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2024年07月14日 イイね!

下人は死んだのか!?

 タイトルにある下人とは、芥川龍之介の「羅生門」に出てくる登場人物のことです。

 長女は鼻の下を伸ばすだけでなく、勉強も一応がんばっています。そうそう例の相手からは、デートが決まって爆上げテンションで、B'zのウルトラソウルの歌詞がLINEで届いたんだとか。こっちにとってもウルトラソウルですよ(笑)。

 で、そんなウルトラソウルに恋愛も勉強もがんばる娘の話。なんでも授業でやってる羅生門がわからないのだと。ほほぅ。なんだか懐かしいんですけど。今思うと好きでも嫌いでもなかったわたしにとっての国語は、高校になって好きになったんだと思う。別にこの先生がよかったとかいうのは記憶にないんだけど、でもたまにテレビに出るような、本もバリバリ書いてるようなすごい先生から教わっていたことは忘れないぞ。

 そうそう、羅生門のどこがわからないのか。きちんと長女に話を聞くと羅生門には今昔物語集の一節に元ネタがあって、その元ネタとの読み比べを行う授業においての何かがわからないらしい。それは羅生門がわからないんじゃなくて、元ネタがわからないって話じゃないか。そういうところに国語の弱さが垣間見えるんだな。そんな話のなか出てきたのが、「羅生門の下人は死んだ」という解釈。

 まぁ平安時代が舞台ですから、下人はとっくの昔に死んでいるでしょう。そんな話ではなくて、最後の「下人の行方は、誰も知らない」ってのは、死んだから誰も知らないという解釈になるのだとか。そんなバカな。でもクラスの多くの生徒も、下人は死んだと解釈しているらしい。えっ!?強盗になったんじゃないのか??? そう思って青空文庫に行って改めて羅生門を読んでみた。やっぱり強盗になったんだと思うがなぁ。これを書くにあたって調べて知ったことだけど、最後の一文は3つのバージョンがあるみたいね。初期と、その次のバージョンでは、明確に強盗に行ったという内容になっている。そこを最終的には「誰も知らない」としてぼやかしたのが芥川のすごさらしいんだけど。それによって授業としては、「その後下人はどうなったのか」を書かせるものがよくあるそうで、それはそれでなかなか興味深いんだけど長女が受けている授業はそういうありきたりなものではないらしい。

 個人的にはやっぱり、どう読んでも、以前のバージョンのことを知っている知らないに関係なく、下人は強盗になったと思うがなぁ。なぜなら、盗人になる勇気が出ないまま羅生門の下にいたこと。物音がして上にあがったところ、死体から髪の毛を盗む老婆がいて、老婆とのやり取りの中で、自身も生きていくためには老婆から強盗するしかないという境地に達したことが根拠だな。この2点は、明確に作中に書かれている。でもさぁ、改めて読んで思うのだが、蛇の肉を魚だと言って売っていた女が死んだ。その女の髪の毛を抜いて生きようとする老婆。その老婆から服を盗む下人。ということは、やがて下人も何者かに強盗か疫病かに遭って死ぬのかも。そういう因果応報の果てに、下人は死んだんだとするのであればなかなか深い解釈だと思う。でも、そういうのを全部すっ飛ばして、「行方を誰も知らないってことらしいので、死んだんだ」とする解釈には、そんな深い考えはないと思う。

 下人のその後を勝手に考えると、全裸の老婆が降りしきる雨の闇の中、死んだ下人から服を奪い返してさらに髪の毛をむしっていくという、ちょっとホラーっぽい結末を考えてしまいます。そして「老婆の行方もまた、誰も知らない」と締めくくる。
Posted at 2024/07/15 00:20:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 本館より | 日記

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