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もう夏前のことですが、かねてから長年使っていたドライビンググローブがヤレてきたので、新調したいと思っていました。
それまでのグローブはアルファ147に乗ったと同時に、某イタリア自動車雑貨のお店から通販で購入したものです。アルファロメオのロゴが入り、これは既製品でありながら手に非常にフィットして、15年以上使用していました。今だに穴は開かないものの裏打ち生地はボロボロで、愛着もありましたが新調を決断。であれば、かの有名ブランドCACAZANのグローブ以外に選択肢はありません！何せ同じ県内ですから！

とある土曜日の午後に、直接ファクトリーにお邪魔しました。突然お邪魔したにもかかわらず、社長の出石さんが対応してくれました。新しいものは、既製品の中から今と同じ柄のグローブを選び、試着もばっちりOKで即決。ついでに今まで装着していたグローブを見せて購入の経緯をお話ししたところ、出石さんが「これ、うちで作ったものです。」えっ？私は戸惑いと驚きが同時に出ました。「ほら、ここの素材と造り。これはうちのです。」出石さんはやれたグローブの人差し指部分の外側を指さしました。そこには指の根本から指先部分まで通気孔が開けられた革素材が使われていました。他社の製品にはない特徴だそうです。出石さんは続けました。「当時、まだCACAZANのブランドを立ち上げていないころに、東京の会社からオーダーをいただいて製作したものです。これは羊皮ですが、今はよい羊皮が手に入らないため、鹿革に代わっています。」なるほど、新製品の鹿革はしっとり柔らかいが、素材はやや厚く多少伸縮性が感じられる。一方、今まで使っていた羊皮はとにかく薄くて軽い。伸縮性はあまり感じないが、その軽さからフィット感は抜群によい。どちらの素材も特徴があり優劣つけ難いが、慣れていた羊皮がもう手に入らないことは少し残念に思いました。
出石さんはさらに、新旧グローブの細かな違いを教えてくれました。「新しいものは指先部分が関節部分にかかるように少し伸ばしています。」
左が羊皮製の旧製品（手掌部分を鹿革で補修後）　右が鹿革製の新グローブ

確かに指部分がほんの数ミリであるが長くなっている。なるほど、新グローブはハンドルを握ると伸びた指の部分がより多くハンドルに当たり、滑り難くなっていることに後から気が付きました。私が旧グローブについて、手首部分がマジックテープで非常に使いやすいことを伝えると、「それは単にコストカット目的です。」と以外な答え。なるほど、ボタン式では手間も部品代もかかりますよね。でもマジックテープは素早い脱着と微妙な締め付け調節ができて、僕は気に入っています。

修理された旧グローブ　裏生地も新素材で覆われています。

出石さんから多くの新事実を知り、今まで使っていたグローブの補修もしていただけることになり、今では気分によって新旧グローブを履き替え（地域によっては、はめ替える？）ながら楽しんでいます。
何よりも一番の驚きは、旧グローブを Made in Italy とずっと思いこんで使っていた自分！

初めてしっかり確認しました！
見ていなかったのか俺…。