プチぶら日記〜旧い英国車

今日もプチぶら散歩しています。


考えてみれば、私は昔から旧い英国車とご縁があったことを思い出しました。

私の住む秋田は田舎なので、高校生になって遊び場所がないことにハタと気がつきました。

唯一あるのが、秋田市の有楽町と呼ばれる映画館や怪しい飲食店の林立する地区。今はもう寂れてしまいましたが、当時は県下一の大歓楽街でした。

それで、高校もつまらなかったしお金も無かったので、そんな有楽町のうらぶれたアカデミーホールという名画座に、授業をサボっては三本立てのモノクロ映画ばかりを観に行っていました。

上映されていた映画のほとんどは、戦前から1960年代初頭までの古い名作ばかりだったので、アメリカ映画にはカッコいい英国製スポーツカーが多数登場していました。

しかも映画に登場するのは、ほとんどがオープンカーばかり。銀幕のスターが颯爽とオープンスポーツカーを運転する姿に憧れました。

一番思い出深いのは、『麗しのサブリナ』に登場したウイリアム・ホールデンがオードリー・ヘップバーンと乗っていたスポーツカー。これが、1952-53年型ナッシュ・ヒーレー・コンバーティブル。


1952-53年型ナッシュ・ヒーレー・コンバーティブル

次は、『泥棒成金』で、グレース・ケリーが助手席にケーリー・グラントを乗せて走ったスポーツカー。これが、サンビーム・アルパイン。


サンビーム・アルパイン

ではその当時、将来私がそれらの旧い英国製スポーツカーを所有しようと憧れていたかというと、そんなつもりはさらさらありませんでした。

それらのクルマは映画の中で、いつまでも当時の最新型である姿を見られたならそれでいい、と思っていました。

それが、人生というものは思い描いたようにはいかないもので、気がつけばいつしか旧い英国車のオーナーになっていました。

そして、気がつけばそんないたいけな私も、いつしか当時の銀幕のスター達の年齢を超える歳になっていました。