すごい代車デミオXDででかけた目的のひとつは、田中角栄の足跡をたどってみることでした。
ふと、田中角栄のことが気になったんです。なんか話題になってるなぁ、なんで話題になってるんだって思ったら、1976年7月27日にロッキード事件で逮捕されてちょうど40年だったってわけです。当時は一応生きていたはずなのですが、田中角栄逮捕のことはちっとも記憶にございません。最初に首相というものの人名を認識したのは、中曽根康弘でした。で、新潟県の道の駅西山ふるさと館の敷地内に田中角栄記念館があるなぁって話と、新潟県のラーメンをいろいろと食べてみたいと思っていたことがくっついて、出かけることにしたのでした。
謎の自作スマホホルダーで、ハイドラ中のスマホの発熱対策もバッチリです。ちなみにこのスマホホルダー、途中一度だけひもが緩んで、iPhoneが写真のようには直立しなくなったことがあったのですが、すぐ補修して、結局34時間770kmの旅路を乗り切ったのでした。
ちょっと早めに着いたので、隣の中国庭園を散策します。なんで中国庭園なのかと思ってよくよく考えたら、日中国交正常化を実現した時の首相が田中角栄なんですね。田中角栄については、大学でちょっとやった記憶があるけれど、行くにあたってちょろっと調べましたよ。賛否両論あるけれど、人の上に立つ者ってのは、結局のところ何をしても誰かから叩かれるんだから、だったら信念の思うように突き進むのが最善なんだろうなってことを思ったなぁ。そういうやり方は、敵も増えるだろうけれど、味方も増えると思うから。
ちなみに中国庭園や建物については、ちょっといまいちでした(爆)。日中国交正常化に関する貴重な資料などは、ほかの場所にあるんでしょうね。そういったものを展示できればおもしろいなぁって思うんだけど。ただ、地域の中学生が中国に派遣されて、交流がずっと続いているってのはいいことだと思うなぁ。
開館の時間になったので、入館します。離れているのですが、越後交通本社でも開催されている遺墨展との共通券を購入します。というか、それしか選択肢がない(爆)。ちなみにお客さんの数や施設の規模の割に、厳重な仕事をする警備員も含めて妙にスタッフの数が多いように見えたんだけど、そういった施設の維持費などはどこから出てくるんでしょう?
田中角栄(ちなみに正しくは田中角榮で、読み方も「たなかかくえ」らしい)の経歴を、おもに書や使っていた道具、当時の書籍などを中心に展示するというものでした。もっと人となりとか、首相としての苦悩とかに迫りたかったんだけど、ここはこれでおもしろかったなぁ。道路や鉄道ができたことによって、沿線の首長が連名で感謝状を書いたものが複数展示されていたりとか。本人が使ったものかはさておき風格のある机があったので、田中角栄の前に立たされているイメージで机の前に立ってみたりとかした(笑)。
そういえば通称目白御殿の応接室を再現した部屋も興味深かった。少し前に、石破茂の父が亡くなった際に田中角栄とどういうやり取りをしたかを、石破茂自身が振り返っている文章を偶然読んだんだけれど、この部屋の調度品やテーブル、ソファーはその時のことを知っているのかと思うとね。なんか、オーラがまだあるような感じがしましたよ。ちなみにやりとりの中身はというと、これから銀行を退職して(三井銀行に勤めていたらしい)葬儀に来てくださった方への挨拶回りに行けと言われた話、そして挨拶回りの目的は父(参議院議員だった)の跡を継いで選挙に出ろと言われた際に「(30歳になってないので)まだ選挙に出られませんが」と答えたら、「誰が参議院に出ろと言った、衆議院だ」と言われた話、そしてもうすぐ衆議院の解散があるから、そういった政治的な重要なことはすべてこの目白で決まるんだと言われた話とか。そりゃぁ、目白御殿から3回曲がったら新潟県内の田中角栄の家に着くというのは、都市伝説ではないらしいだけのことはある。
あと、書には興味がなかったんだけど、書いている文章そのものはとっても政治家らしいし、そこに人となりも感じることができた。3人の孫だったかにしたためたものには、普通のおじいちゃんなんだなぁって人間味も感じたりしてね。個人的に記憶に残ったのはこのへんかなぁ。しかも、誰かによく頼まれていたのか、あとで行った越後交通本社の展示においても同じようなものがあったりしました。
「末ついに海となるべき山水も しばし木の葉の下くぐるなり」
海の水にも、木の葉の下を流れている頃があったのだという意味。権力の階段を駆け上がって行く前の下積みのことを指しているのか、それとも逮捕されたあとの心境のことを指しているのか。
「志在千里」
志のある人は年をとっても、はやる心は抑えられないという意味。若い頃からそう思っていたのか、それとも逮捕された後に思うようになったのか。後者だとしたら、政治家や首相としてやり残したことってなんだったんでしょうねぇ。
「聽くことを悉く信じる勿れ 知ることを悉く言う勿れ」
人から聞いたことをなんでも鵜呑みに信じてはいけないし、自分が知っているからといってなんでも人に言いふらしてはいけないという意味。「賢きものは学びたがり、愚かな者は教えたがる」ってやつですな。
その後、越後交通本社にも行ってきました。田中角栄は、前身の長岡鉄道の社長を勤めていた頃もあるらしいです。入った途端、なんだか懐かしい声と思ったら、田中真紀子による挨拶のテープが流れます。今は何をしてるんでしょうねぇ。伊藤博文からもらったらしい硯もありました。ちなみに調べたところ、今の越後交通の社長は、田中真紀子のダンナの田中直紀らしいです。田中家というものがだんだんと力を失っていく感じが見えるわけですが、それでも、娘や娘婿が今なおこれだけの力を持っているということに、田中角栄のすごさを感じましたね。
おまけ。長岡でこの写真を撮ってみたかったんです。長岡駅前に降り立ったら、誰もが疑問に思う一角だと思っていたのですが、今では以前と違って屋根付きの立体歩道ができちゃって、以前ほどこの一角は目立たなくなりましたね。長岡駅前の時間が止まっている一角、寿屋旅館です。ちなみにここから写真の左方向に歩くと、別の時間が止まっているような一角を見つけることができます。
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おでかけ | 日記
Posted at
2016/08/06 22:28:03