散文 143

三郎は こう見えて 英語力はゼロ。


英検５級に落ちる実力。




三郎は 板橋区生まれ 板橋区育ち








寿司屋に行くと 頼んでもいないに




カリフォルニアロールが出てくる。





焼肉屋では 滑舌が悪いのも手伝って



ライスを注文すると すかさず アイスが出てくる。








街中で 怪しい黒人に


「Hey brother！」と馴れ馴れしくハグされる。






人を見た目で判断してはいけません と教わってきましたが



ここまでギャップがあると 該当しない気もしてきました。








半ば強引に 良い事を探すと 都合の悪い場面で使う








「ワタシ日本語ワカリマセ〜ン」



という魔法の言葉がある。









夜の峠で 職質にあった時






「ワタシ走り屋デハアリマセン」



この悪質な回答に似ている。







確かにギャップは魅力的です。


イメージどおり 順当という言葉が好かない。


あくまでも意外性に琴線が触れる。






羊の皮を被った狼的な車が 昔から好きで





普段は いたって自然体でありたいと思う。













そんな車には ポリスマンは優しい。




「夜景を観にきたのかい？」






「流れ星を探しにきました。」






「この辺りは スピードを出している車が多いから 気をつけて早く帰りなさいね。」



















「はい！」











ありがたい御言葉を頂いて 一礼し 私は逃げるように帰るのでありました。



弁解するわけではないが



流れ星を探すと言った事だけは 実は嘘ではない。




速く流れる 手練れのヘッドライトを 探していたのだから…











狼少年は 嘘ばかりを重ねて 粛清されましたが









善人の皮を被った狼中年は






どさくさに紛れて本当の事を言う












言わば



















模範囚。












ハーラインの 「星に願いを」が監内に 流れはじめました。

















消灯〜！。