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2014年02月16日

小型バイクのジェネレーター強化(最適化)に関する実証・その1-3

 小型バイクのジェネレーター強化(最適化)に関する実証・その1-3 【閲覧についてご注意!】
今回の掲載内容は、電気関係の専門知識を要し、一般受けしない内容となっております。 興味の無い方は閲覧を控えられる事とお薦めします。
【作業日時】
・平成26年2月1日14時00分~2月2日18時00分



内容
・HONDA製の小型バイク(モンキーやXR100モタード及びドリーム50)などに搭載しているジェネレーター(ミツバ製6極タイプ)の強化(最適化)に関し、前回の検証に引き続き、今回は、ジェネレーター強化を施した電源回路を中心に、純正回路と比較検討した経緯を元に説明したいと思います。

*.対象車両=HONDA ドリーム50


電源回路について

・純正の電源回路

*純正は、車体の配線や組み立てエ数の簡略化のため、発電コイルの一部分にAC系とDC系が共用しています。
 (使用しているエナメル線「マグネットワイヤ―」の太さは1.0mmΦです)


純正のジェネレーターの電力は?

1.純正の使用できる容量は?

 ・純正のジェネレーターで使用できる電力は、エナメル線に流れる電流と、負荷へ供給している電圧で計算されます。
 また、エナメル線「マグネットワイヤー」に流せる電流値には上限があり、エナメル線の断面積に比例し、流せる電流容量も増加します。
 この純正に使用されているエナメル線(マグネットワイヤー)の太さは「1.0mmΦ」で、最大電流は6.0Aとなります。

 *電力総容量=72Wです。(電圧を12Vで計算)


2.AC系の使用できる電力は?

 ・AC系で供給しているヘッドライトのバルブについて、エナメル線の太さによる電流容量は最大6.0Aで、ヘッドライトだけでしたら72Wまでのバルブが使用できることになります。
 ですが、他の設備(DC系の設備やテールランプなど)にも、同一のコイルから供給していますので、合計で6.0Aまでの電流しか対応できません。
 そこで、DC系の設備も供給する関係上、一般的には30W以下のヘッドライトのバルブの容量となります。

 *AC系の容量=30W・負荷電流2.5A


3.DC系の使用できる電力は?

 ・上記のAC系で30Wのヘッドライトのバルブを使用すると、計算の結果、残りの容量で42W分使用できる容量となるはずですが、整流回路(AC/DCレギュレーター)内部の「半波整流」の回路の関係で、半分の約21W程度の電力容量となります。

 *DC系の容量=20W/4000rpm以上


 ※DC系とAC系の使用できる電力の合計は、50W分の電力量(4000rpm以上)となります。
 これでは、当初の考えで、ヘッドライト60W及びグリップヒーターの使用ができない事となります。
 (ヘッドライトのバルブの容量を増やせば、その分DC系の容量が減少するため)


電力の利用状況を最適化し発電電力の利用効率を高めるには!

*発電容量と負荷の形態を整合させるのと、発電容量の最適化が必要です。


1.負荷形態の種類分けについて

 ・負荷の形態については、負荷の利用状態とその目的によって、電圧変動等や、エンジンの使用回転数の許容範囲にバラツキがあります。
 まずは、各使用形態の種類分けをしたいと思います。

1.AC系で使用できるもの

  ・ヘッドライト =60w
  ・テールランプ= 5w
  ・計器ランプ = 4w
  ・ブレーキランプ=12W

 *上記のもので、ヘッドライト以外はLED化できます。省電力化のため、ヘッドライト以外のものをDC系に変更します。
 また、実用回転数で負荷と発電容量を100%にもっていく事で発電容量に対し負荷の効率を高め、ジェネレーターの極の余剰分をDC系に振り分けることで分離独立としたいと思います。


 *AC系の負荷=ヘッドライトバルブ60W単体のみ


2.ジェネレーターの1極あたりの発電容量は

 *1極あたり=20W(4000rpm以上

 (測定の値につきましては、「ジェネレーターの電力調査」を参照ください)

 ・なお、ヘッドライトが60Wなので、丁度3極で100%の負荷であるのが確認されました。
 (上記の負荷形態の種類分けのとおり、ヘッドライト以外の負荷をLED化し、DC系へ振り分けます)


3.上記を元にDC系の容量を計算

 *DC系の容量=残りの極は2極です。「40W(4000rpm以上」となります。


4.エナメル線「マグネットワイヤー」の巻き回数による発生電圧は?

 *巻き回数に対する発生電圧は=50回/3.0V(2000rpm)となります。


5.アイドリング回転数付近での必要電圧は?

 *2000rpm時に必要な電圧は12V以上なので、巻き回数は200回以上必要となります。


6.エナメル線「マグネットワイヤー」の太さに対し流せる電流値は?

 ・1.0mmΦ=6A
 ・0.8mmΦ=4A 


7.各系統の極に巻き付ける事のできる巻き回数は

 ・AC系3極=240回巻き(1極あたり 80回・1.0mmΦ)
 ・DC系2極=200回巻き(1極あたり100回・0.8mmΦ)


8.上記の系統での発電容量は?

 ・AC系3極=240回巻き・60w/4000rpm以上)
 ・DC系2極=200回巻き・40w/5000rpm以上)

使用できる発電合計容量は100W/5000rpm以上 

 *測定値につきましては、「ジェネレーターの電力調査」を参照ください。

 ・これで、当初の目的である60Wのヘッドライトのバルブやグリップヒーターの採用に目処がたちました。


9.DC系の変換効率を上げるには?

 ・全波整流タイプのDCレギュレーターを使用する。

 (ご注意)
 ・全波整流のDCレギュレーターは、負荷容量とジェネレーターの発電容量に近い容量(直近上位)のものをお勧めします。
 (大き過ぎる容量のものは変換効率が悪く、無負荷時の電圧降下が多いため、効率の良い適正な容量のDCレギュレーターをご使用ください)

 *お勧めのDCレギュレーター
 ・HONDA・XR650R用DCレギュレーター = 部品番号「31600-MBN-651」

 (採用にあたってのご注意)
 *.このDCレギュレーターは、変換効率が高い反面、ジェネレーターが発電されなくなると、バッテリーからの逆充電によりレギュレーターが動作状態となって、バッテリーの電力が消費されてバッテリー上がりの原因となります。
 エンジン停止後イグニッションキーを「OFF」にした時には、バッテリーから切り離す回路を組み込む必要があります。
 (下記の回路は、対策を施しております)


上記を元に個別に回路を設計

 ・改善を施した電源回路

 (ジェネレーターの電源迄の回路を記載しました)

 *.この回路は、純正の回路へ置き換える事ができます。


【当回路の発電容量】

・AC系の発電容量

*ジェネレーター単体の発電容量(W)・抵抗負荷負荷にて測定(レギュレーター未接続)


・DC系の発電容量

*ジェネレーター単体の発電容量(W)・抵抗負荷負荷にて測定(レギュレーター未接続)




 ①.バッテリーレス車は、バッテリー搭載への変更をお勧めします。
 ②.テールランプ類は「LED化」への変更をお勧めします。

※本日は時間の関係でここまでとします。続きは後日追記予定です。

関連の作業について

・この作業を含む他、ジェネレーター強化を行った内容については、mixiページの「Mt.Bambooの作業場」に記載しました。

URL= http://page.mixi.jp/view_page.pl?page_id=258096

  ・題名「ジェネレーター強化の作り方」です。

  *強化のしかたを目的にあわせ掲載しております。



【加筆修正履歴】

・平成26年2月17日=一部加筆しました。
・平成26年2月17日=一部加筆修正しました。
・平成26年2月18日=「DC系の変換効率を上げるには?」以降に一部加筆修正しました。
・平成26年2月28日=関連のさぎょうについての項目を加筆しました。
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Posted at 2014/02/16 21:32:02

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