
【作業日時】
・平成27年3月10~3月14日
【作業内容】
・ジェネレーター強化PART2
(ジェネレーター本体の改善)
【作業の経緯】
HONDA・Biksと言う雑誌でCRF450Baja仕様を見しました。
いかにもナイトランで光高と明るくなるであろう「デュアルヘッドライト」の形体を見て、私のXRも「Bajaのデュアルヘッドライト仕様」に出来ないか!と思うようになりました。
そこで、デュアルヘッドライト化の形体だけ真似ても、暗かったら寂しすぎますので、ライトのバルブをH4型「55/60W型のバルブ」を各ヘッドライトに装着すれば明るくなるよね!って事で、ジェネレーターの仕様を調べて見ました。
①.CRF450のSTD仕様は(80W)の発電量でした。
②.CRF450Bajaは特殊仕様で発電能力が(200W)となっていました。
なるほど!STD仕様はヘッドライト系を除いた容量なので、単純に計算してもヘッドライト系に120W分の容量が使用できます。
デュアルヘッド化での1灯あたりは6OWの容量なので、H4型55/60Wのハロゲン電球も使用できる容量ですし、電源事情を整えればHID球にも対応できそうです。
よって、Baja仕様と同様の発電容量に強化すれば可能である事に行き着きました。
尚、純正のジェネレーターの巻き替えでは、とても200Wもの発電能力は達成できない
※(純正のジェネレーターは常用回転数3000rpm時で約140W程度の発電量)
また、アメリカなどの社外製の物では再度極への巻き付ける形体には不向きのため新たに巻き付け形状に適した極を選択し極の加工からやり直し、作成することにしました。
※当ジェネレーターと同じ形状で使用している車体「XR600R・XR400R等」は同様な強化が可能です。
【加工する極の選択】
・GB400のジェネレーター
※極の(外径寸法・内径寸法・ボルトの穴の位置)が同じ物です。
・高さの状況
※高さを調べると、純正の形体より座面から「5.0mm」余分に高さがあります。
・このままでは高さの関係でフライホイール内に干渉しますので、極の鉄心を間引き高さの調整をします。
・間引いた鉄心
※極を半分に割って6枚取り除きます。
・間引いた極
※鉄心の残りは11枚で、純正の6枚よりは約2倍の磁路面積があります。
・貼り合わせた極
※エポキシ樹脂にて貼り合わせます。
・寸法を確認するために高さのサイズを測ります。
※純正と同じ高さ(ケースカバーの縁からの高さ13.0mm)が確認できました。
・エキサイターコイルを巻き付けます。
※エキサイターコイルは「エナメル線0.15~0.2mmΦ」を約5000回巻き付けますので、機械にて極を回すようにしました。
・エナメル線を巻き付けるためのワイヤーガイドの工具を作成
※送り出しのワイヤーに「曲げR角」のストレスを与えないよう「1mmΦ」のステンレスチューブにてノズルを付けました。
・巻き付け状況
※エナメル線は髪の毛並の細さのため、細心の注意を計り巻き付けます。
・エキサイターコイルを巻きました。
※傷を付け難くするために、テーピングします。
【ライト系やDC12V系への給電方法の選定】
・ライト系について
ライト系への給電方法は、ヘッドライト1個あたり1相ずつの「単相仕様」としました。
・DC12V系について
DC12V系は、「単相仕様」で給電する方法にしました。
よって、合計で、「単相仕様」を3組としました。
尚、各相あたりの配分については、「1相あたり5極」を割り当てる事にしました。
・ライト系やDC12V系用のコイルを巻き付けます。
※先ずは、ライト系用に1.0mmΦのエナメル線を単相仕様で5極分巻き付けます。
・極を巻き付けました。
※今回は、エナメル線を1.0mmΦを使用してみました。5極で200回巻きでした。
(今回は、発電能力を調査するために、このまま配線をして仕上げます)
・引き出し線を配線します。
※配線を付けて一応完成です。
・ジェネレーターを車体に取付け発電能力を測定します。
・測定装置 HIOKI 3334 AC/DCパワーハイテスター
※電力の調査用で詳細な測定ができます。
(交流/直流で、電圧・電流・実効値・力率・有効電力・無効電力・周波数・積算電力などの測定ができます)
※もちろん・校正試験「トレサビリティー」も適用できます。
【電力調査の結果】
①.1組・単相5極で「1.0mmΦ200回巻き」の電力特性
・2000rpm = 41W(3組合計で123w)
・3000rpm = 60W(3組合計で180w)
・4000rpm = 80W(3組合計で240w)
※ACレギュレーター使用時の「H4型「55/60W型のバルブ」を取付ての消費電力調査です。
(3000rpmも回っていれば、H4型「55/60W」で100%の明るさとなりますので、使用が十分であるのが確認できました)
②.3組合計での総合出力は?
・常用回転数3000~4000rpmでは約200Wもの電力を確認。
当初のCRF450Baja仕様と同等の電力が確認できました。
後は、DC12V系等で使用する際の単相用DCレギュレーターでの電圧などのマッチングを計るため、エナメル線の太さや巻き数を選定する必要があります。
【その後】
①.レギュレーターとのマッチングを計るため、エナメル線を巻き替えました。
※.単相5極(0.8mmΦ・320回巻き)DCレギュレーター以降の出力電力
・2000rpm=60W「3組合計180W」
・3000rpm=70W「3組合計210W」
・4000rpm=80W「3組合計240W」
◎マッチングを計った結果、低回転時で出力電力が改善しました。
実用回転域3000rpmで200Wは確保出来ましたし、各ヘッドライトへ1相(1組)ずつ直接供給させても実用に耐えうる電力容量が確保できました。
※これで、ヘッドライトヘのH4型55/60Wの2灯仕様や、HID化への対応もできると思います。
【加筆・変更履歴】
・平成27年5月8日=その後の項目を追加しました。