プチぶら日記〜永遠の憧れ

今日もプチぶら散歩しています。


私には、永遠の憧れのクルマがあります。
それは、ロータスエランフィックスヘッドクーペ。

さすがにあの当時のオープンのエランは、一人で幌を開けたり閉めたりするのが大変困難だということなので、泣く泣く諦めました。

しかし、フィックスヘッドクーペならば、最初から屋根が付いているので、開け閉めする手間が必要ありません。

それにFRPボディーですので、錆びる心配がありません。

調べてみたら、市場にも何台か出回っているようです。
価格はASKになっていますが、ネットでいろいろと調べてみたら、実勢価格も驚くほど高価ではありません。

夢が膨らみます。

これはたまたま知ったことなのですが、MGBを整備してもらっている整備工場のガレージに、ロータスエランフィックスヘッドクーペスプリントがしまってあることに気がつきました。

その時の気分は、もう天にも上らんばかりに興奮しました。

おそるおそるメカニックさんにドライバーズシートに座ってもいいか、とたずねたところ、気さくに『どうぞ』とお許しがでました。

生まれて初めて座るロータスエランの純正のシート。小ぶりながらぴったりと身体をホールドしてくれます。

ドライビングポジションは、低く座らせるので、脚を真っ直ぐ前に伸ばすポジション。
ただ、足元は前に向かってすぼまっている先すぼまりな構造。

ステアリングは、少しセンター寄りの大径なウッドステアリング。

車内の香りも旧車独特のウットリする香り。

あー、素敵。
これがロータスエランなのねー。
と思いました。

しかし、ここで致命的な欠点を発見してしまいました。

それは、見た目にABCペダルがあまりにも近過ぎること。

それで実際に、ペダルの操作性を確かめてみました。

すると、アクセルペダルを離してブレーキペダルを踏もうとすると、同時にアクセルペダルも踏んでしまいます。

また、ブレーキペダルとクラッチペダルを同時に踏むと、両足がくっ付いてしまってうまく両方のペダルを踏めません。

ああ、これではまともに運転出来ない、とガッカリしました。

がっくり肩を落としてクルマから降りると、さっきのメカニックさんがこういいました。

『オーナーさん、かなり年配の方だから欲しい人がいたら、譲ってもいいって言ってましたよ。MGBの次にどうですか？』

その言葉は、私の耳には届きませんでした。

夢にまで見たロータスエランフィックスヘッドクーペスプリントでしたが、やはり先すぼまりな足元の構造からくるペダルレイアウトの問題から、運転するのは私には不可能だとの現実を目の前に突きつけられ、なすすべもない私でした。

こうしてロータスエランフィックスヘッドクーペは、私がけっして所有することのない永遠の憧れのクルマの1台として、この胸に刻み込められたのでした。