
あめの 水曜日 昼めし食ってちょっと眠い どんがらどす
学生時代 就職のとき 一応おいらもどんな会社に行くかくらい考えてみた。当時はバブル全盛期 いろんな会社が露ファーを出していた。商社だってあった?商社言って何するんかいなと思っていたら 人に聞くと 科学関係の物品を扱う際に 専門的な知識が役に立つということだった?ふううん。
中学の時友達になったTは前年サントリーに内定していたが留年したのでご和算になった。今年 明治生命に内定が出た。なんで
”メーカーやめて 生保にしたの” って聞いたら
”結局、俺らの仕事ではお前みたいに創造的なことはできない。だったら、とことん商売に徹していて社会にも貢献できそうな 保険屋のほうが いいと思ったんだ?”
なるほど
ほどなく おいらのところにもオファーが来た。隣の学科の先輩が学生探しにうちの部屋に来た。今年の就職担当はうちの教授、そこで いい学生さんいませんかね とか聞いたのだろう。先生は
”そこにおるやつはどう?”
とか答えたんだ。そしておいらのところに話に来た。適当に今こんな研究しとりますとか 成績悪い毛と 麻雀とバイトに明け暮れてましたとか ええ加減な話してた。すると最後に 一回 トクヤマまで遊びに来ない?会社から光津人か出すから 工場身に来てよ とか言われた。
”ほい そのうち ひまになったら”
って言っといた。
そして日常へ。毎日学校に行って その非難の実験するか考えて 午前中の授業を確かめ そして実験の準備を開始。適当に時間が開いたら コピーしてきてあった論文に向かうが英語が苦手なので新しい奴はわからない。わからないから 絵だけ一生懸命見て 注釈の単語だけぜんぶ辞書引いて 授業へ。つまらない授業だけど取らないと卒業できない。後ろのほうに位置しているから 遊んでいてもわからない はず。おもむろにさっきの論文を引き出して 何が書いてあるのか考える。あーかもしれないこーかもしれない
まあ でも結局は英語の障壁の前にギブアップするんだけどね?
そんな日常を過ごしていると 先輩から私宛に電話が来た。
”どんがらくん。就職先決まった?”
”いやー まだです・”
”遊びにおいてよ?”
”そうですね?うーーーん だんだん面倒になったので おたくの会社を受けます!”
”おう、ぜひ 歓迎するよ。じゃあ さっそくだけど 次の次の 金曜日なんか都合つく?”
”知らんけど 先生に聞いてみますね。あかんとはいわんだろうし、おいらは適当にじかんつくりますんで”
かくして出発に火は決まった。おかんに5万円借りて 発表で使った一兆裏をきて 出立。新大阪の駅で 別の去年卒業したI先輩がまっていた。昨日学校であったとき 別の会社だけどあす工場見学に行くんですと言ったら 時間を聞かれた。先輩の会社とおいらがいくところはおとなりさんなのだそうだ。新幹線の自由席でとなりどうしとなり 学生時代に あんな話や こんなはなしをしたなあ とかいっとったら 2時間半で駅に着いた。新幹線はやはりすごいと思った。動く応接間だ。
駅には就職先の先輩がいた。I先輩とはその手前50mで ”ほいじゃまた” とか言って 別れた。
就職先の先輩が ”あのひとだれ?”とかいったので 適当に解説して 一緒に来たんだと言ったら ここまでどうやってくるかも テストのうちだったんだけどまあいいかとかいっとった。
その後 全部で3人の学校の先輩でその会社に入った世代の違う人たちと会議室で話となった。学校の話に花がさき、現状を聞いてみな楽しそうだった。そのご 各部署の人が順番に話に来た。化学工学の専門家は ”数学好きか?” といったので ”好きです” と答えてから このままでは エンジニアリングの方向に呼ばれそうだった気がしたので ”1年の最初の微積は優だったけど 下期は可でした。その後線形数学は一応良だったけど 応用数学は不可でした。複素平面のやつも結局不可だったし、、、。これで細工はようよう。
”分析の専門家とも会う” 分析は大学でやったから 就職したら製品の開発や 製造の研究 をしたいと言っといた。
そして 最後の面談。やはり3人くらいの人がいた。ひとりは年寄り。ひとりは若いがやりてそう?ひとりは記録係?進行役が ”大学では何やってるの?” ”バイオセンサーの開発どす” ”酵素電極に貼って 補酵素入れて 目的の気質を測定するセンサーをつくっとります。” ”そいつはどんなところに使えるの?” ”たとえば ブドウ糖とか 乳酸とか ようするに酵素があって安定に固定化できれば 酸素でも過酸化水素でも 適当に電極で測ってやれば 目的の気質を選択的に測定することができます。” ”それは うちの会社のいろんなものを測定するのにも使えるの?” ”いやー よくしりませんが たぶん目的とする物質を気質とする酵素がないんじゃないかとおもいますが?”
”そうなんだ。何々さんわかります” といってベテランのおじさんに話を振った。
”詳しくはわからないが だいたいはわかるよ。助酵素だよね?”
”補酵素です”
”ふむふむふむ”
はつらつといたおじさんが言う
”学生時代どんなバイトしたの?”
”イヤー いろいろしましたね、、、。 お米屋さんとか お酒屋さんとか?”
いきなり 老人がしゃべりだした!
”そいつは面白い。そこで君は何を感じたの?”
”ええ?” このおっさん 酒屋と米屋でも始めたいのか?
それとも これもテストなのか? 何言うか?
しばし 沈黙。
”酒屋の大将は働かない。奥さんは小うるさい。従業員はもとやん。でも、高校生の頃は団地街で5階建ての団地にあほほどビールケースくばってあるいて 足腰だけは強くなった。大学1年の時は 違うところの米屋を半分任された。
あさ バイクで店につくと いきなり前掛けして お釣りを少々 そして注文を描くノート?(ちぎると発注伝票になるやつ をもって 御用聞きに。最初は結構警戒されてたけど そのうち 仲良くなるおばちゃんができる。だいたい 1っ週間で5つのパターンで御用聞きに行くので その最後のほうに話をするおばちゃんを見つけておく。朝から回ると10時半くらいには終わるけど 最後におばちゃんと話す。最大11時半までさぼれるが まあ11時くらいには上がるようにする。おばちゃんは喋り捲る。適当に相槌を打ち 適当な意見を言ってみる。そして おばちゃんの予定も適当に聞いておく。あるときは 店に戻らんと とか あるtきは おばちゃん買い物に行くんじゃなかったの とか言って話を切り上げ 店に戻る。午後からは製造開始。大将がその日の生産をくわだてる。どんごろす2袋(60kgx2)にコシヒカリ10kg、自主流通米14kg、あとは適当に鼻薬。床から導入された玄米を含むお米は ホッパーでブレンドされ 脱穀機に送られ そして 規定まで精米されて 最後のタンクに立ってゆく。敵とにたまったら 用意しておいた 14kgの白い袋10袋に 茶色の奴10袋 10kgもおんなじだけ ここに天秤にセットした重量まで お米を入れてゆく。下の板を手前に引けば自動的にお米が落ちてくるので そこにセットした紙袋に落としてゆく。 ほどなく天秤があたっと言ったら コメの落下を止める。両手でつまんで ひょいと ミシンへ。足ふみスイッチを踏むと だだだっと といって 紙袋の上がミシン止めされる。赤と白のいろのひもで。
そのうち 大将が話をしてくれた。
”きみ なかなか 評判イイね。なになに丁の奥さんがほめてたよ。学生さんってきいてきたから ドンガラ大学の学生さんだ アルバイトさ っていっといた。”
”すいません 適当に時間があるときにさぼっとるんですが?”
”いや それはさぼりじゃないよ。 これからも そういういみでは どんどん さぼってくれ!”
”はあ そうですか?”
会社に入って26年。最初の7年は命かけてもの気合で一心不乱に働いたが たいして評価されなかった。その後の10年 適当に遊んで いろんなひとに御用聞きに行って 適当に交錯してたら 評価がぐんぐん上がった。変な会社? 一身に働かないで遊んどると給料上がるというへんなかいしゃだなあ? まあ いいか?
でも 遊びすぎはよくない。遊びすぎると 昇進させられるかもしれない? 管理職なんてまっぴらごめんだ。
あしたも遊ぶためには 今日はちょっとくらい仕事しよう ということで たまっている伝票を整理し わからない書きかけの書類をもって経理のお姉ちゃんに聞きに行く。適当に話を聞いて 最後にどうやって笑わせるかだけを真剣に考えて ひとこと
”恋するフォーチュンクッキー 知っとる?”
”はあ?”
”CMでやってるやつ” とか言いながら 練習したダンスをちょっとだけ披露する。
エガをが咲く。 踊りながらターンし そして出口へ
”ありがとう 助かったぜ!”
どおおおんがら