
今回のブログは、以前の『ぶらぶら日記〜ポルシェ センター仙台と新旧ポルシェ 走りのイメージと現実』を補足する内容のブログです。
自分の中に、このクルマならば、このような状況の時にはこのような走りをする、というイメージが存在する。ようはインプットに対するアウトプット。それが自分のイメージからかけ離れれば離れるほど、運転していて心身共にストレスが溜まり必要以上に疲労する。大抵は自分のイメージから悪い方に現実がかけ離れている。走りのイメージと現実の乖離(かいり)だ。
実はジムニーで少しそんなことを感じていた。
ジムニーはコードの劣化による漏電で、ターボが効かなくなり自然吸気になっていたことがある。その時はトルクは痩せたが、ドッカンターボが身を潜めて回転の上昇に合わせてナチュラルにパワーの出るエンジンに豹変してとても乗りやすかった。鋳鉄製(ちゅうてつせい)エンジンブロックのF6Aエンジンの素性(すじょう)の良さを知ることができた。さて修理が終わり、いつ交換したかも分からない海のものとも山のものとも知れない社外品のコードから、純正品のコードに交換すると、これで今までのエンジン特性に戻るかと思いきや、今までとはまったく違うエンジンフィーリングに生まれ変わった。今までのような軽がてらに荒々しく迫力のあるじゃじゃ馬のエンジンから、実にマイルドな洗練されたエンジンに生まれ変わった。乗っていると以前の方が迫力がありパワーが出ていて速いような気がするが、実際には荒々しい迫力がなくなりマイルドになった今のエンジンの方が速くて乗りやすい。件の社外品のコードなど、手に取るとまるで裂けるチーズのようにビニール被膜が裂けてきてよく車両火災が発生しなかったものだなとゾッとした。
結局はそういうものなのかも知れない。
整備不良のクルマは迫力があり、乗りにくくじゃじゃ馬で乗っていて楽しいが疲れる。
整備の行き届いたクルマは洗練されマイルドで、乗りやすく乗り味が上品で乗っていて何か物足りないが疲れない。
五感をフルに働かせてクルマに乗って感じることは、えてして正解なのであろう。それだけ第六感も含めた人間のセンサーとは鋭敏なものなのであろう。
クルマに乗っていて感じること。
どこかおかしいは、やっぱりおかしい。
なんか変は、やっぱり変。
そのようなものだと思う。
まったくもって、本来の姿を何も知らずにクルマ乗るということは恐ろしいことである。
ちなみに背筋に冷水を浴びせられたように寒くなる恐ろしいお話を一つ。
輸入車の、メルセデス・BMW・アウディ、MINI、ポルシェ等の走りのための高価格にして高級車は、新車で納車される時に、本国ファクトリーもしくは日本法人のディーラーで当たり前のように完璧にアライメント調整がなされているかというとさにあらず。アライメントは本国ファクトリーで基準値内におおざっぱに合わせられているに過ぎない。日本法人では納車整備で特別不具合が見つけられなければそのままスルーされる。いわんや国産車をやである。
私が以前メルセデス・ベンツのEクラスのステーションワゴンを買おうとした時に、ディーラーに納車整備でアライメント調整をお願いしたら、特に足廻りをヒットしたりしない限り、アライメント調整は行わないし必要もないと言っていた。もちろん新車で納車される時にもディーラーでアライメント調整は行わないと言っていた。
私のポルシェ911も納車整備でアライメント調整をお願いしたら、ディーラーを通すと10万円かかるから、納車後に街場のショップでアライメント調整をしてもらうことを勧められた。そこならば2万円強でアライメント調整をしてもらえる。
そのような理由で、これを読んでいる皆様が自分のクルマのアライメントをもし購入から一度も調整していないのならば、悲しい現実だが4輪のアライメントは100%バラバラだと言い切れる。
普通に流して走る人ならば2年に1度、ポルシェ・BMW・アウディ・MINI・メルセデス・TOYOTA86・BRZ・ロードスターなどのスポーツカーおよびスポーティカーでハードに走る人や長距離を走る人ならば、1年に1度アライメント調整することをお勧めする。せっかく素晴らしい走りを楽しめるクルマを所有しながら、1年や2年に1度2万円をケチったばかりに本来のクルマの潜在能力を発揮した走りを楽しめないなど勿体ないではないか。
私は過去に買った、マツダロードスター、スバルレガシィB4、セルシオ、アルファ ロメオGTVとすべてアライメント調整をして納車してもらった。それらすべて、まるで4輪駆動車のようにバシッと走った。FRのロードスター・セルシオしかり、4WDのレガシィB4など、さながら1976年のF1マシンで6輪車のタイレルP34のように走った。悲しいかなアルファ ロメオGTVはサスペンションが逝っていたので、アライメントを合わせていてもタコ足で、ステアリングを切っても行き先はクルマに聞いてくれ、というていたらくであった。
いつも言っていることだが、私はクルマを買う時に総支払額はお約束分しか値引き交渉をしない、と言うより営業担当が提示してくれる分しか値引きを期待していない。ただ、その分は整備でサービスしてもらうように交渉する。メカニックには申し訳ないのだが、車両代やパーツ代で値引きしてもらうのではなく、工賃すなわち労働力をサービスしてもらうのだ。もちろん労働力にも1時間あたり幾らという厳然とした決まりがある。アライメント調整は高額なテスターを使って計測するが、計測・調整そのものは作業労働力としてレスされる。ちなみに、私の場合はアライメント調整はすべて納車整備としてサービスでやってもらった。
やはりアライメントが完璧に調整されているクルマはイメージどおりにバシッと走って気持ちがいい。
それは長い眼で観た時に、値引きではなく値切り交渉で雀の涙ほどの金額を財布の中に残すよりも、ディーラーとカスタマーのお互いにとってよほど気持ちがいいことなのである。
何度も言うがいい加減な整備はカスタマーに対しての冒涜(ぼうとく)であるし、常軌を逸した値切り交渉はディーラーや営業担当や整備担当に対しての冒涜である。
このような人権侵害が繰り返されるようならば、近い将来クルマは必ずワンプライスとなり自動販売機で売られるようになる。
関連情報:ホイール・アライメント - Wikipedia
ホイール・アライメント
ホイールアライメント (Wheel Alignment 正しい読みは『アラインメント』) は、自動車のホイールの整列具合のことで、サスペンションやステアリングのシステムを構成するそれぞれの部品が、どのような角度関係で自動車に取り付けられているかを示すものである。キャスター角、キャンバー角、キングピン傾角、トーイン&トーアウトの四要素からなる
Posted at 2013/06/03 15:15:02 | |
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