表参道ヒルズ

　明治神宮へと続く参道が。
　文化を発信する路へと変貌したのはいつの頃か
　わかりませんが、その中核に
　同潤会青山アパートがあったのは間違いない
　と思うのです。
　その誕生（1927年）から80年を目前に、
　取り壊されてしまった同潤会青山アパート。

　その跡地に登場するものは、何なのか？

場の提供という本来の不動産の役割を、
住む人、働く人、訪れる人への舞台装置へと昇華させた六本木ヒルズ。
そのコンセプトを成功させた株式会社森ビルの、
新しい試みが青山に具現化した、という噂を聞いて、正式オープンを前に、
一部の選ばれし方々をご招待するプレオープンへと出かけてまいりました。

なぜか招待状があったのと、鬼嫁殿のパート先がこの付近ということで。
お気軽に出かけたのが失敗の元。
入場規制がかかり、ファッショナブルな人々の行列は坂の下へと続く。
表参道と明治通りの交差点、GAPのあたりまで。おそらくは 300m くらい。
列は動かない。
しかも、僕らは場違いな下町ファッション。
これは待ってられないなぁ ... と。
結局、ヒルズの外観を眺めながら散歩したのでした。

参道を飾るケヤキ並木と高さを合わせた低層建築物は実に、間口 250m の現代の長屋。
空へ空へと伸びた六本木ヒルズに対し、横へ横へと広がった表参道ヒルズ。
同じ「丘」という単語を使いながら、実は対極にある二つのヒルズ。
六本木が点の街であるとしたら、表参道は面の街であろうか。

オープンの興奮が過ぎ去り、表参道が落ち着きを取り戻した頃。
中に入ってみようと思います。