2024年11月24日
この所、全く新しい方からの問い合わせがある。主に他の添加剤の愛好家のようにも思うが、幸い試しにTLのGA-01を使って頂いて効果がはっきり感じられたことからか、色々技術的な事を問い合わせて来られる。
できる限り説明を差し上げているのだが、一番の誤解が、やはりPEAは同じものだと思っているようで、スターターの分子構造+アルキレンオキサイドの種類、アミン化の反応方法や工程、反応率他、コストダウンの為にポリエーテルの安いモノで希釈したりと、世の中にはだいたい5種類以上燃料添加剤に使われている。さらに、メーカーによっては、界面活性剤を加えたりと様々なものがある。最近の話題は、この界面活性剤であるが、これを使う必要がある根本は、水溶性デポジットが落としにくいことから使うのだが、これを使うと、デポジット中のCaCo3を燃焼室内部に飛び散らせてしまい、熱でCaOとなったものと水分が反応LSPIが発生しエンジンにダメージを与えるケースがある。その為、TLでは全く異なる対応で処理している。これは、それこそ企業秘密だし、同時にLSPI抑制の為、特殊処理を加えている。まあ、この辺りまで、説明してもさほど意味は無く、どちらにしろ安く作りたい場合には、仮面活性技術も使い方次第。
だが、一番納得してもらえないのが、PEAは、燃え難いと信じ込んでいる方が実に多い。これは何を持って燃え難いかと言う表現であるが、これはハイオクなどや一部のガソリン添加剤に含まれるPIB-Aが燃え難いと言うより、カーボン化してしやすいものと、何処かの誰かさんが間違って2000年前半の頃に書き込まれたのが始まりだったと思う。PIB=高分子炭化水素であり、オイルと同じ。それ自体はネバネバしたものである。これにガスバーナーの火を当てると直ぐに炭化してしまう。これに対してPEは、エーテル結合C-O-Cの構造を持つから、酸素含有ポリマー故基本的に燃えてカーボン化しない。それゆえ、何を持って燃え難いと言うのか?もちろんガソリンに比べたら燃え難いだろう。だが、ある一定温度になると、分解して燃えてしまう。これこそがPEAの優れた点であり、もう少し化学の勉強をされることをお勧めしたい。例えば、ガソリンを加熱しながらバーナーを当てて行くと、カーボン状のデポジットが残る。ガソリンて燃えやすいにはずでは?となる。
安いPEAは、直ぐに分解し燃えてしまうから、デポジットを溶かす前に燃えるので性能が悪い。そこで高分子化して何とかしようとするが、バランスが必要。だったら、どう分子設計するか?つまり熱安定性・分解温度をどの様にコントロールするかというのが、設計ポイントで、日本国内で、この辺りの研究をしたり知見を持ち、更なる研究を続けているのはTLぐらいである。ネットで最強のガソリン清浄剤と言われるのには、それなりの理由があるが、それ自体を企業は一般の方にオープンに等するはずもない。せめて基礎的なこと位は理解してネットに上げないと、間違った知識が植え込まれた人たちがかわいそうである。
ネットへの書き込み自他、趣味の範囲と技術の範囲を弁えた上でのうんちくこそが求められると思う。簡単い言えば、単なる清浄剤と言っても、プロの世界はあるのだが、色々なブランドを付けて一般に販売している企業自体が本当の事を知らないのだから、起こりうる事。間違った情報は、正すのがプロの役目だと思い触れる事にした。
Posted at 2024/11/24 20:41:40 | |
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技術 | 日記