
【作業日時】
・平成23年10月
【作業内容】
・フロントスピーカーの取り付け
【目的】
ホームオーディオなど、音楽を聴くのが楽しみな吾輩にとって、車での移動中でも音楽を楽しみたいよね!って事で、車を購入してから常々思考を張り巡らしていましたので、この度取り付ける事にしました。
また、どうせ付けるのであるならば、ホームオーディオ並に「好・音・質」にしてみたく、取り付けるスピーカーもそれなりの物にしたいと思います。
(取り付けるスピーカーたち)
①.ツイーター
*テクニクス製「SB−M1000」用の25mmΦドーム型ツイーター
1.周波数特性 1,500〜100,000Hz(予想)
2.定格出力 60W(予想)
3.インピーダンス 6Ω
②.ミッドレンジ(スコーカー)
*DYNAUDIO製「MD140」7.6cmミッドレンジスピーカー
1.周波数特性 700〜6,000Hz
2.定格出力 100W
3.インピーダンス 8Ω
③.ウーファー
*DYNAYDIO製「MW160」16cmウーファー
1.周波数特性 40〜4,000Hz
2.定格出力 120W
3.インピーダンス 4Ω
④.パッシブネットワーク
*DYNAUDIO製「Esotec362」3ウェイ用パッシブネットワーク
1.クロスポイント周波数・900Hz・3500Hz
⑤.スピーカーケーブル
*オルトフォン製「SKP−3100・SILVER」
【作業開始】
1.先ずは、定番のフロントドア内部のデッドニングから始めます
ドアの内張をはぎ取って、ドアの内側の穴の開いたフレームからドアの外装鋼板へ制震材や吸収音材などを施工します・
2.ドアの内側の穴の開いたフレームから音圧が内張に伝わらないよう、鉛で出来ている制震材で穴を塞ぎます。
3.ウーファーを取り付けるために内側のフレームからコンパネで筒状の土台を立ち上げます。
4.ウーファーやミッドレンジ及びツイーターのバッフルボードを作成します。
5.スピーカーを取り付けてドアの方は完成です。
6.各スピーカーへ向けて配線を行います。
*今回は「DYNAUDIO製のパッシブネットワーク」を使用しましたが、聴感後改めてパッシブネットワークを作成します。
◎ツイーターは他社のスピーカーを使用しましたので、パッシブネットワークの制定を部品を交換して変更しました。
【感想】
・ツイーターについて
これは、テクニクス製のホームオーディオ用のスピーカーで、振動板は自社製の「カーボングラファイト」となるもので、軽さ・内部損失・強度などを突き詰めて作成されており、周波数特性の上限は、振動板がドーム型を採用しているにも関わらず何と「100kHz」を達成しています。
また、ホームオーディオに使用しているスピーカーは、設置スペースに制限がありませんので、磁気回路の余裕度が違います!
磁気回路は、普通のフェライト系の磁石ですが、磁石の大きさが違いますので、車用のネオジウム系より良好と思われます。
音色的には、強力な磁気回路に支えられた超軽量な振動板と相まって、音に一切の濁りや歪みが無く聞こえます。
まるで『光の一切届かない深海の中を、目の前に現れた音符へ手を触る感覚』と申しましょうか!
シンバルの打撃音で、最初の一発目から形が克明に見えるようです。
・ミッドレンジについて
これは、DYNAUDIO製の7.6cmソフトドームミッドレンジスピーカーで、カーオーディオ用に作られています。
振動板の形状が突起状のドーム形状で、音の拡散性が良く車内の音像の定位には不向きですが、元もと、車などの内装は起伏形状であるのと、各スピーカーとの距離が不均一なため、音像的に良くない環境です。
そこで、音像的に突き詰めにくい状況なので、ある程度のステレオ感を配慮した上で、リスニングポイントに幅を持たせる事で音楽の中に身を置くように考えました。
元もと、タイムアライメントなど、シビアに音像を突き詰める事は考えていませんので、
『車内の空間を音が漂うように聞きたかった』思いがありました。
音色的には、上質な絹糸で紡がれた生地で頬を撫でる感覚と申しましょうか!自分好みになりました。
・ウーファーについて
これは、DYNAYDIO製「MW160」16cmウーファーで、ミッドレンジと同じく、音像や音色的に統一感を出したかった思いがありましたので採用しました。
また、音色的にはタイトな反応ではありませんが、濁りのない響きを聞くことができます。
・DYNAUDIO製パッシブネットワークについて
これにつきましては、スピーカーのインストール状況や室内空間及びスピーカーの角度、その他、に影響されますので、一概に説明が出来ません。
そこで、聴感上の音場や音の出方などを考慮し、パッシブネットワークの作成へ活かしたいと思います。
1.ツイーターの鳴り方
これは、部品を交換前のノーマルで聞いたときは、ツイーターのエネルギー変換効率が良すぎるため、内蔵のアッテネーターでは音量レベルが下がりませんでした。
そこで、抵抗を追加しレベルを下げた時には女性ボーカルの上側でクロスしていて、もう少しクロス周波数を上げても良いかな!と思いました。
*パッシブネットワークを作成する場合はカットオフ周波数の減衰特性を大きく(+4db程度追加)へ変更(現在は、ツイーターへ対応するために部品を変更済み)
仕様で良いと思いました。
2.ミッドレンジの鳴り方
これは、回路を調べましたら、出力を反転されていて逆位相になっていました。
そこで、オール正相が自分の好みですので、正相にて確認します。
音量レベル的に2000Hz〜3500Hzが高めに出ているようで、ツイーターのクロス周波数と重なる部分が、互いに助長しあって音圧が上昇していると思われます。
(正相へ変更したのが影響しているものと思われます)
また、2000Hz以下の領域は2000Hz以上と比べてレベルが低く聞こえます。
これは、男性ボーカル帯域が絡んでいますので、あまり出力レベルを上げると振動板の構造的な音の出方が影響して、音質的に「サラサラし過ぎる」ように聞こえるため、クロスポイント周波数付近の音量レベル的にはこのままで丁度良いかと思います。
*上側のクロスポイント周波数付近のカットオフ周波数を現行より増してクロス付近のピークを抑えるよう、パッシブネットワークを作成する際には考慮することにしましょう。
3.ウーファーについて
先ずは、「オッシレーター(発信器)」にて音量レベルを測定したところ、150〜190Hz付近にピークが出ました。
これは、ウーファーの内部インピーダンスが共振したものと思われます。
その影響でしょうか、曲によってはちょっと出すぎにより引っ掛かるように思いました。
また、クロスポイント周波数付近(900Hz)聴感上は400Hz以上の音量が不足していると思われます。
男性ボーカル帯域の下側が出ていないように聞こえていて、力強さに欠ける「サラサラし過ぎる」ように聞こえます。
*パッシブネットワークを作成する場合は以上の項目を考えて、カットオフ周波数の変更や共振しないようなキャンセリングが必要ですね!
【今後の対応】
上記の項目を考慮したパッシブネットワークを作成し、聴感上の帯域をフラットにする(実際は微妙な振幅を伴った波の変化)が良いでしょう!