![[Argentina] Pininfarinaの置き土産 [Argentina] Pininfarinaの置き土産](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/033/139/112/33139112/p1m.jpg?ct=fceadc553c8f)
久方ぶりの旧き佳きアルゼンチン車シリーズ、第5回です。
第1回 序 + Fiat 600
第2回 独自のクーペたち
第3回 Nostalgic Heroといえば、Torino。
第4回 いつかは、Falcon。
前回、Ford Falconが同国における車種別生産台数第2位であることとともに、では「第1位は何だと思いますか?」と問いを投げてから、はや丸4年(汗)。 間を開けすぎですが、晴れてその第1位の車種を取り上げたいと思います。
その車種とは、じゃーん、Peugeot 504です。 フランスでは1968年にデビュー、後継車である505が1979年に登場した後も1983年まで約15年間作られたロングセラーの中型車で、日本にも一時期ディーゼルの「504D」が導入されていたのでご記憶の方もいらっしゃるかと思います。 デビュー当時としては斬新だったつり目の異形角形ヘッドランプ(今につながるプジョーのつり目の原点)やお尻下がりのリヤ周りなど、特徴的なデザインはピニンファリーナによるもの。
そのプジョー504は、アルゼンチンでは本国デビュー翌年の1969年に早くも生産を開始、以来1999年まで30年間にわたって現役を続けた長寿モデルとなり、生産累計は約50万台に到達。 その時点での同国最多生産車種に輝いたのでした。
1983年のとある街角(実はこの中に504は3台写っています) posted by
(C)corno4
これまでに取り上げた
Renault Torinoや
Ford Falconと比べると、なぜか台数の割に存在感が薄いというか、地味な印象を個人的には持っているのですが、同国の中型車市場において生粋の欧州車は少なかったことから(FalconもTorinoも米国車ベースでした)、そのハンドリングを初めとするシャシー性能やテイストが多くの人から愛され、需要を支えたことは想像に難くありません。
さてさて。
そんなプジョー504もまた、ロングライフ車の常として幾多の延命策が施されることになります。といってもフランスでの生産が終了するまでは目立った独自の動きはなく、基本的にオリジナルの美しいピニンファリーナデザインのまま、パワートレインの追加や改良を加えつつ約15年間の「前半生」を全うします。 1600ccガソリンのセダンのみで始まったバリエーションは後に1800、2000、2300ディーゼルを加え、ボディタイプもワゴンやピックアップを追加。 中でもJaegerの5眼メーターや調整式ヘッドレスト付き本革シートを備えた上級バージョン(1800XSE、2000SE)や、高性能仕様"TN"は70年代後半のハイライトでした。
504 GR(お隣は1世代前の404) posted by
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変化が起きるのは、まさにフランスで生産を終了した1983年のこと。 「504 GRII」と銘打ったマイナーチェンジモデルが登場、80年代らしい大型バンパーや「サッコプレート」的な太幅サイドモールが採用され、フロントグリルやリヤコンビランプの変更などが独自に施されます。
504 GRII(遠方にも緑色の504が2台) posted by
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Peugeot 504 GRII posted by
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Peugeot 504 GRII posted by
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その後、1987年に改めて前後まわりのフェイスリフトを敢行、「504 SR」シリーズに。 よりスッキリしたデザインの樹脂製バンパーが採用されたほか、フロントグリル変更(横バー5本→3本)、リヤのコンビランプ変更とナンバープレート位置変更(バンパーへの移設)などこまめな変更がありましたが、内容は小規模なものでした。
Peugeot 504 SRII posted by
(C)corno4
そして、さすがにそろそろ打ち止めかな・・・と思う頃になった1990年のこと。
なんと、リヤ周りに驚きの大手術が!!
Peugeot 504SRX posted by
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Peugeot 504SRX posted by
(C)corno4
どこかAlfa 164(1987年)を彷彿させる横一線のスリークなコンビランプが、504の独特のお尻に実にうまくはまっている・・・ 尻下がりを逆手にとって、トランクリッド後端をそのままランプ化したようなそのカタチを初めて見たとき、かなりの感動を覚えたのを憶えています^^。
それもそのはず、この手術は伊ピニンファリーナが携わったプロジェクトだった由。 これまた同時期の初代105/115系Alfa Romeo Spiderの最終型(シリーズ4、1992年)のリヤ周り大手術がそうだったように、「ロングライフで頑張っているピニンファリーナ車」へのピニンファリーナからのご褒美というか、納得のいくカタチで最期を迎えさせようという愛情のような気もしてきたりして、これは実に「名マイナーチェンジ」だなあと思ったのでした。
Peugeot 504XS posted by
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エクステリアでは他に新たなフロントグリルやアルミホイールが与えられ、また機構面でも505用2.0リッターエンジンの採用やダッシュボードの全面刷新など、出来る範囲で広範なアップデートが施されており、もうしばらくの間現役を続ける体勢が整えられたのでした。
Peugeot 504SRX posted by
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そんな504は、その後も小改良や廉価版グレード追加・バリエーション見直し等を経て、大手術から9年を迎えたミレニアム直前の1999年にとうとう生産を完了。 後進の405と306に道を譲り、30年間に亘ったモデルライフを終えたのでした。
<おまけ>
晩年はタクシーとしても大活躍した504(主に2.3ディーゼル)。
Av. de Mayo - 504 Taxi posted by
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Peugeot 504 Taxi posted by
(C)corno4
Posted at 2014/05/18 19:17:35 | |
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