2006年10月26日
明日から筑波入りという週末、仕事を終え駐車場へと急ぐ。
「んっ!」街灯の下に1台のバイクと人影が。
かがみこんでエンジンを覗く彼の手に光る工具。
「どした?」「あっ、ちょっと」
まだ少年といってもいい彼の陽に焼けた顔と
小さなバイクに山積みの荷物が、長い旅の途中だと語っている。
「治りそう?」「大丈夫です。ありがとうございます。」
彼の笑顔にずっと昔の自分が重なる。バイクに夢中だった自分が。
「気をつけて」「ハイッ!」
なんだかあったかい気持ちで帰途に着いた。
スイフトスポーツカップ第4戦。予選7番手からは一発スタートで
勝負するしかない。
レッド消灯!1コーナーまではベストなダッシュだ。
ところがS字から先にオイル処理の帯が・・・。
これを意識しすぎて1台に先行される。
「くっそ~!」意地を張って最終にアウトから進入。
「あ~れ~!!」行きたいのはそっちじゃないのにスイフトが
言う事を聞かない。
たまらずアクセルを一瞬戻した為、メインストレートで更に
1台にかわされる。
「落ち着け!落ち着け!」
先を行く2台よりはタイムが出ているはずだ。付け入る隙を見つければ
かならずパスできる!
ところがこの2台、なかなか手強くて進入でインに飛び込めない。
コーナー途中では追突しそうになるのに直線では付いていけないのだ。
焦る自分に気が付いているのにどうしようもない!
イライラの募るレース展開のまま終盤へ。
おもわず当たりそうになるのを必死で我慢!
「このままじゃ終われん!」
2ヘアの立ち上がりで相手がほんの僅かはらんだ(ように見えた)
「ここで行かなきゃ男じゃネエ!」
バンパーがくっつく寸前までスリップを使い右に出る。
まだ相手が半車身前だ!
「絶対に先にアクセル抜かない!」びびる右足に言い聞かせる。
最終の進入でほんの僅か開いたインに向かってターンイン。
イン側のゼブラをなぞるように立ち上がると、メインストレートに向かって
やっと視界が開けた!
7位フィニッシュにがっかりしながら車両保管へ。
グッタリしてるとアナウンスで呼ばれる。
上位に再車検落ちが出て繰り上げ6位入賞なんですと。
前回とは逆の立場に素直には喜べないが、まさに
捨てる神あれば拾う神あり。あ~、疲れた1日でした。
帰りの高速、助手席でぼーっとしてると「あっ!」
そのインターの名前は、あのバイク少年のナンバーと同じだ。
彼は無事に家にたどり着いただろうか?
彼は自分の力でバイクを直して先に進んで、
自分は大勢の仲間に助けられてレースをしながら結果を
出せなかった。
うん、今の時点じゃ彼の勝ちだな。
Posted at 2006/10/26 21:09:00 | |
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