40万3140キロ パーキンソン病 リアワイパーの修理 その2
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
その1に続き、分解してみるとこの通りでございます。内部はそれはそれはすさまじい状態です。この茶色いものは、経年で固形化したグリスと大量の錆の混ざった産物で、本来あってはならない姿です。
2
原因はワイパー駆動用のシャフト部分からの水の侵入によるものです。こんな状態でよく少しでも動いたものだと逆に思うほどの半固着状態です。
3
こちらが取り外した、歯車と駆動用シャフトならびにカムです。プラスチック製の歯車の周りに見える白い粉は、半固着状態の歯車をモーターの金属製歯車が無理に回したため、摩耗した部分です。
古いグリスは全て脱脂除去し、駆動シャフトは錆があまりにひどいため紙やすりで念入りに錆を落としました。カム部分も同様できる範囲で浸透潤滑剤を何度も吹いて汚れを除去しました。
4
こちらは所定の停止位置を守らせるための電気式接点ですが、ご覧のとおり水が侵入し、浸水した形跡が見受けられます。
5
こちらが歯車の裏側です。停止位置検出用の電気接点が接触するプレートなのですが、こちらもご覧の通り水の侵入により腐食が始まっていました。
これらが接触不良を招き、パーキンソン病とADHDが発症したわけです。こちらも紙やすりで念入りに錆を落とし、接点復活スプレーを吹いた後、腐食防止と潤滑のためリチュームグリスを塗布しました。
6
こちらもモーターの金属製歯車を清掃し、腐食した接点も研磨により復活させました。
7
さて、部品の清掃と調整が完了したところで、いよいよ組み付けです。
使ったグリスは3種類あり、常に回転する接点にはリチュームグリスを、プラスチック製の歯車には配管用のリチューム系潤滑グリスを、そして駆動シャフトならびにカムにはモリブデングリスを使用しました。
8
今回の不具合の原因は、この欧州製リアワイパー・モーター一式の設計にあると言えます。本体からしてとにかく造りがしょぼく、更に水の侵入対策があまりにずさんです。ナットなどによる確実な固定ではなく、ゴムのグロメットやシールに頼っているため、数年経つと水が本体内に侵入します。
よって、組み付け時には駆動シャフトの外側部分のゴムシールをはめ込む前にリチュームグリスをたっぷり詰め、シールのみに頼らない防水対策をしました。
作業終了後の試験運転では、ワイパーがスムーズに稼働し、INTも正常、停止位置も所定の位置で確実停止するようになりました。
デンソーさんやミツバさんのワイパーシステムがいかに優秀かあらためて実感させられる作業です。
ちなみに欧州車のほとんどが今回のタイプのワイパー機構を採用しており、みんな似たような不具合に見舞われております。まあ、この原因を作っている犯人は、ほとんどヴァ◯オと言っても過言ではないのですが...。
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