOとWARN社M8000が使用されており時に電動の場合にはワイヤーロープの材質が同様の物である可能性があります。するとこの点から判断するとグリス塗布の必要性があるかもしれないともいえます。今私のウインチは20年ほど前のノーメンテナンスのワイヤーですから表面はガサガサで使用頻度は低いですが交換次期と考えた方が良いかもしれません。若しくは一旦赤ロープオイルを染み込ませメンテナンスしテールロプとの併用で使用するのも一つかもしれません。
また一つ勉強になりました。

Posted at 2012/12/15 08:21:48 | |
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GQという名の漁船 | 日記
2012年12月14日
やっぱりと言う感じで今日はお勉強になった事が一つ。takanzさんから頂いたコメントにウインチのワイヤーは新品だとロープオイルでベトベトしているとのご指南がありましてその後色々調べていると確かにその様な物が存在する事が判明しました。その筋のお方には至極当然なお話でメンテナンスを怠るとは論外とお叱りを受ける事ですが、この度知り得たので恥を忍んで此処に記したいと思います。
確かにユニックなどを見るとワイヤーが油(グリス)でギトギトしているのを見かけます。此れはワイヤーの寿命を延ばし、損傷を防ぐために必須のメンテナンスの様であります。専用の油も存在し油なら何でもよいという訳ではなさそうです。その様なメーカーサイトを読んでいると酸やアルカリを含ます油膜保持製や浸透性まで厳密には考慮が必要な様です。このロープオイルを使っているとワイヤーの寿命が2~3倍に伸びるとも書いてありました。
偶然見つけたランクルの説明書にも電導ウインチの項目を読むとメンテナンスに関する事については以下のような項目がありました。
●月に一度は動かそう
●水に濡れたりしたらワイヤーにはスペシャルグリースNo.2を塗ろう
●ワイヤーや本体に水が掛らないようにカバーを必ずかけよう
●本体が水に濡れたら拭き取ろう
んんん。。。
ここまでやっている四駆オーナーはどれぐらいいるだろうか?雨ざらし、使いっぱなし、泥まみれ等などが殆どではないだろうか?自分も雪道での塩がかぶるのが嫌でトラックの幌を適当な大きさに切りそれを被せていましたがやはり必要だったと改めて認識。
特にワイヤー部分は雨ざらしにならないように気をつけることが大切であると言う事です。月に一度はウインチを動かしグリスをワイヤーにくれてやりカバーを掛ける必要が有りということで、確かに考えてみればY60の純正M8000でも3600kgの牽引力を発揮する能力があり使い方を間違えると非常に危険な道具でもあります。ワイヤーの破断当があれば死亡事故にもつながる危険性がある事を忘れてはならないのですね。
プロはその危険性がわかるからこそ使い方に慎重を重ね、メンテナンスをするのであり、そのための資格免許も存在するわけです。そう思うとせめて素人がこのような機械を使うならば安全管理は勿論ですが、機械の最低限のメンテナンスは必要であると思います。
今回の一件で自分のウインチは明らかに整備不良で再び装着する際にはワイヤーへの給油、カバーの装着を行ないたいと思います。

takanzさんありがとうございました。
Posted at 2012/12/14 17:42:00 | |
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GQという名の漁船 | 日記