
どんな競技にも「流れ」ってあると思う。
車の準備してテストして予選、決勝・・。
今回初めて、レースの流れがこっちに傾いてる気がしてた。
でも手を伸ばせば届きそうなそいつは、ほんのちょっとの欲張りと一瞬のためらいで、あっという間に消え失せた。
今回、一番気合の入っていたのは小2の長男。
何日も前からストップウォッチやパスケースをデイパックに詰め込み、
「あと何日?あと何日??」
出発日の午前中には自身のキッズカートスクールで進級の目標タイムを叩き出し、
午後はテレビでF1観戦。
異常なハイテンションでスイフトの後部シートに陣取る。
深夜到着した筑波近くのホテルでもなかなか寝付けない御様子。
お~い、おまえのレースじゃないんだからさぁ。
フリー走行から継続して始まった予選、1年ぶりの筑波をじっくりと丁寧に走って
自己ベスト更新!2番手でスタートとなった。
決勝を前に自分のポジションを確認する。
ポールの#7、2006チャンプは当日朝履き替えた新品タイヤ、
3番手の#19、師匠は借り物マシンでセッティングに悩んでる。
千葉の大先輩は直前練習でクラッシュ(!)し、突貫工事で修復。(さすがのチーム力!)
こりゃベストな状態で臨んでる自分にはチャンスでしょう!
この流れを掴みたい、そう自分に言い聞かせてグリッドに着く。
いつに無く慎重にクラッチミート。半クラを長く使ってポールの#7に並びかける。
「くっ!抜けない」
ミラーが接触、それでも意地を張ってアウトから1コーナーに進入。
今思えば、ここでほんの少し気持ちが負けちゃったんだな。
#7に先行されて空いたインにすかさず黄色い悪魔が飛び込んでくる。「師匠~」
あまりにも鮮やかにかわされ、3番手に落ちる。
「落ち着け、落ち着け!」
必死に追いかけるがさすがは前年チャンプ、要所を押さえて隙が無い。
でも良く見るとコーナー進入ではかなり長くリヤタイヤがロックして
白煙を上げてる。「こりゃ後半勝負だな」
タイヤを温存しながらチャンスを待つ。
「おっ、きた~」
#19最終でリヤが出て加速が鈍る。ここだ!
ぐっとテールが近づいた1コーナー、しかしインに飛び込むまでは至らない。
接近戦のまま2ヘア立ち上がり、2速から3速で「がりっ」シフトミス!
一瞬のうちにテールが離れていく。「やっちまった」
結局#19のテールを見続けながらのチェッカーだった。
2001年に最初はスタッフとしてワンメイクレースに関わって以来、
自分の人生は大いにスパイスの効いたものになった。
全国のサーキットに遠征し、多くの友人と酒を飲み、レース結果に一喜一憂した。
楽しいことばかりでは無かったが、それは胸に仕舞っておこう。
なにより今、こうして無事にレース活動を終えられることを感謝している。
PS チェッカー後のコース上、駆けつけた長男が開口一番
「父ちゃん、あそこでもっとブレーキ遅らせて抜かさなきゃ」
父 思わず、
「はい、 すいません。」
周りのみんなにつられて笑ったけど、ありゃマジへこんだな。
Posted at 2008/10/15 02:45:27 | |
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