つい先日、
ジュークに自動ブレーキが全車標準装備になったという話題を取り上げました。
これについてさらに調べてみたところ、日産ではジュークの他に、現時点では、デイズ、ノート、セレナの全グレードに自動ブレーキが装備されているそうです。
さて。
日産のしていることは、一見すると実に素晴らしく、安全に対して熱心なようにも思えます。
しかし、自動ブレーキは安くなどありません。
昨今、若者が車離れをしているという話がよく語られています。しかし結局のところ、人間の根源的な「機械」に対する欲求は、誰しも持ちうるものだと思います。
要するに、若者は、お金がない、余裕がないから車を買わないのだと思います。
もっと別の話をしましょう。若者は動体視力に優れています。もちろん、初心者は運転に慣れていませんので危ない運転をすることもありましょうが、「運転中にスマートフォンをいじって自動ブレーキを賢く活用する若者」を例外として、普通の若者は一般に年寄りよりも危険への対処能力は高いです。
そして、デイズ、ノート、ジューク、セレナの4台は日産の中でおそらく若者にアピールする上位の車と言えるでしょう。いずれも比較的低価格で、いずれも比較的人気の高い車です。
そして、比較的低価格の車に数万円の自動ブレーキを標準装備してしまえば、それだけ購入者の負担は増えます。もちろん、いざ事故になりかけて自動ブレーキが活躍すればそれだけのリワードはあるのでしょうが、真面目に車を運転するほど、その恩恵は受けられなくなります。
もっとはっきりと言いましょう。運転が苦手な人(人間には得意不得意があるので、老若男女問わずどうしても運転が苦手という人はいます)を除いて、真っ当に車を運転する若者は自動ブレーキなど必要としていませんし、多くは不必要な自動ブレーキに無駄な金を払うような余裕もないはずです。
日産は「自動ブレーキ全車標準装備」という広告を打つことで、「日産は安全に強い」というイメージをもたせようとしているのかもしれません。しかし、一般大衆のイメージは「スバルの二番煎じ」以上にはならないでしょうし、むしろそんな頭の悪いマーケティング(笑)のせいで来るはずの顧客を逃しているのではないでしょうか。
話題転換。
さて、今年の東京モーターショーには日産からTEATRO for DAYZというよく分からないコンセプトカーが出展されました。
以下、プレスサイトより抜粋
2020年以降に運転免許を取得する世代を私たちはShare Nativesと定義しました。彼らはこれまでとは全く異なる価値観をクルマに求めています。それを具現化したのが軽自動車EV「テアトロ for デイズ」です。
「テアトロ for デイズ」は、Share Nativesの自由な発想と創造力によって、新しい価値を生みだす素材となり、クルマとしてだけでなく、コミュニケーションツールとして支持されることでしょう。
頭の悪い広告代理店が表面だけなぞって勝手に定義した妄想の若者像を、馬鹿な大企業が信じこんで商品開発を行ったのではないか…と邪推してしまいます。
車にスマホのような機能をつけるのは、スマートテレビと同じくらいに馬鹿げています。スマホでできることを、どうしてわざわざ車でやる必要があるのでしょうか。
カメラ付き携帯電話で写真を撮らず、あえてデジタル一眼レフカメラを使っている人間がいるのは、それが「撮影」というカメラ本来の機能に特化しているからです。
同じように、スマホでなんでもできる時代だからこそ、車には「走り」というクルマ本来の機能が求められているのではないでしょうか。
結局のところ、マーケティングで車なんて売れるはずがありません。
「良い車」を作らなければ、商品なんて売れるはずがありません。
日産はそれを理解するべきです。
Posted at 2015/11/26 18:03:16 | |
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