
いきなりではあるが、『ドアレギュレータ』という部品を知っているだろうか?
車の中で、ドアのガラスを上げ下げする部品なのだが、構造を簡単に説明するとマジックハンドみたいなものである。
いまとなっては『マジックハンド』が何なのか?の説明も必要なのだろうが・・・。
ちょうど15時くらいだっただろうか。
「ちょっとスライドドアの窓が上がらないみたいだから診断してくれ」
そんな指令から今回の事件への階段を登ることとなった。
故障診断は問題なく終わった。
ドアガラスとドアレギュレータを留めている樹脂部品が破損しており、ガラスが落ち込んでいた。当然レギュレータが上下してもガラスは動かず。
営業マン(以下Mさん)の話しによると、とりあえず見積りだけ出して後日お客さんが交換するかどうか判断したいと。
そこでとる処置として、まずガラスを上に押し上げ、それに合わせてレギュレータを上昇させたところでモーターのコネクターを抜き操作できないようにする。
まさにその作業をやっていたのだ。
スライドドア鉄板の内側に両手を突っ込み、レギュレータとガラスの位置を調整していた。
そこでMさん登場。
Mさん「そういえば運転席の件聞いた~?」
俺「ん?いや?聞いてないっす。何ですか?」
Mさん「運転席のガラスを・・・・
の瞬間に両手がレギュレータに挟まれた!
マジでギロチン状態。
そう。Mさんが運転席にあるマスタースイッチで間違えて俺の作業する場所を操作して下げてしまったのだ。
全席オート作動だから、目先でどんどん手に指に食い込んでいく鉄板。
俺「痛い痛い痛い痛いいたいイタイイタ・・・・!!!Mさん上げて上げて上げてっっっ!」
Mさんパニック。
Mさん「え?え?え?」
さらに下げるMさん。
俺「アタタタタタタっっぅ違う!!上げて上げて上げてぇぇぇタタタタタ!!!」
そして少し上がるレギュレータ。
と思ったら、手に食い込んでた抵抗で、何か挟まった!とコンピューターが判断し挟み込み防止機能が作動して反転しまた下がる鉄板!!!
ドアガラスは上がる方向でのみ挟み込み防止が作動する。
まぁ普通に考えれば窓下げるときに挟み込み防止機能なんていらないから。
モリモリ食い込む鉄板。
キレる俺。
俺「早くあげろよこの野郎!!!いたたたたたたたたた!!!」
パニックMさん。
何をトチ狂ったのか俺の挟まれてるスライドドアのガラスを持ち上げる。
ガラスとレギュレータは部品が壊れて分離しているのに。
俺「スイッチスイッチスイッチっぅtぅtぅっt!!!」
そして・・・ようやくギロチンから開放された。
と同時に噴き出す血。
指切断されなくて良かった。
両手から血をドボドボ流しながら続けるわけにもいかず、手首と指の付け根に輪ゴムを装着。手はウエスでグルグル巻きにして作業を終わらせた。
ハインリッヒの法則でいうギリギリ29の分類だった。
Posted at 2013/01/13 20:28:14 | |
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