ジェネレーター強化、及びヘッドライトのＨ４化（ＸＲ６５０Ｒの作業日記・Ｎｏ．１）

　（作業年月・平成２１年７月〜８月）









　【作業の経緯】

　元来、この車両はレーサーのため、市販車の状態でのヘッドライトの明るさが車検をクリアするギリギリの光量しかありません。
　「原付バイクと同じ３５Ｗ１灯・・・・・涙ものですね！」
　そこで、この際ジェネレーターや電装を調査して大型バイクと同じ光量があるＨ４型「５５／６０Ｗ型のバルブ」に強化をする事にしました。

　【現状の把握】

　・純正ジェネレーターを調べます。

　純正ジェネレーターは１２極の単相交流発電機です。
　（局数の割合）
　１．エキサイターコイル（点火系）＝２極
　２．ライト及びブレーキ（ＡＣ系）＝４極
　３．ウインカーその他　（ＤＣ系）＝６極
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　　　　合計　　　　　　　　　　　１２極

　・発電能力を調査します。

　調査の結果、１極あたりの発電能力は？

　１極＝約１３Ｗ／２５００rpm（ＭＡＸ１５Ｗ／４０００rpm）

　上記を元に計算すると！

　１．ＡＣ系＝５２Ｗ／２５００rpm（ＭＡＸ６０Ｗ／４０００rpm）
　２．ＤＣ系＝７８Ｗ／２５００rpm（ＭＡＸ９０Ｗ／４０００rpm）

　【強化の対策】

　・目標とする電力を計算すると！

　（ＡＣ系）
　１．ヘッドライト　＝６０Ｗ
　２．テールランプ　＝　５Ｗ
　３．ブレーキランプ＝１５Ｗ
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　　　小計　　　　　　８０Ｗ

　（ＤＣ系）
　１．計　器　類　　＝１０Ｗ（ＥＴＣ含む）
　２．冷却ファン　　＝３０Ｗ
　３．ウインカー　　＝１５Ｗ
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　常時使用のもの　　　１０Ｗ
　総合　　　　　　　　５５Ｗ

　また、純正ジェネレーターを改造し発電能力を上げて得られる能力は５〜２０％です。

　そこで、ＡＣ系の発電機の能力を出来るだけ上げて利用率を突き詰めて１００％に持って行く事でＤＣ系に余力を持たせたいと思います。
　また、耐久性と過負荷特性を向上するために「エナメル線（マグネットワイヤー）」は耐熱性・耐久性・耐薬品製の高い「ポリアミドイミド線」（モンキーＢＡＪＡの作業日記Ｎｏ．３を参照）を使用します。

　【作業開始】

　・巻き替え用のジェネレーターを部品として購入


　・巻き線をばらします。


　・耐久性の高いエナメル線を巻きます。

　＊今回巻き替えたエナメル線の太さ（ＡＣ系＝０.８→１.０mmφ）へ上げて電流容量の増加に対応し巻数は純正と同等にします。

　（極数の配分）

　・ＡＣ系のジェネレーターの容量を１００％に近い値とするために計算します。

　（極数）＝８０÷（１３×１.２）＝５.１２（総合）
　（極数）＝６５÷（１３×１.２）＝４.１７（ヘッドライトとテールランプのみ）

　よって、極数を５極で巻き付けます。

　・ＤＣ系のジェネレーターは以前の６極から５極へ減少しますので、出来るだけ容量を落とさないよう巻き線の太さを同じ０.８mmφで巻数を同じとして出来るだけ高密度に巻き付けます。

　（想定される発電容量）＝１３×１.２×５＝７８Ｗ（２５００rpm）

　よって、ＤＣ系で使用される最大をクリア出来ます。

　・出来上がったジェネレータを取り付けます。


　＊ヘッドライトのレンズユニットは高容量のＨ４型に対応していませんので、同じレンズ外径でカワサキから出ているレンズユニットへ交換しました。

　・早速明るさの確認をします。

　（薄暮時・ＬＯＷ）


　（薄暮時・ＨＩ）

　【感想】

　明るさが上がって良く見えるようになりました。
　結果に満足しています。