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うっちー(FL1 RS)のブログ一覧

2025年06月20日 イイね!

“1G”の加速を生むL15C

“1G”の加速を生むL15CシビックRSに搭載された、まさしくチューニング(調律)されたL15C。
このL15Cの加速について“1G”というキーワードを思いついた。

ここで言う“1G”とは、本来の1Gではなく、比喩的な表現としての1Gだ。
モンスターマシンのような暴力的な加速でもなければ、NAエンジンのように高回転まで引っ張ってようやく得られる加速でもない。人間が日常的に感じる重力──つまり、立っているときに足裏にかかる1Gの荷重のように“自然で、心地よく、ちょうどいい“押し出し感という意味だ。

アクセルを踏んだ瞬間に過剰な唐突さなく、しかし確実に背中を押してくる。その加速感は、“求めているちょうどよさ“を満たしてくれる。

それは例えば、高速の合流時に不安のない加速だったり、街中で適当な速度を生み出す力加減だったり、ワインディングでアクセルをくれてやった時に求めているトルク感だったりする。

もちろん、それには適切なギヤ選択を行うシフトワークが必要となる。ズボラなシフト操作でも車は前に進むが、この“1G“は生まれず“0.7G“や“0.8G“になってしまう。低ギヤでは稀に“1.1G“や“1.2G“ぐらいまで力強くなることもあるが、ラフなアクセルワークでなければ“1G“を生み出すことがとても容易い車ではないかと、ワインディングで走っているときに感じてしまった。

この“1G”という言葉を、ただの物理単位ではなく、走りにおける“ちょうどいい“の象徴として捉えたとき、L15Cの加速はまさにその理想像に近い。過不足なく、運転の気持ちよさを損なわず、それでいて必要なときには確かに“力“として感じ取れる。

これこそが、開発陣がシビックRSに込めた加速の味付けなのかもしれない。
Posted at 2025/06/20 01:36:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | シビックRS | 日記
2025年06月08日 イイね!

2600キロを過ぎたシビックRSの雑感。

2600キロを過ぎたシビックRSの雑感。今日のRS的な文章。
運転していて非常にしっくり来たので、Xに書き連ねた内容を、毎度のごとくChatGPTに手伝ってもらいながら推敲・整理したものです。
チューニングや馬力を追い求める人のほうが、みんカラ界隈には多いんでしょうけど、私は純正を突き詰めたい派です(金がないという根本的な理由がありますが ← ほぼそれ)。
このシビックRSは、新車からじっくり育てて、エイジングを経てどう変わっていくのか。そして、EK9に洗脳されていた自分の思考や嗜好がどう変化していくのか。そんなことを記録していきたいと思っています。

ーーー
シフトが急に馴染んだ(約2600キロ)。たまに硬質な感触が顔を出すけど、「これが開発陣が実現したかったシフトフィールなのかな?」というぐらい良い。FL5も、流用が多いので、馴染めばこんなフィールなんだろうな。

クラッチのつなぎも、急に腹落ちした。ノーマルモードでも、つながる瞬間がきちんと明確にわかるように。で、ほぼ0キロ+3速でもぐずらず動く(ただし平地)。L15Cの優秀さよ。正直182馬力を侮ってたけど、1700回転で最大トルク24Nを発生させるのは伊達じゃなかったんだな。やっとわかってきたよ。

嗚呼、ホンダのエンジンってこうなんだよ。たとえ動力性能が高いエンジンでも街乗りの使い勝手とのバランスがちゃんと調律されてるし、逆に街乗りメインな標準エンジンでも追い込むと良く回って楽しく走れる。L15Cはこの両者のド真ん中にいる。下手にいじると、この考え抜かれたバランスが壊れる。サーキット用ならチューニングを進めるけど、家族を乗せるのがメインなら、何もいじらず純正を極めたほうが面白いよ。そんなチューニングを施した開発者との対話ができるから。

腹立たしいサイドサポート皆無なシートも、街乗りだと悔しいほどいい。このおたんこシートで耐えられない横Gを発生させないように走ると、車がウルトラスムースに動く。助手席に人がいるなら、そう走れってことか。そうか、わかったよ。全開は一人の時に楽しむわ。

立ち上がりのややカックンさが鼻につき始めたブレーキタッチも、鬼ダックスフンドなホイールベースとクソ幅広タイヤの組み合わせで鋭角に曲がれないステア操作も、コツをつかめば足回りがそれに合わせて調律されているのがわかる。
嗚呼、あんた達は本当に走り込んだんだろうな、ホンダの開発者さんよ。凄えよ。

タイプRを卒業した元小僧には、この車は本当に取り組みがいがある。
まだタイプRに乗り続ける人はFL5に行けばいいし、タイプR未経験の方は、ぜひFL5やオールドタイプRに乗ってその素晴らしい世界観を味わってほしい。
でも、RSは別の世界観で作られてる。どちらかと言えば、ホンダが不遇の時代にも細々と作り続けてきたスポーツグレードの魂はこちらの方に色濃く残されている。歴代のエンジニア達は企画を通すために、こうして様々な工夫を凝らして作り続けてきたんだろうな、と。この世界観と文脈は、ホンダには今後も育ててほしい。久々にホンダという会社に惚れなおしました。

おっさんの独り言を続けると。
結局、運転中は運転席からの視界がすべてなので、エクステリアはあまり関係なくて。良い走りをしてくれれば、どんなネガもアバタもエクボで惚れなおしたりする。目を三角にして走る人じゃなくても、自分の車といろんな道を走って、タイヤとガソリンに金をかけて、もっと車と対話して欲しいと思う。楽しくない車なんてそうそうないから。

運転して、車や道と対話するって楽しいんだよ。それはハイブリッドや電気自動車でも同じ。ガソリンMT車はやることが多い分、より対話するのに技術がいるし、うまくハマった時の快感がある。
本当は、馬力もそこまでないほうが楽しめる。ただ、1度馬力を上げると下げられない。EK9と馬力はトントン、トルクは1.5倍というFL1 RSは、「扱える範囲の馬力内でぎりぎり踏みとどまれた」最高の選択肢だった。

ハイパワー車を乗り回すことを否定しない。でも、300馬力、下手したら400馬力オーバーのトップグレードたちは、公道ではそのエンジンたちのポテンシャルは100%発揮できないよね。RSですら、その気がある。アクセルドカンは楽しいだろうけど、レブリミットギリギリまで回し切る快感って、ご存じだろうか、と。

そう考えると、ちょっと可哀そうかなとも思う。楽しみ方が違うだろうし、そう言われても心外だろうけど、その車が本領発揮できる領域は、死と隣り合わせの速度域だからね。おそらく、そんな車に乗ってる殆どの貴方達よりもっと速い、風景が溶ける領域を知ってる人間からのアドバイスってことで。一瞬の判断ミスですぐ死ぬよ(その乗り物の特性もあったけど)。

今日はそんな感じで。
Posted at 2025/06/08 14:58:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | シビックRS | 日記
2025年06月05日 イイね!

EK9のB16BからシビックRSのL15Cに変わって思う事。

EK9のB16BからシビックRSのL15Cに変わって思う事。相変わらずChatGPTに文章起こしてもらいましたが、今回は9割以上赤ペンを入れる事態になってしまいました。思いが強い文章はAI生成ではまだ無理かな。

というわけで、B16BとL15Cへのラブレターです。
ニュル仕様に変貌したタイプRの心臓であるK20CよりもL15Cのほうが、オールドタイマー的にはよりシビックらしい心臓だと思うのですよね。
そんな思いが伝わればいいなと思いつつ。

ーーー

FL1型シビックRSに乗り換える前、20年近くEK9とともに過ごしてきた。この心臓部である“高回転NAの塊”だったB16B型エンジンが与えてくれた官能は今でも忘れられないし、思い出は色褪せない。8,500rpmまできっちり回る超高回転ユニットは、歴代タイプRで最も小さな排気量特有の軽やかさがあった。それに対して、環境性能が重視される今の時代に対応するために同じ小排気量ながらターボという過給機を選んだL15Cはどのようなものか、非常に楽しみだった。

シビックRSに乗り換えて、まず感じたのはターボエンジン特有のトルク感だ。それは排気量と馬力なりではあるが、NAの細いトルクを手繰り寄せるような加速とは大きく異なる。過給が始まればEK9よりも200kg近く重いボディを苦も無く加速させていく。ただし(一速以外では)暴力的ではなく軽やかな加速感だ。過給開始前の超低回転域と過給開始後の段差も、それなりの性能のためか暴力的ではない。やや飾った表現をするなら、とても上品なトルク感だ。

この上品なトルクの厚みがもたらす中回転域と、4000rpm以降の力強さは“現代のスポーツユニット”。かつてのNAのようにとにかく上まで回してパワーを引き出すのではなく、より低い回転域から効率よく過給を発生させて加速するエンジンといった具合だ。

環境性能エンジンでもあるL15Cはマイナーチェンジ前までアクセル操作に鈍い反応を返すことが多々あったが、軽量フライホイールとECUセッティングのおかげでかなり改善されている。このレスポンス感は古いターボエンジンも知っている身とすれば、隔世の感がある。既に前期型や先代をレンタカーで借りて乗っていたが、RSが最もレスポンス感が好ましい。

しかも、6速MTでWLTCモード15.4km/Lという燃費性能を出してくるあたり、性能と経済性のバランスが素晴らしい。1500ccに収めたことでテンロクエンジンだったEK9より税金は安いし(あちらは13年超の罰金もあったが!)、燃費も良いとなれば文句がつけられない。

ただし、これらのメリットを実現するための割り切りはある。たとえば、改善されたとはいえシフトアップ時にアクセルがわずかに残るような挙動は残っている。これはエンジン内で燃料をきれいに燃やしきる制御のためで、EK9のようなダイレクトなアクセルフィールが染みついた自分には違和感が大きかった。だが、これは時代とともに変化したエンジンの“生存戦略”だろうし、今ではその特性も受け入れられた(人間とはなんという適当な生き物よ)。

また、車重は気になるポイントだった。FL1 RSはおよそ1,350kgと、EK9よりも200kg近く重い。そのため極低回転では頼りない場面もあるし、上り坂では積極的に回していかないと加速感が足りない。ただ、このあたりはNA的な走りの楽しさを思い出させてくれる要素でもあり、あえて欠点と捉えず「操る面白さ」として楽しんでいる。

B16Bとの決定的な違いはレブリミットだ。EK9では8,500rpmまで回せる超高回転型エンジンだったが、L15Cは6,500rpmで頭打ちになる。この差は意外と大きく、シフトアップのタイミングに余裕がない。余裕だけではなく「まだ回せる、もっと回せる」という快感はB型エンジン特有のものであり、そこには今も未練はある。

それでも、今のFL1 RSのL15Cは、ターボ化・制御高度化・環境規制対応といった多くの要請をクリアしたうえで、「走る楽しさ」を作り出している。単なる実用エンジンでも、高性能エンジンでもない。まさに“生活と遊び”をうまく調和した現代の万能選手のような存在だ。

こうしてみると、L15CはB16Bとはまったく別のキャラクターを持ちつつも、「走りの楽しさ」というホンダのDNAがしっかり息づいていると感じる。数値では測れない素直さや、操る楽しさ、そして軽快なフィーリング。時代が変わっても、エンジン(クルマ)に対するホンダの姿勢は変わっていない。
惚れ込んだEK9からFL1 RSに乗り換えた際に一抹の不安があったが、今では乗り換えてよかったとさえ思っている。
Posted at 2025/06/05 15:34:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | シビックRS | 日記
2025年06月04日 イイね!

FL1シビックRSのエンジンをどう見るか?──環境性能とチューニングポテンシャルの狭間で

FL1シビックRSのエンジンをどう見るか?──環境性能とチューニングポテンシャルの狭間ですっかりChatGPTの奴隷と化してますが、今日はRSのエンジンについて。
もうちょっと踏み込んだ内容のものを書きたかったんですが。吐き出されたものが割とよかったんでいったん投稿(もちろん往復させて、最終的に修正もしていますが)。
それにしても、吐き出される文章を読んでるとどっかの自動車雑誌で書かれそうな内容だなと、どこで学習してきているのかちょっとモヤっとするものはあります。一番書きたかったポイントは自動車雑誌でお目にかかってないのでオリジナルではあるんですが(もう少しオリジナルなものは追って投稿します)。
そんなわけで、本日の投稿はこちら。

ーーー
FL1型シビックRSに搭載されている1.5Lターボエンジン(L15C型)は、一見すると「環境性能寄り」の設計に思われがちだ。しかし、実際にステアリングを握りアクセルを踏み込んでみると、その印象は少し変わる。

軽量フライホイールとECUセッティングによる俊敏なレスポンス

まず注目したいのは、RS専用の軽量化されたフライホイールと、ECUセッティングの違いだ。これにより、標準モデルに比べてエンジンレスポンスは確実に向上している。アクセル操作に対するツキが良く、ヒール&トゥの操作にもリニアに応えてくれる。まさに「メーカー製ライトチューン」といった仕上がりだ。

しかし当然ながら環境性能との両立が前提にあるため、馬力は標準車と変わらないなど、数値上では物足りなく感じる。見た目にはRS専用チューンというアピールがありながらも、スペック表では+αの差が見えづらい。メーカーの枠内でできる範囲の最適化にとどまるのが現実だ。

1.5Lとしては立派な馬力、日常でも“走れる”エンジン

とはいえ、最高出力182psという数値自体は、1.5Lクラスのターボユニットとしては決して低くない。街中から高速道路まで幅広い領域で「スポーツできる」パフォーマンスが味わえるのは大きな魅力だ。

特に4000rpm以降の加速フィールは爽快で、軽量なボディと相まって“ホンダらしい”走りのDNAがしっかり息づいている。

燃費とレスポンスの両立性──技術のバランス感覚

FL1 RSが興味深いのは、こうしたスポーティなフィールを持ちながら、**WLTCモードで15.4km/L(6MT車)**という燃費性能をしっかり確保している点だ。これは日常使いにおいて大きな武器となる。

その裏には、 VTEC TURBOエンジンと名付けられた技術群の存在がある。「吸排気デュアルVTC」「直噴システム+高タンブルポート」「電動ウェイストゲート付き高応答ターボチャージャー」といった多段階の制御が存在している。さらに、シフトアップ時にはアクセルを完全に閉じることなく、燃料をクリーンに燃やし切るような制御も導入されている。


こうした制御の影響で、シフトチェンジ時にわずかにアクセルが残るような挙動を感じることもあるが、これはエンジンが“生き残る”ために必要な措置と割り切る必要があるのかもしれない。
燃費基準や排ガス規制をクリアするために、運転中に違和感を覚えるような動きが出るのは、もはや現代のクルマ全体に共通する“宿命”とも言える。

車重とエンジン特性の関係──NA的な味わいをどう捉えるか

FL1 RSの車重(約1,350kg)とのバランスを考えると、特に上り坂や荷物を積んだシーンでは、低回転トルクがやや頼りなく感じることもある。2000〜3000rpm付近では“思ったより進まない”感覚があり、加速感を得るにはエンジンをしっかり回す必要がある。

このあたりをネガティブに捉えるか、あるいは「NAライクな走りの面白さ」と受け取るかは乗り手次第だ。ターボ車でありながら、回転数とともに力が湧き上がるような特性は、むしろ運転の楽しみを増やしているとも言えるだろう。

チューニングベースとしての評価:RSか、それとも旧型FKか?

このRSのエンジンをチューニングベースとして見るとき、選択肢は分かれる。吸排気パーツやECUリセッティング程度のライトチューンを想定するなら、すでにフライホイールに手が入っているRSは理想的なスタート地点だ。

一方で、タービン交換やエンジン内部の加工を含む本格的なチューニングを考えるなら、費用面を考えて安価に手に入る前世代のFK型(同じL15C系エンジン)を中古で探すという選択肢もある。FL型のL15Cと共通点も多いと考えられるので、パーツ供給や流用チューンも含めた自由度という点でも、FK型のほうが「素材」として扱いやすい可能性がある。

まとめ──現代的なスポーツエンジンのかたち

FL1シビックRSのエンジンは、環境性能とスポーツ性能という相反する要素を可能な限り高い次元で両立させた、今の時代ならではの“ホンダらしさ”を感じさせる一基だと言える。絶対的な馬力や過激な味付けは控えめながらも、軽快なレスポンスや高回転の伸びには、確かに走りの楽しさがある。

チューニングベースとして見た場合にも、ライトチューンであればRSの利点は明確であり、より自由な改造を求めるならFK型という選択肢も視野に入ってくる。いずれにせよ、このエンジンが持つ素性の良さと、扱いやすさ、そして燃費性能まで含めたバランスの妙は、単なる数字では測れない魅力に満ちている。

その意味で、FL1のL15Cターボは「純粋なスポーツエンジン」ではなく、「生活と遊びの中間を満たす現代の万能選手」なのかもしれない。

参考情報
エンジンテクノロジー VTEC TURBO
Posted at 2025/06/04 10:43:58 | コメント(1) | トラックバック(0) | シビックRS | 日記
2025年06月02日 イイね!

FL1シビックRSインプレッション ~シートから見るRS~

FL1シビックRSインプレッション ~シートから見るRS~本日もChatGPTと打ち合いながら、文章を生成しました。
前回書いたように、今回はFL1の足まわりとの関係性を軸に、比較対象としてFL5とGRカローラも引き合いに出しています。
自分では気づけなかった言葉が言語化されていたり、「ちょっと違うな」と思う部分があったりと、生成された文章にはプラスもマイナスもありますが、総じて“使える”と感じています。
赤ペンを入れて自分なりにカスタムする前提であれば、ゼロから書くよりも圧倒的に効率的です(※私は有料版を使用中ですが、無料版でどこまで使えるかは不明です)。
それでは、以下がその本文になります。

ーーー
テーマ:標準シートをキャリーオーバーしたFL1シビックRSから、実用スポーツ性と快適性の両立を考える

0. はじめに:RSに期待した「走り」と「装備」

「RS」と聞くと、多くの人がスポーティな走行性能や引き締まった乗り味、そしてそれを支える専用設計の装備を期待するだろう。かつてのEK9やFD2など、ホンダが送り出してきたホットモデルたちは、それぞれが時代に応じた“走り”を提供してきた。その流れの中で、FL1シビックRSはどうなのか? 今回は、走行性能に大きく関わるインターフェースである“シート”に着目し、車両全体の動的性能との関係も交えながらレポートしていく。

1. シートの第一印象──「硬い・薄い・足りない」

納車直後、しばらく乗ってまず感じたのは「思ったより硬い」という印象だった。腰に負荷がかかってしまうのか、運転後しばらくすると鈍いダメージを感じる。特に背中から太もも裏にかけての座面は想像以上にクッション性が乏しく、快適性を確保するために、低反発クッションを敷いたり、ランバーサポートや肘置き用の追加パッドを試すなど、補完的な工夫からスタートすることになった。

2. 実は標準シート──RS専用ではない事実とその違和感

FL1のRSには専用のスポーツシートが搭載されているように見えるが、実際には標準グレードと共通のシートにレッドステッチを加えた仕様で、以前のEXグレードなどと非常に近いデザインだ。かつてEK9に搭載されていた純正レカロのような、太もも・腰・肩をそれぞれ支えるサイドサポートは備わっておらず、購入当初から“RS”という名を冠するモデルとしては、やや物足りなく映った。

3. 馴染んでくるフィット感──素材と身体の歩み寄り

納車から数週間、走行距離が4桁を超えたあたりから、当初感じていた硬さは徐々に和らいできた。これは、シートのウレタンが体圧に馴染んできたのか、あるいは無意識のうちに運転姿勢や体重配分を調整するようになったためかもしれない。2500キロを超えた今では、センターコンソールに取り付けていた肘置き代わりのクッションも不要になり、純正状態で快適にドライブできるようになった。

4. 助手席問題──同乗者からの不満と実用上の影響

ただしこれは、ステアリングも使って身体を保持できる運転席の話。助手席では事情が異なる。開放感のある室内空間と相まって、身体をホールドしてくれるレカロシートのような支えがないため、EK9と比べると明確に劣る印象だ。コーナリング中には身体の上体が横方向に流れやすく、とくに頭部が左右に揺さぶられる。実際に同乗者からは「落ち着かない」といった声がしばしば聞かれる。

そのため、2名乗車が多い私の使い方では、日常の運転でも横Gに対して非常にナーバスな操作を強いられ、運転の楽しさが明らかに損なわれている。ただし1名乗車時であれば、ステアリングでの身体保持が可能なため、ここまでの不満はなく、キビキビとした走りを楽しむことができる。

5. 走行性能とシート設計の相互作用──“しなやかな脚”に“受け止める側”が追いついていない

この問題は、現代ホンダらしく洗練されたFL1シビックRSの足まわりの性格とも密接に関係している。特にフロント側は過度に硬くなく、初期の舵応答では適度なロールを伴う「しなやかさ」を持ち、街乗りからワインディングまで幅広く対応する柔軟性を備えている。

しかしその柔軟性があるがゆえに、車体がロールすると同時に乗員の身体も動く。太もも・腰・肩を支えるサポートがほぼ存在しないこのシートでは、乗員の上体が横Gによって揺すられ、右へ左へと動かされる。シート生地自体は滑りにくい仕様であり座面からずれることはないが、上半身を物理的に保持する要素が欠けているため、自力で踏ん張らざるを得ない。

この影響は助手席で特に顕著だ。ステアリングも使って身体を保持できる運転席とは異なり、全身の支持をシートに委ねる助手席では、体勢を保つのが難しい。結果として、不安感や不満が生まれやすい状況となっている。

つまり、車両の走行性能が劣っているのではなく、むしろ自然で扱いやすいセッティングであるにも関わらず、シートのホールド性能がそれを受け止めきれていない。RSというスポーティなキャラクターに対して、シート単体の完成度がもう少し高ければ、このクルマの持つしなやかな走りをもっと安心して味わえるはずだ。

6. 他車比較:GRカローラとFL5シビックタイプRのシートと足まわり

FL1シビックRSの“走りと座り心地のミスマッチ”を明確にするため、GRカローラおよびFL5シビックタイプRとの比較を試みる。

GRカローラは、ハードなスポーツ走行を前提としたモデルであり、足まわりもロールを抑え込む方向でしっかり引き締められている。ここに組み合わされるのが、腰や肩をしっかり支える専用設計のバケットシート。座面と背もたれはやや硬めだが、ダイレクトな操作感と安心感があり、車体の動きと身体の一体感を感じやすい。

一方で、こうしたバケットシートは日常的な乗降や長距離移動での快適性には妥協が伴う。腰高な着座姿勢や張り出したサイドサポートが気になる人もいるだろう。だが、それを承知で“走りに振った”設計にしている点が、このクルマの性格に合っている。

FL5タイプRも同様に、足まわりはRSよりさらにタイトに締め上げられており、コーナーでの姿勢変化は最小限。だが、それでもシートには一切の妥協がなく、ウルトラスエード素材の専用バケットが上半身を的確に支える。腰・太もも・肩それぞれのホールドが非常に強く、車体の応答と身体の動きが高い次元で同調する。

この2台に共通するのは、「高性能な足まわりに対応する強い支持力を持つシート」が備わっている点。価格帯としては両車とも500万円台に達しており、その対価に見合った装備が用意されている印象だ。

それに対してFL1 RSは、しなやかな動きと適度なロールを持つ足まわりを備えながら、シートのホールド性能がそれに追いついていない。快適性は高いが、ダイナミックな走行シーンではやや物足りない。このギャップは、クルマとしての完成度を惜しく感じさせる要素のひとつだ。

7. まとめ:RSに必要な“もう一歩”のシート改善とは?

FL1シビックRSは、走行性能と快適性を高次元で両立した優れたモデルである。その一方で、スポーツグレードとして名乗るには、シートの完成度にもう一歩の工夫が求められる。

足まわりの素性が良いだけに、追い込んだ走行ではシートによる身体支持が不足し、動きと姿勢が分離してしまう。これは助手席で特に顕著であり、街乗りでも同乗者の満足度を下げてしまう可能性がある。

今後の改良として注目したいのは、サイドサポートの構造。腰・太もも・肩を自然に支える骨格をシート内に持ちつつ、日常の乗降性を損なわない工夫が求められる。張り出しすぎない“ちょうどいい”スポーツシートを、ホンダとその技術陣であれば十分に作れるはずだ。

RS専用での対応が難しいのであれば、ホンダアクセスや無限ブランドを通じて、他車種でも汎用できるシートとして提案してもいい。ディーラーオプションで選べる仕様が増えれば、「肩身の狭い」お父さんも、ワクワクしながらご家族と相談出来るのではないか。

RSは“家族に言い訳できるスポーツグレード”という立ち位置にもあるグレードなので、ホンダにはこの“もう一歩”の挑戦をぜひお願いしたい。

Posted at 2025/06/02 14:40:15 | コメント(2) | トラックバック(0) | シビックRS | 日記

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「@しびっくま9000rpm そんな罠があるの知りませんでした。」
何シテル?   01/24 12:09
2025/1/30~ 1週間の納車後インターバルの後、標準顔ホワイトのシビックRSユーザーとなりました。 まだこの車のユーザーとして書けることが殆どないので...
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