Michael Delaneyのブログ一覧

今日も元気に私はサイドビーチでごきげんよ🏖


ネェ〜ん、パパァ〜ん、
今度のあたしの誕生日に、エルメスのバーキン買ってェ〜ん。

よしよし、苦しゅうない、買ってやろう。ガハハハハハ！

というパパではない。

うちのツレ、すなわち娘達のパパのことである。

まだ娘達が小さかった頃、休日に私が不在にする時に、パパが娘達をお昼ご飯に近所の中華屋さんに連れて行っていた頃の話である。

ツレは、たいてい五目固焼きそばと瓶ビールを注文していた。

娘達も小さかったからメニューを決めかねて、たいていパパと同じものを注文していた。

とても美味しい五目固焼きそばだったが、一つ問題があった。

それは、麺に対して具の盛りがとてもいいことだ。

そして、問題の核心は、きくらげが大小さまざまたくさん入っていたことだ。

娘達は、他の具なら家庭でも食べているから、美味しい美味しいといって食べる。

しかし、きくらげだけは得体の知れない黒い物体として、食べるのに躊躇してしまう。

それで、

パパ、これって何？

と質問する。

するとビールを飲んでごきげんなパパは、

これ何に見える？
これはね、ペンギンさんの皮なんだよ。
動物園で、ペンギンさんを見たことあるよねー。
そのペンギンさんの皮なんだよ。
ペンギンさん大好きだよねー。
美味しいから残さず食べようねー。

と説明した。

そしたら子ども達は安心して、

ペンギンさんの皮なんだー。
美味しいねー。

と言って食べられるようになった。

その後も、きくらげが入っている料理を食べるたびに、これは大きいから皇帝ペンギンの皮だよー、とかなんとか、嘘八百をならびにならびたて続けた。

その後、子ども達の成長と共に家族で外食することも減り、子どもは子どもで友達とファストフードに行って男の子の話ばかりするようになった。


事件は娘が大学生の時に起こった。

娘が憧れの彼氏とのデートで中華街に行った時のことだった。

お店で緊張して何を頼んだらいいか決められなかった娘は、昔から食べ慣れた五目固焼きそばを注文した。

そして、食事も進み場がなごやかになった時に、

ねえ、この黒い食べ物って知ってる？
これってね、実はペンギンの皮なんだよー！

とやらかしてしまった。


帰宅した娘は、パパに直行して、泣きながらパパに罵詈雑言を投げつけた。

後日振られるのを覚悟して彼氏に事の次第を説明したら、幸いにもきちんと理解して笑って許してくれた。

そして、その日は終電で帰ってきた。

どうやら初めてのごめんなさいエッチをして帰っきたようだ。

ま、雨降って地固まると言いましょうか、元の鞘に納まったと言いましょうか、鞘に納められたと言いましょうか、ある意味エッチはパパのナイスアシストと言えなくもなくもありません。


そんな娘達も今では母親になり、気づけば子ども達にペンギンの嘘をつくようになっていた。

パパに始まった嘘は、我が家に代々受け継がれる嘘になるのかもしれません。

はてさてそれは、孫娘達のごめんなさいエッチの布石になっているのかもしれません。