最近気に入っている曲 vol.13 「天秤棒に心をかけて」　～〈カルミナ・ブラーナ〉　より～ （カール・オルフ）

カール・オルフ作曲
「カルミナ・ブラーナ」より　　　天秤棒に心をかけて

ソプラノ独唱の佳曲です。
歌詞はラテン語で、日本語の訳はいろいろありますが、一般的には次のようになります。




　　　天秤にかけてみた

　　　理性とためらい

　　　不安と傲慢

　　　そして愛と貞淑を。

　　　でも私は目に見えるものを選ぶ。

　　　首をくびきに縛ってみても、やはり愛に寝返ることでしょう。








なんとロマンチックな詩と美しいメロディなのだろう・・・と大学時代に初めて聴いて、心が震えました。



カルミナ・ブラーナは、ベネディクト派ボイレン修道院で発見された、１３世紀の歌と詩の写本をもとに作られました。
250篇以上の膨大な詩から、オルフ自身が24篇を選んで、カンタータとして作曲し、1937年にフランクフルト歌劇場で初演されました。





恋にあこがれたり、酒を交し合ったり、楽しみや悲しみを分かち合ったり、神への感謝したり、運命に翻弄されて苦しんだり・・・


今から800年も前の、名もない人々の生きた証がこの詩と曲に込められています。
たとえ文明が発展したとしても、人の営みや生き様、考え方は、今も昔も変わっていないのだということをつくづく思い知らされます。




有名なのは、序奏部の「おお、フォルトゥナ（運命の女神よ）」です。
よくバラエティ番組でも使われているので、聴いたことがある方も多いと思います。




最近、全曲を改めて聴いています。
特に、小澤征爾／ベルリンPOの演奏が、スマートかつ流麗、華麗で一番好きです(^_^)/
オケも、独唱も、合唱（日本の合唱団です）も全てがべらぼうに上手くて、全曲を聴くと爽快な気分になります。

※YouTubeのリンク先に進むと、冒頭のCMがとても邪魔に思います(-_-;)