悪魔のエッセのブログ一覧

くたびれたシートに 尻をおさめる



癒しをおぼえるから



不思議な感覚だった。











代車は 美しい。











誰色にも染まらない




その強さ。






メキシコ人は 太平洋を 「記憶のない海」と呼ぶ







代車にも 記憶などない。


特定オーナーの愛情や恩情を



忘れ去り生きてきた。




残念ながら 回し癖の向こう側まで行きつき




調子を 崩した個体も 少なくない。











乗り込むと




前の利用者の 残り香が 鼻をつき



ラジオ音量の 勇ましさに




あわてて ボリュームを下げた。





しかし





そこはかとない生命力は 痛ましいほど 感じとれる。








Anytime





Anyway





いつでも どこでも 走る運命の車。










遠慮なく アクセルを踏まれ





異音とともに唸る カンツォーネは











生きるとは 死ぬことと 悟った レクイエム……





つまり









「鎮魂歌」のように 聞こえてくる。









愛のない扱いを 受け入れる 寛大な










記憶のない海









そう……








代車は










娼婦のように美しい。

この時期 花粉で涙がこぼれますが



半分は 本当の涙です。






追い討ちをかけるように


黄砂や ＰＭ2.5などの 微粒子が 私達を襲う









本当に辛いのです。







半ばヤケクソに ストッキングを被り



やさぐれて





煙草に火をつけました。







どうやら 煙は通すらしく 画期的だと思う



馬鹿な




ぬか喜び……。












そもそも外出できない格好です。






私達の対処策には 常に不備があります。




タイラップ




針金





アルミテープ




が





三種の神器





ホームセンターで これらを購入し



ホームセンターの駐車場で 突貫修理……。








オイル漏れを


オイルが入っている証拠だと言う



ポジティブ思考








重大欠陥を



見なかった事にする




たぐいまれな









強い心







どうも 花粉症と貧乏性を併発しているようですね。









パーツクリーナーという涙で


不備を洗い流す 被告は






車検という 短期入所が 終身刑になるのではと




恐怖心で一杯です。












裁判官殿



どうか



仮釈放という名の












恩赦をください。