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屁風トライアスロン(Onarakaze triathlon)
屁風トライアスロンはトライアスロンを模擬的に体験して全身を隅々まで鍛えて遊ぼう!という、2014年に日本で森のマリモによって発案されたチームイベントである。
概要 [編集]
Triathlonは、ギリシャ語で数字の「3」を意味するtriと、「競技」を意味するathlonの合成語で、英語発音にならって「トライアスロン」と呼ばれる。ちなみに「ディスタンス」は距離の意。
この言葉自体は、具体的な種目名を示していないが、現在では、水泳・自転車ロードレース・長距離走(スイム・バイク・ラン)の3種目を、この順番で、それぞれの距離・コースを設定し1人のアスリートが連続して行う耐久競技を指す。
競技距離は、「ショート・ディスタンス(短距離)」または「オリンピック・ディスタンス」のレースは、スイム1.5km・バイク40km・ラン10km、合計51.5kmの距離で行う。「ロング・ディスタンス(長距離)」のレースは、スイム4.0km・バイク120km・ラン30km、合計154kmの距離で、「アイアンマン・ディスタンス」のレースは、スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195km、合計約226kmで行う。
そして、「クレイマン・ディスタンス」のレースは、「アイアンマン・ディスタンス」を三分の一程度に短縮した、屁風オリジナルの競技で、スイム1.5㎞・バイク60㎞・ラン15㎞、合計76.5㎞で行う。
完走する難度からいうと「オリンピック・ディスタンス」と「ロング・ディスタンス」の中間辺りを漂うクラゲの様な距離である。
しかし、「アイアンマン・ディスタンス」の完走者が得られる「アイアンマン(鉄人)」の称号を強く意識しているため、「クレイマン(粘土人)」と名称が付けられている。
「ロング・ディスタンス」の場合、競技時間が10時間を超える場合が少なくないため、「過酷なスポーツ」との認識が根強い。しかし、「オリンピック・ディスタンス」等のレースでは一般の市民アスリートの参加も多く、現在、このレース距離の大会が多くを占めている。
2000年のシドニーオリンピックより、トライアスロンはオリンピックの正式種目となった。日本では、2009年第64回国民体育大会「トキめき新潟国体」より、トライアスロンは国体の公開競技として、オリンピック・ディスタンスで実施されている。国体の正式競技となるのは、2016年第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」からである。
歴史 [編集]
[国際的な経緯]
1977年
ハワイで、アメリカ海兵隊員達が宴会の席上、「マラソン・遠泳・サイクルロードレースのどれが最も過酷か」と議論、比較できず、「この際まとめてやってみよう」と、翌1978年、同地でアイアンマン・トライアスロンが行われた。これがきっかけとなり、この時のレース距離スイム 3.8km・バイク180km・ラン42.195kmと制限時間17時間でのレースが、アイアンマン世界選手権へと発展し、現在、世界各地でハワイ本戦出場をかけた予選が開催されている。
1982年
3種目のレース距離を短縮し、スイム1.5km・バイク40km・ラン10km、合計51.5kmとした新たな国際基準が設定された。従来のレース距離に対し、1/4以下という短距離(ショート・ディスタンス)となった。現在では、このレース距離の大会が多くを占めている。
2000年9月
シドニーオリンピックでトライアスロンが正式種目となり、競技時間の関係上、ショート・ディスタンス(短距離)形式が採用された。これ以降、国際的には、「ショート・ディスタンス」を、「オリンピック・ディスタンス」と呼ぶようになったが、日本では、現在、両者は併存している。
[日本での経緯]
1981年(昭和56年)8月20日
鳥取県米子市の皆生温泉旅館組合の若手経営者達が、日本初のトライアスロン大会となる「皆生トライアスロン '81」を開催した。53人の選手が出場した。
1985年(昭和60年)4月28日
NHK総合テレビにより、沖縄県宮古島市で初開催されたトライアスロン大会が、四部構成・合計2時間30分、全国に生中継された。「第一回全日本トライアスロン宮古島大会」、241人の選手が出場した。
1989年(平成元年)9月17日
NHK衛星第1テレビにより、新潟県佐渡市で初開催されたトライアスロン大会が、三部構成・合計6時間、全国に生中継された。「`89トライアスロン・ジャパンカップ・イン佐渡」、1,328名の選手が出場した。
1994年(平成6年)4月16日
日本トライアスロン連合(JTU)発足。
1998年(平成10年)9月5日
新潟県佐渡市で、アジアでは初めて、国際トライアスロン連合 (ITU) のロング・ディスタンス(スイム3km・バイク136km・ラン28km)のトライアスロン世界選手権が開催された。世界の主要プロ選手がそろったこの時の世界選手権で、志垣めぐみが、日本選手として初めてメダル(3位)を獲得した。
2007年(平成19年)
ITUワールドカップ・エイラート大会で、男子の田山寛豪選手(チームテイケイ)が日本選手として初めてワールドカップで優勝した。
2008年(平成20年)
北京オリンピックで、女子代表の井出樹里選手が、日本選手として初のオリンピック入賞(5位)を果たした。
2009年(平成21年)9月27日
「トキめき新潟国体」で、公開競技としてトライアスロンがオリンピック・ディスタンスで行われた。(国体の正式競技となるのは2016年「希望郷いわて国体」から)
2010年(平成22年)
シンガポールユースオリンピックで女子の佐藤優香が金メダルを獲得。中国・広州でのアジア大会で、男子の細田雄一・山本良介、女子の足立真梨子・土橋茜子がそれぞれ金メダル・銀メダルを獲得した。
2014年(平成26年)
新潟県を拠点としたサイクリングチーム屁風(Onarakaze)の補佐を務める森のマリモが、EVASSON・ころりんG・ジャックザストリッパーの冬期モチベーションを保つ目的で考案、2月2日「第1回 屁風トライアスロン」として開催された。
スイム(森のマリモ)、バイク(ころりんG)、ラン(EVASSON)をそれぞれが制した。
また、最有力選手であったジャックザストリッパーは多忙を極めていたため、出場を見合わせた。現在では「クレイマン・ディスタンス」と称した新たな規格を設け、完走者には「クレイマン(粘土人)」の称号を冠している。
種類 [編集]
それぞれの競技大会によって距離は延長・短縮される場合があるが、主に以下のような規格がある。※OD=オリンピックディスタンス
[国際トライアスロン連合(ITU) の規格(Standard race distancesより抜粋)]
種 類 スイム バイク ラン 備 考
スーパースプリント 0.4km 10km 2.5km ODの約1/4
スプリント・D 0.75km 20km 5km ODの役1/2
オリンピック・D 1.5km 40km 10km
ミドル・D 2.5km 80km 20km ODの約2倍
ロング・D 4.0km 120km 30km ODの約3倍
アイアンマン・D 3.8km 180km 42.195km
[その他の規格]
種 類 スイム バイク ラン 備 考
クレイマン・D 1.5km 60km 15km チーム屁風規格(2014以降)
アイアンマン70.3 1.9km 90km 21.0975km アイアンマンの半分
トライアスロン101 3.0km 130km 30km 合計約101マイル
アイアンマンレースで17時間の制限時間以内に完走すると“アイアンマン”(鉄人)の称号を受けられる。ただし、諸般の事情から、アイアンマン・ジャパンの制限時間は15時間である。
そして、クレイマンレースで10時間の制限時間以内に完走すると“クレイマン”(粘土人)の称号を受けられる。ただし、ネーミングの印象からも、名誉なのか不名誉なのかは個人の価値観に委ねられている。
ルール [編集]
◇ドラフティング(スリップストリーム)の禁止
バイクパートでは、通常の自転車レースに見られる集団走行、他人を風よけに使っての走行は一般に禁止されている。
トライアスロンでのトラブルの多くは、ドラフティングによる失格判定の問題である。ルールを明確化するためいっそのことドラフティングを認める方が良いという意見もある。しかし、ドラフティングを許してしまえば、スイム・バイクでは集団に着いていく力さえあればそれ以上の能力は不要。ランだけで勝負が決まることになるとの批判も多い。
ただし、エリートレースにおいては、ドラフティングが解禁されているものが多い(日本の国体における公開競技など)。世界選手権やワールドカップ、オリンピックなどの国際競技でもドラフティングが可能である。もっとも、アイアンマン大会においては、自らの力で走りきることを主旨としており、認められていない。
ドラフティング禁止というルール、そしてUCI管轄外ということでバイクに制限がない、という2点があるために、ロードレースでありながらタイムトライアルバイクに複数のボトルや補給食、スペアチューブや畳めるタイヤ、携帯工具など修理機材を積めるように小改修したバイクを使用する選手が多い。
◇第三者の手を借りてはならない。
パンクやメカトラブルも自分で対応・処置しなければならない。
ロング・ディスタンス [編集]
ロング・ディスタンスの大会は、2014年現在、日本国内では5つある。
・佐渡国際トライアスロン大会 (新潟県・佐渡市)
・全日本トライアスロン皆生大会 (鳥取県・皆生温泉)
・五島長崎国際トライアスロン大会 (長崎県・五島列島)
距離:スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2km、制限時間:15時間
・全日本トライアスロン宮古島大会 (沖縄県・宮古島市)
・アイアンマン・ジャパン 北海道 (北海道・洞爺湖周辺羊蹄山麓)
現時点で日本最長距離の大会は佐渡国際トライアスロン大会Aタイプである
距離:スイム3.8km・バイク190km・ラン42.2km、合計236km、制限時間15時間30分
級(認定記録会) [編集]
JTU主催の元、毎年、全国各地で認定記録会が行われている。
20歳以上の場合、スイム400m、ラン5000mである、以下のタイムを超えると、級が与えられる。
[1級] 男子スイム(4:00)男子ラン(13:55)
[2級] 男子スイム(4:07)男子ラン(14:20)
[3級] 男子スイム(4:14)男子ラン(14:45)
[4級] 男子スイム(4:22)男子ラン(15:10)
[5級] 男子スイム(4:29)男子ラン(15:35)
[6級] 男子スイム(4:36)男子ラン(16:00)
[7級] 男子スイム(4:43)男子ラン(16:25)
[8級] 男子スイム(4:55)男子ラン(17:07)
[9級] 男子スイム(5:12)男子ラン(18:05)
[10級] 男子スイム(5:29)男子ラン(19:04)
強化指定 [編集]
スイム、ラン両方が7級を超えるとトップ・オブ・トップス大会以外のジャパンカップに出場できる。(スイム×2+ラン)の合計タイムが(スイム5級×2+ラン5級)を超えると強化指定選手となり、ワールドカップに出場できる。
有名人の参加 [編集]
[トライアスロン大会に参加・完走した経験がある有名人]
高石ともや、近藤真彦、リサ・ステッグマイヤー、東野幸治、菊地幸夫、安田美沙子、ノッチ
本村健太郎、天宮良、団長安田、ヒロミ、錦野旦、東山紀之、村上春樹、前園真聖、
猫ひろし(アンコールワット国際トライアスロン大会日本人部門1位、総合6位入賞)
古田敦也、大櫛エリカ、道端カレン、道端ジェシカ
トライアスロン出身の主な自転車競技選手 [編集] ※競輪選手含む。
ランス・アームストロング、クリスティン・アームストロング、カーリン・テュリヒ
クリスティアーネ・ゼーダー、加瀬加奈子、梶田舞
関連作品 [編集]
[トライアスロンが登場する小説や映画]
小説『一本足の栄光』ポール・マーティン
小説『黄金の魂』小川竜生
小説『10月の満月に一番近い土曜日』石渡治
小説『空をつかむまで』関口尚
映画『太陽(てぃだ)』(小田大河監督・脚本)
日本唯一のトライアスロン雑誌『Triathlon LUMINA』
1人の競技者が複数種目を行う競技 [編集]
2種目:バイアスロン、デュアスロン、ノルディック複合、チェスボクシング
4種目:クアドラスロン
5種目:ペンタスロン、近代ペンタスロン(近代五種競技)
7種目:ヘプタスロン(七種競技)
8種目:オクタスロン(八種競技)
10種目:デカスロン(十種競技)
20種目:アイコサスロン(二十種競技)
アイアンマンの画像 [編集]
クレイマンの画像 [編集]