望郷

ワタシが就職して１年半後に異動で親元を離れた

開放感、楽しいことが多かった　　一方で辛いこともあった

そんなときに、山崎ハコさんの「飛・び・ま・す」というアルバムをレコード屋で見つけた



ジャケットには睨みつける彼女の顔写真　　ためらいながらも興味が湧き衝動買い

寮の部屋で、ひとり酒呑みながらそのレコードを聴いた　　正直、暗いと感じたが・・・

「望郷」の歌を聴いているうちに、自分がまだ子供だった頃を思い出し、涙が溢れ出てきた

最後のフレーズを聴いたとき、恥ずかしながら号泣してしまった

もう３７年が経つ

母が亡くなり、父も今年逝った

弟たちも働き、所帯をもち、疎遠になっていく

ワタシが生まれた場所、育った場所、家族が一緒に暮らした場所

そこには想い出の家も何もない

子育ても終わり、人生の役目を果たした感がすることもあって

昔の頃に帰りたいという気持ちがわくときがある

でも、帰る場所には想い出の残っている家は、もう、ない



そんなセンチになっているワタシなんかよりも

３．１１の津波、福島の原発事故、伊豆大島での土砂災害・・・

被害に遭われた方々のことを思うと自分はまだ幸せなんだと感謝している