祈り　～　a prayer　～

もうすぐ　あの日から４年になろうとしている


沿岸の町に　勤務している友がいた

大学時代　同じ学部で学び

就職後も　時あるごとに　会っていた親友だった




あの日

私は　勤務先の散乱した物の

片付けが一段落して

１６時に退勤して自宅へ向かった

自宅は・・・

窓がはずれ　家具も散々な有様

足の踏み場もないというのは　こういうことか・・・

どこから片付けようかと　途方に暮れているうちに


日は落ちた


余震が続き　電気も水道も止まり

家族で寄り添って　揺れに怯えながら暗い夜を過ごした

明日は　どうなるのだろう・・・

明日は　来るのだろうか・・・





心身ともに疲れ果てていたときに

ふと　友のことが頭によぎった

心配で　携帯でメールを送った

しかし　返信はなかった





沿岸の町の高台に　彼の勤務先があった

そこに避難して登ってくる人々を誘導していた

逃げ遅れている老人が見えた

その老人のもとに駆けて行き

高台へ一緒に向かっている途中だったという



そういう　気配りのある　心のやさしいヤツだった





もう　４年になるのか・・・








あの年の冬に　行われた演奏会

そのプログラムの中の一曲


　　　　　　　　



大震災によって大切な家族を失ってしま­った子供たちや

被災者の方々への応援歌として作曲された



最近になって　私もやっと　心落ち着けてこの曲を聴けるようになった




初めは　ピアノとコントラバスだけの　物悲しいメロディ

太田紗和子さんのピアノが　まるでレクイエムのように響く



中間部から　三宅由佳莉さんの歌が

心の灯のように　優しく　希望をもって奏でられる








２番の歌詞・・・




悲しい出来事や


迷い悩んだこと


やがて満たされるよ


きっと信じている


君の姿みえず


声も聞けないけど


いつも感じている


君とともにいると


きみは　希望　　夢　　未来


祈ってる









なんだか　目頭が熱くなってくる





もう一つの演奏会のようす



ピアノとコントラバス　　そしてソプラノだけの演奏

三宅さんが　最後に涙を拭いている

想いが伝わってくる









希望　　夢　　未来　・・・


１１日は　そんな願いを胸に


祈りたい