
さぁ、いよいよ本題です。
誰しもが作業をいやがる(?)リアの足回り編です。
掲載している画像は、タイヤ装着のままですが、実際作業するときはタイヤ外してください(当たり前やっちゅ~の!)
また、
*必ずジャッキアップ後は車体にウマを掛けること。
*作業する場合は、あくまでも自己責任で!
ってことを、念頭に入れておいてください。
ボルトナットの数値の表記は二面幅を示します。
画像は、全て車両左側(=助手席側)を示します。
運転席側は勝手違いになるだけです。
さぁ、張り切ってやりましょう!!
1)バネ(=サスペンション)の交換
バネの交換だけの場合、上の画像の赤矢印で示すボルト2本の脱着だけです。
まず、ウマを掛けた状態で、①の14ボルト(=スタビリンクロアボルト)を
抜きます。
もし、ボルトがブッシュとこじれて抜けない場合は、赤楕円部分にジャッキを掛け、
ロアアームを上げてみてください。
ボルトを揺すって軽く抜ける位置があるはずです。
ムリにボルトを抜くとボルトが痛むので出来るだけ優しくしてあげましょうw
続いて、赤楕円部にジャッキを掛け、1G状態(=車体が浮く寸前)あたり
まで持ち上げます。
その後、②のロアアームとナックルをつなぐ17ボルトを緩めます。
結構硬いので、レンチを掛けてハンマーでどつくと良いでしょう。
ナット側は、ナックルに引っかかるようになってるので、ボルト側だけ
レンチを掛ければ良いです。
このボルトもなかなか抜きにくいので、ジャッキを上げ下げし、
ボルトが抜きやすい位置を探しましょう。
①、②のボルトが抜けたら、あとはジャッキをゆっくり下げます。
一気に下げると、バネがはじけ飛ぶ可能性が有るのでご注意を。
ほとんどの場合、ナックルとロアアームがせってロアアームがナックルから外れないので、
アシでロアアームを押さえてやると、バネが外せる状態になりやすいです。
シャコタンバネに交換する場合、画像には写ってませんが、バネのアッパーシート
中央に付いてるバンプラバーを1山カットしてやる方が良いと思います。
カッターナイフの刃をめいっぱい出して、車両装着状態でカットしてやるのが
一番やりやすいのではないでしょうか。糸鋸でも良いですが。
くれぐれもバンプラバーは抜かないようにw
一度抜くと、なかなか挿入しにくいので、泣きを見ます(爆)
<なぜバンプラバーをカットするか>
シャコタンバネにした場合、少しのストロークでスグにバンプラバーとロアアーム
がキスします。
そうなれば、乗り心地がゴツゴツした感じになります。
カットしてやれば、少々のストロークではキスしにくくなるので、それが防げるのです。
バンプラバーのカット後は、交換するバネを装着します。
アッパー側からバンプラバーに被せる形で入れ、ロアシートの形状に合うよう
位置決めします。
その後、外したときと同じようにジャッキアップするのですが、
ここからが、匠の技(?)が必要になります。
ロアアームをジャッキアップしていくと、まずスタビリンクがロアアームに
入っていきます。
このとき、スタビリンクの位置をすんなりロアアームに入っていく位置に
手で調整しながらジャッキアップします。
2人作業で、リンクを調整する人、ジャッキアップする人で声掛け合って
するのがやりよいです。
1人で作業する場合、手でリンクを調整しながら、足を使ってジャッキを操作する
と言う方法もありますけどw
リンクの位置をちゃんと合わせてやると、すんなりリンクとロアアームの穴が
合致します。
合致したら、ボルトを差し込み規定トルクで締めてやります。
続いて、ロアアームをナックルへ入れるのですが、ジャッキを車両横方向外側へ
引っ張るような感じで上げてやり、ナックルと引っかからないように調整しながら
位置あわせをするのがコツです。
ジャッキを上げたり下げたりするのも有効です。
ナックルとロアアームのボルト穴がなかなか合いにくいのですが、ロアアームと
ナックルの間に丈夫な棒(太めのロングドライバー等、ヤスリは不可w)を入れ、
てこの原理で位置あわせをするのも良いでしょう。
大体ボルト穴の位置が合えば、ボルトをたたき込みましょう。
ボルトが少々痛みますが、そうしなければボルトは入りません。
ボルトの頭をハンマーでどつくのですw
ボルトが入ってしまえばこっちのモノ、後は規定トルクで締めるだけです。
2)ダンパーの交換
上の図は、ダンパーブラケットです。
車両底側から見た画像があれば良いのですが、適当な画像がなかったので図で解説します。
取説では、先にダンパーロア側のボルト(さらに上の画像の③)を先に外すように
記載しているモノもありますが、私は、後からロアボルトを外した方が作業しやすいと
思うので、先にダンパーブラケットを外します。
図中①の14ボルトは、ロングエクステンションが有れば、車両真下からアクセス
できます。
ロック剤が塗布されているようで、一番最初に緩めるときは相当力が要ります。
そんなときは、迷わずレンチ先端をどついてインパクトを与えましょう♪
一度パキっと音がして少し緩めば、あとは手で回せるぐらいです。
②の14ボルトも、フレックスタイプのエクステンションが有れば、車両底側から
緩める事が出来ます。ただし、掛かりが浅くなったりしやすいので、ボルトの頭を
なめないように注意して作業する必要が有ります。
タイヤハウス側から、オフセットメガネレンチで作業することも出来ます。
タイヤハウス側からの方が力が入れやすいので、ボルトが硬い場合はその方が
良いかもしれません。
③のボルトだけは、タイヤハウス側からオフセットメガネレンチ使って作業するしかありません。
ある程度緩んだら、手で回せるので、手を突っ込んで回すと比較的早く抜けると思います。
①~③のボルトが外れれば、ダンパーブラケットごとダンパーを抜くのですが、
ここでやっかいなのが、赤丸で囲んだ爪です。
推測するに、この爪はメーカーラインで組み立てるときに役に立ってるだけで、
ラインオフ後は全くなんの役にも立たないので、ぶった切ったほうが楽にブラケットが
抜けます。
ボルトが抜けた後、車両底側からペンチで折り取ってしまいましょう。
3)ダンパーの交換 後編
③の17ボルトは、一番上の画像の③と同じボルト。
ダンパーのロア側のボルトです。
ボルトとナットにそれぞれレンチを掛け、ハンマーでどつくのが良いでしょう。
ハンマーでどつく場合、しっかりとレンチを押さえておくことは言うまでもないですが。
でないと、ボルト・ナットの頭をなめてしまいますからね。
③のボルトが外れれば、いよいよ知恵の輪に挑戦です。
ダンパーブラケットをダンパーごと抜くのですが、すごくすんなり抜ける位置が
必ず有ります。
どちらかと言えば、車両の真横方向外側にずらしながら、斜めにひねるように・・・
と言った感じなのですが、言葉ではなかなか伝わらないと思います。
本当に知恵の輪で、ある場所をある角度で通せば、すんなり過ぎるほどすんなり抜けます。
で、抜けた位置・状態は良く覚えておきましょう。
ダンパー交換後、改めて組み付けるときも、全く同じルートを通せばすんなり入るのです。
コレばっかりは、体で覚えてください。
ただ、必ずすんなりいけるところがありますから、焦らずに♪
ブラケットが抜けたら、一つ上の画像の④の17ボルトを抜きます。
これは、ブッシュを介してブラケットに締結されているので、緩みにくいです。
ダンパーが傷つかないように養生して、足ででも押さえつけて緩めてください。
緩める前に、ブラケットにダンパーの取り付け角度をマーキングしておくのがよいでしょう。
ダンパーとブラケットの角度は大体120度ぐらいの取付角度が指定されています。
元もと装着されている角度が正でしょうから、その位置をブラケットにマーキングして
おくのです。
ダンパーが外れれば、あとは交換するダンパーをマーキング位置に合わせてブラケットに
取付、ダンパーブラケットを車体に組み込むのです。
焦らず、ゆっくり、すんなり入る位置で(笑)
ブラケットが車体に入れば、先にロアボルトを入れてやります。
この時、規定トルクで締めてしまわずに、仮止めにしておくのがよいでしょう。
先にロア側にボルトを入れることで、アッパー側のブラケットの位置あわせがしやすくなります。
ショートストロークのダンパーの場合、ロアアームをジャッキアップすることで、
ブラケットの位置あわせがしやすくなる場合が有ります。
ブラケット位置さえ合わせてしまえば、ブラケット締結用の3つのボルトは、
すんなり手で入れられるはずです。
1本ずつ規定トルクで締めずに、3本共仮締めする方がやりやすいです。
3本共仮締めが出来た時点で、規定トルクで増し締めしましょう。
以上まで出来れば、ロアアーム下にジャッキを掛け、1G状態で、ダンパーロア側の
ボルトを規定トルクで締めてください。
以上で交換作業は終わりです。
文章が多く、わかりにくいかもしれませんが、作業の参考になれば。
規定トルクは、整備書を入手するか、テインのHPなどから取付説明書を入手
すれば、記載があります。
では、がんばって作業してみてください!