2022年12月23日
EV充電器設置を考えている分譲マンション居住者の方の参考になればと思い書きました。長文なので興味や必要のない方はスルーして下さい。
概要は当方の自宅は都内の小規模分譲マンションになり、駐車スペースは平置きの並列2台分のみで、その2台が使えるよう後方の中間に3kWh200Vのコンセントタイプ普通充電器を設置した顛末です。
事の始まりは2021年6月、その頃EVに多少は興味があったものの不便だろうと言う思いの方が強い中、ちょうどF-PACEの車検だったのでその代車にI-PACEを1週間出してもらいそこでEVを体験し改めて不便さを再認識して諦め前提でお借りました。当然ながら当方のマンションにはEV充電器はありませんでしたが、調べると近所に区の無料で充電できる急速充電器があったのでそこで1回、400km程の1泊2日の旅行で途中の急速充電で1回、宿でも急速充電2回ほどしたり、某外国車ディーラーで1回と全く不便さも無く、しかもあの加速や静寂さ、意外と無料で充電できるスポットが多い等、逆に気に入ってしまいました。
とは言えすぐには箱替えの決断は出来ず、8月に当方マンションの管理組合の理事をしていましたのでとりあえず理事会にEV充電器設置を提案し国や都からの補助金を活用することを前提に検討開始、そして結局10月にI-PACEに箱替えし野良充電生活が始まりました。
当方居住地域には無料の急速充電器が数か所あり充電にそれ程不便さは感じてなかったものの、やはり寝てる間に充電って言うのが一番効率的なので一刻も早くEV充電器をマンションに設置したいと思い当方が主導して業者を調べたりし管理会社に見積もりを取ってもらいました。
現地調査の上、ケーブル付き普通充電器本体200V3kWh・課金装置・工事費の見積もり
A社 150万(組合負担50万)
B社 130万(組合負担30万)
両社とも壁に穴を開けて配線する工事が必要と言う判断でした。
かなり高額だし、壁に穴?と思い更に調べて
C社 80万(組合負担8万)
国と都の補助金で80万全額賄われ組合負担はその消費税分のみ8万円程度、しかも壁に穴を開ける必要が無く天井裏に配線出来、分電盤からの距離も近いので非常に条件が良く安く工事できるとの事でした。A・B社は壁に穴開ける工事が必要で高額な見積もりでしたが、実際は穴開けずしかも配線の距離も近く安価に出来る訳で、見積もりや施工方法は納得いくまで取った方が良いと思います。
2022年3月の理事会でC社の組合負担8万程度ならと言う事で理事会通過、6月の総会を迎えました。当方マンションは駐車スペース2台分で、しかも当方が引っ越して来るまで1台分は1年以上ほど空いていたくらい車を必要とする人が居ないマンションでしたので、
・例え組合負担8万程でもたった2台の為に支払うのは勿体ない
・EVがそれ程普及してないのでまだ早い
・待てばもっと性能の良い充電器が出るのでは
等の反対意見が数人から出ましたが、
・組合負担8万も受益者負担で充電にかかるコストに上乗せして使用者に請求でいずれ元も取れ以降は組合の収益にもなる
・駐車場代も組合の大きな収入源で顧客が求めるなら顧客サービスとして設置した方が良い
・国や都からの補助金で設置費の大半が賄える内に設置した方が良い
・近隣を見ても充電器設置しているマンションは皆無なので充電器設置によりマンション全体の価値向上になる
・駐車場の募集する際、充電器があることが訴求ポイントになる
等の意見で全区分所有者の2/3以上の賛成で最終的に決定になり、早速補助金の申請をしようとしたところ、都の補助金の発表がされていなく申請保留となります。
そんな中、課金装置に月額料金1500円と、毎回の充電代の10%の手数料がかかることに引っ掛かりり、組合負担0円で充電器設置でき尚且つ毎月の手数料が要らないD社に問い合わせました。ここで課金装置の仕組みですが、各使用者がスマホアプリに登録し、充電予約やクレジットカードを通して支払いが出来、そして課金装置の会社が充電使用料を集金して、1年に1回手数料を引いた金額を組合に戻すと言うものです。確かにD社は初期費用は一切かからず充電器設置されますが、200V3kWhの充電代が1時間200円と結構高額な事、また充電器本体の所有権はD社になり組合は場所を貸すだけになり、もし仮にD社が倒産などした場合、充電器の所有権は債権者に移る等の問題があり却下になりました。
そうこうしてる内に都からの補助金の概要も発表されすぐに申請すれば良かったのですが、理事会でもたつきあっという間に9月になり国の補助金の申請が9月末と言う事もあり、C社を通じて9/22に申請する準備をしていたところ、何と9/20に国の補助金が予算に到達し前倒しで締め切りになってしまいました。となると都の補助金のみで申請になりますが、その場合組合負担が倍の16万になると言う事で、仕方なくケーブル付き充電器をケーブル無しのコンセントタイプにダウングレードすることに、その結果組合負担も6万まで下がりましたが、都内の国の補助金申請に当方マンションのようにあぶれた他マンションが都の補助金に殺到すると言う事で、急いで9/26に申請し、11/30にやっと補助金満額回答の連絡来て、12/15設置工事完了となりました。
肝心の充電代ですが、ホントは1kWh幾らの従量制が良いのですが課金装置が技術的に出来ないらしく、時間制になり1時間110円となりました。これは実際にかかる電気代より3~4割ほど上乗せしての料金になり、この差額で組合負担分を取り戻すことになります。因みに駐車場のお隣さんは内燃車なので、当面は当方1人で受益者負担しなければならずプレッシャー大です(笑)。仮にお隣さんがEVになったとしても2台で1充電器なので問題なく運用できそうです。
と言う事で、提案して設置まで1年4ヶ月かかりましたが、やはり集合住宅は意見のとりまとめに手間取りますし、しかも補助金の期間とかもありもし今期の申請に間に合わなければ来期まで待つ必要があり、とても時間がかかります。また今はまだ過渡期なので補助金も多く出ますが、これが普及し始めると補助金が打ち切られ全額組合負担で設置と言う事も考えられますので、補助金が多く出る内に設置した方が良いかと個人的には思います。とは言え、当方マンションは駐車スペース2台なので紆余曲折あり時間はかかったものの比較的スムーズに進んだ方だと思いますが、駐車台数の多いマンションや機械式の場合とかは色々検討材料が多く既存マンションへの設置はやはり大変だと思います。しかしまずは理事会に提案することが大事で、そして設置によりマンション全体の価値向上になる等メリットを納得してもらえれば実現に近づけるのではないかと思います。
Posted at 2022/12/24 14:58:17 | |
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