
前回からずいぶん間が空いてしまいましたが、
そんなわけでうちの父が買ってしまいました、
日産R35GT-R。
まさか買うとは…。
仕様はブラックエディション、ボディカラーは写真の通り黒。
大柄なR35のボディを引き締めて見せてくれる感じでなかなか良いと思うのですがどうでしょう。
汚れは間違いなく目立ちますが(←現在進行形で経験中)。
さて、実家にいる間1000km弱乗り回してみた感想をぼちぼち述べてみたいと思います。
今回は「ここがすごい編」ということでGT-Rの感心したポイントなど。
・エンジン
480psと60kgmを発生するVR38DETT型3.8リッターV6ツインターボエンジンは
ついついそのスペックに目が行きがちですが、
フィールも素晴らしいエンジンです。
V型エンジンにありがちなビート感を全く感じさせず、
目の詰んだスムーズな回転フィール。まるでモーターのごとし。
BMWの直6のようなエモーショナルなサウンドや盛り上がりこそないものの、
組み立て精度の高さが窺えます。
ちなみに納車時のディーラーの説明では慣らし不要との事だったので
500kmを超えたあたりからぶん回していたのですが、
その後GT-Rを特集したムック本を読んだところ「2000kmは慣らすべし」との一文が…。
ここはエボ8のエンジンを組んでもらった某有名チューニングショップの
「どのみち完成後に一度レブリミットまで回しているし
少し丁寧に扱う程度で十分」という証言を信じることにします(笑)
実際、回すようになってからフィールが悪化したということもなく、
むしろ納車直後のバリが残ったような感じや硬さが取れてきてどんどんフィールが軽くなったので
よほどのこだわりがある人でもなければそこまで神経質になる必要もなさそうですが…。
ただ逆に言うと最低でも500kmくらいは慣らした方がいいですね。
出荷前にテスト走行をしている(ちなみにうちの車の納車時の距離は30km強でした)
といっても納車の時点ではまだ各部が馴染みきっていないようで、
どこか硬さや渋みが取りきれていない感じです。
これは後述の足回りについても同様。
パワー&トルクのすごさは説明の必要もないでしょう(笑)
最近のターボエンジンらしくほぼ全域でフラットにトルクを発生します。
レスポンスも基本的にはいいので乗りやすいです。
・剛性
ボディからステアリングやペダルの取り付けに至るまで剛性感たっぷりです。
高速クルージングでダンパーを最もハードなRモードに設定するとフラットな乗り心地が得られますが、
その見事なダンピングを見せる乗り心地もこのボディあってこそのものでしょう。
・シャシー
まず感じるのはスタビリティの高さ。
しかしながら安定一辺倒でドライバーの操作に対してダルかったり
何をしても曲がってくれて誰が乗っても同じような車なのかといえばそうではありません。
むしろ僅かなアクセルの踏み加減の差でも車の鼻先の向きが変わり、
荷重移動やアクセルコントロールなどといった基本的なことを
きっちり行ったときはきれいに曲がってくれ、
それらをサボったり失敗すればイマイチふやけたコーナリングになったりと
(もちろん限界が高いうえにVDCがあるので最終的には車がある程度助けてくれます)
スポーツカーらしくドライバーがコントロールを楽しむ余地がしっかり残されています。
AYCで鼻先を強引にインに引き込み、まるでレールに乗っているかのように曲がる
ランエボよりもよほど(いい意味で)古典的でナチュラルなコントロール性を持っています。
しかもコーナリングスピードは抜群に速い。
マルチファンクションメーターの横Gモニターで瞬間的に1Gを記録するのは簡単です。
ロールは量も少なくスピードもよくチェックされていて不安感は皆無。
1.7トンの巨体であれだけのコーナリングが可能なのは
半ばSタイヤのようなパターンを持つポテンザRE070Rの力も大きいのでしょうが、
やはりそのグリップ力をいかなる時も最大限に発揮できるシャシーの基本性能あってこそでしょう。
個人的にR35のすごさを思い知るもう一つのシーンは車線変更です。
高速での車線変更は一種のコーナリングだ、という話もありますが、
GT-Rはこれをまさしく「水平移動」でこなします。
ステアリングを切れば即座にヨーが発生し、戻せば即座に収束。
ロールについても同じようなことが言えます。
ドライバーの操作からボディが動くまでの間にタイムラグがない。
「戻し」の操作をした時にボディのムダな動きがまるで残らないのです。
こう書くとガチガチの足回りと超クイックなステアリングを持った車のようですが、
実際のところは硬いながらもよく動くサスによるフラットな乗り心地と
自然なレスポンスのステアリングで快適です。
父がR35の購入を決意したのは、高速道路で父のGTIをブチ抜いていったR35の
車線変更時のそれまでに見たことのないような動きに
ショックを受けたからだと言っていましたが、分かる気がします。
長くなったので一旦ここで切ることにします。
次回は気長にお待ちください(笑)