
火曜日にデビューしたばかりの新型インプレッサを
あいぽろさんと見に行ってきました。
レガシィB4に乗る私ですが、実は旧型のSTIにはかなり強く惹かれた事があり、
やはり同じスバル車に乗る者としてはインプレッサは気になる存在です。
ディーラーへ行くと赤と白のNAモデル、そしてお馴染みWRブルーのターボモデルの試乗車が用意されていました。
「通」ならここでNAモデルを選択して「素」のモデルの出来をチェックするのでしょうが、
私にとってインプの大本命はSTIなので、少しでもそれに近いモデルを、ということで
ターボの「S-GTスポーツパッケージ」の試乗車を選択。
ドラポジ合わせ。ステアリングにテレスコピックがちゃんと付いているのがありがたいです。
インパネの雰囲気は先代から比較してかなり洗練された印象。
しかし、質感自体はレガシィには及ばない印象。
車格がレガシィの方が上なので当然といえば当然なのですけどね。
S-GTのメーターパネルは大型のタコメーターをセンターにドカンと配置した
「いかにも」なレイアウトです。
スピードメーターとタコメーターが同サイズで並列のレガシィに慣れているので
若干違和感がありましたが、あくまでも慣れの問題でしょう。
エンジンスタート。なかなか静か。でもボクサーらしい独特のサウンドです。
5MTのクラッチは軽く扱いやすい設定。
250psのEJ20ターボはさすがにパワーがあり、
2500rpm付近からトルク感が盛り上がってきます。
ボトムエンドのトルクもそこそこで、発進にてこずることはあまりないはず。
低回転から少し強めに踏み込んでいくと、やはりある回転域を境に
ブーストが立ち上がって加速の力強さがグワっと増します。
この段つき感のあるターボの特性は私のB4も似たようなもので、
嫌いではないのですが今どきのエンジンとしてはいささか古典的なフィールかな、と。
最近の欧州生まれのターボ車が軒並み低回転から段つき無しのスムーズな乗り味を実現しているのと比べると
ちょっと古臭い印象は否めない気も。
もっとも欧州の連中は直噴という武器を持っているのでフェアな比較ではないかも知れませんが。
乗り心地はスポーツモデルの割にはゴツゴツ感もなく、なかなか良好です。
ハンドリングを云々できるほどしっかり走り込んだわけではないので
あくまでもちょい乗りの印象ですが、ノーズの入りは悪くない印象です。
アルミの価格高騰のためボンネットはスチール製になっているとのことでしたが、
その割にはノーズの重さをあまり感じさせませんでした。
気になったのはステアリングが少々軽すぎるというか、
ステアリングを切ってその状態を保つような状態での手応えが甘いこと。
それと、走っていてどうも釈然としなかったのは、各部の剛性感が今ひとつに感じられたこと。
軽いボディ補強やブレーキホース強化を行っている
自分の車と比較するのはアンフェアといえばそれまでですが、
例えばボディそのものにしてもそうですし、ブレーキペダルのタッチ、
ステアリングの取り付けなどなど、思ったほどガッチリ感がないです。
あくまでも剛性「感」なので実際はどうなのか分かりませんし
先代インプはSTI以外乗ったことがないので直接比較はできないのですが、
その先代STIが持っていた鬼のような剛性感の片鱗はあまり感じられず。
ボディに関して言えば、先代のセダンに比べて今回は5ドアHBということで
開口部が大きくなっているので剛性面では不利なのではないかという懸念もあります。
これまでハッチバックだったホンダ・シビックタイプRが今回セダンボディを選択した理由のひとつに
ハッチバックよりボディ剛性の面で有利だということが挙げられており、
WRCでの戦闘力向上のためにリアオーバーハングを削るためにセダンを捨て5ドアHBを選択したインプレッサと
面白い対比が生まれています。
確かにWRカーはボディ内部をほぼ丸ごと設計し直せるようなので、
ベースとなる車の剛性そのものよりはむしろボディ形状が問題なのかもしれませんが…。
いずれにしても、秋に出るといわれているSTIがやはり本命ということに変わりはありませんね。
今のS-GTではちょっと食指が動かない感じです。
あと覚えている限りで、良かったのはドアミラーが大きくて見やすいこと。
気になったのは斜め後方の視界がちょっと良くないこと。
ディーラーに戻って、車の内外を観察。
今回ボディ形状を5ドアHB一本に絞ったことも含めて賛否両論分かれているエクステリアデザインですが、
個人的にはなかなか良いと思いました。
写真で見たときよりも実車の方がよりカッコよく見えます。
特に斜め後方からの見た目は好きです。
切り詰めたリアオーバーハングと広げられたトレッドの相乗効果で踏ん張り感があり、
スポーツパッケージのリアバンパースカートが付くことでよりその印象が強調されます。
ボディサイドの面の抑揚もなかなか凝った造形。
「マツダ・アクセラに似てる」なんて声も聞かれますが、
個人的にはサイドのプレスラインの入れ方などは最近のBMWに通じるものがあるように思いました。
一方でフロントは、やはりスバル車の宿命でオーバーハングが長いのがネック。
とはいえ制約がある中では頑張っていると思います。
レガシィとだいぶ共通のイメージを持った顔つきになったという印象。
室内は十分な広さ。リアオーバーハングを短縮した割にはラゲッジスペースも
5ドアHBとして十分に使える大きさを確保してると思います。
あと使い勝手の面で羨ましいのはボンネットにダンパーが付いたことですね。
ここで担当のセールスの方から気になる情報。
私はてっきりS-GTが従来の「WRX」に相当するグレードだと思っていたのですが、
セールス氏によれば秋にSTIと一緒にWRXも追加されるというのです。
話の内容から察するに、STIと同じような外見で250psの仕様がWRXになる?
そうなるとS-GTの立場が微妙なような…。
WRXを別に出すのであればS-GTは220ps程度の
マイルドな特性のターボを載せるってのもアリだったんじゃないかと思うんですが…。
いずれにしても秋に出るSTIに注目です。