JB64のAT車は個人的に非常に気に入りました。ただ使いこなせばという条件付きですけど。ノーマルのJB64は何というか重厚感が有り軽自動車ながらある意味で高級な雰囲気が有ります。この高級な雰囲気から元気に走るというよりは快適に走りたいという気分になり、そういった意味では自分にはATが好適かと。
乗っていて感じるのは燃費対策だと思うけど独特のハイギア感が常にある事。本格四駆に乗っている人ならば経験が有るかと思いますが、ファイナルノーマルで大径タイアを履かせた感と言えば良いか。各ギアがワイドレシオで離れ、トップギアでは負荷に対して敏感になる。こんな感じ。これは車重と排気量のトルクの細さとトルクバンドの狭さから来るのは致し方ない事。
だから5MTで軽快にとなりますが、ランクル/サファリの大排気量に乗り慣れた自分には線が細く改善されているとはいえピーキーに感じるのでMT車は好みには合いませんでした。AT車はトルコンでのトルク増幅が発進加速時のピーキーさを払拭しスムースに出るので良い感じです。
しかし問題はここからで速度を上げていくとギアが上がるのですが、車重を含めた走行抵抗がハイギア感に追い打ちを掛けます。意外に早くトップにシフトし、街乗り巡行ではこの回転数が低くてこれがATはかったるいと言われる元凶。
ここで積極的にODを切れば良いのです。ちょっとした勾配、風などで踏んでも加速しない独特のハイギア感が出ますが、ODをポチッと切れば例えば2000回転だったらこれが3000回転になりエンジンが軽くハミングしだしトルクも発生するので車が軽く感じレスポンス良く加速しだします。よく燃焼している感の音がします。恐らく5MT車のギア比に近いんじゃないだろうか?
ここで普通はキックダウンさせるんだけど、5速からいきなり3速に落とした感じになるので興醒めになりますが、ODを切ると何ら問題なくすっと走ります。勾配などが終わり負荷が小さくなればODを入れるとハイギアな巡行モードで静かで快適です。それこそMT車ならば6速という感じ。バイパスなどの追い越し加速時もキックダウンさせなくてもOD/OFFでアクセルと足していけばそこそこ軽快に加速するので十分かと思います。
またODを入れっぱなしでアクセルを踏みこんで無駄に濃い混合気を送り込むより、ODを切って負荷を軽減し燃焼がを改善した状態の方が燃費にもよいです。R06型はフリクション等かなり考慮されていると聞きますし、燃焼容積を考えても適度な回転がエンジンには優しいでしょう。
それこそ街乗りではODは切りっぱなしでも良いぐらい。左手でODのON/OFFを適時操作し、2NDレンジもしっかり使っていくと楽ちんで且つ走りも軽快で燃費も良好と大変気に入りました。ATでも走行負荷を見ながらOD,2NDを使いこなすとMTと違った操作感が面白いです。一段中間のギアが選択できるサブギア付きという感じか。
何よりもMTだとクラッチ操作でペダルの踏み替えが有り腰に負担が掛かりますが、ATだとフットレストに左足を乗せ腰の負担をかけにくい姿勢で運転できるのでこれも良いです。
またいきなりがバット踏んでもダメで、クラッチミートする感じで少しアクセルを開け、ATFをかき回してからアクセルを踏み足しながら燃焼を感じつつ加速すると気持ちよく加速します。車重と走行抵抗に対して限られた出力なので変速機でどう効率的に使いこなすか。4速ATだけど気分は8速。ODを入れっぱなしでDレンジ固定の乗り方だとかったるく感じるでしょうね。これがAT車の評価だと思うと何とも勿体無いなぁと思ってしまいます。JB64のAT車は密かに良いと思います。