散文 137

他愛のない 落書きだらけのトイレだった。




糞詰まりに悩みながら 私は思わず 長居してしまった。





数多ある落書きの中に 秀逸な一文が 目にとまる…。
















「トイレで煙草を吸うな！喫煙所でウンコするぞ！」








もっともと言えば もっとも





何事も場所を わきまえなくてはならない。





「一般道でスピードを出すな！サーキットで徐行してやるぞ！」







こう 置き換えれば 解りやすいだろう。








用が済んで 幸いにも 紙がないというオチはなく




ウォシュレットのボタンを押そうとする




その瞬間 電気のようなものが走った。








落書きの散乱場所に 崇高な一枚の写真。
















彼は 優しい目をしていた………。













貼った人間が 何を意図したのかまでは 解らないが




呆れを通り越して 魅せられたと言うほうが正しい。








声を殺し 腹で笑ったせいか 私は再び便意をもよおした。










おかげで 徐行気味だった便通は 全面開通に至った。






神社の 御札より 御利益があったのです。
















追伸




誤解のないように



エッセは間瀬サーキットで 徐行に見えるかもしれませんが








全開なんです。





エッセに 便秘という文字はなく




むしろ 「逆」





下り気味です…。







目指すは食中毒なみに速く走ること











どうか






ナンベンしてください








失礼…！










カンベンしてください