YAESU FT-90 車載無線機液晶焼け(ビネガーシンドローム)修理
| 目的 |
修理・故障・メンテナンス |
| 作業 |
DIY |
| 難易度 |
  中級 |
| 作業時間 |
6時間以内 |
1
ICOMのID-4100の前に載せていたモービル無線機YAESUFT-90の液晶です。車載してからしばらくたつと液晶がひどいことになりました。取り外して放置していましたが、最近になって修理に出すか、部品を手配するか悩み、自分で修繕することにしました。
写真の症状はビネガーシンドロームと呼ばれるもので液晶部の偏光板の劣化です。名前のとおり酸っぱい臭いがします。古い液晶を使用したゲーム、ノートパソコンで問題となっています。無線機ではICOMのIC706 で良く起こるようです。
過去にFUJIFILMのデジカメの液晶で起こったビネガーシンドロームを修理した経験からトライしました。
2
パネルのボタンを引っこ抜き、パネルの裏の2本のネジを外して基盤を取り出します。作業中の写真をのせていませんが液晶部を包む金枠の爪をねじり戻し、液晶ユニットを外し、金枠から中のパーツを取り出します。
液晶ユニットの中は表示表面から液晶本体、青のシート、白シート、アクリルの散光板、枠プラスチックシート、縦に配置された液晶本体と基盤を連結するゼブラゴムからなります。
液晶表面には劣化して一部が浮いた偏光板があり簡単に外れました。これで除去が完了かと思ったのですが除去後も液晶には楕円状の混濁が残ったままで『ひどくても見えてたのに余計なこと(修繕作業)をやっちまった』と冷や汗。しかしよくよく見ると液晶表面にはガラスとは異なる層が見え。写真はガラスの表面とその上に乗る薄層(偏光膜層)の間にカミソリ刃をいれてそぎ落とし始めたところです。液晶本体の下に見えるゴムは、液晶と基盤の信号をやり取りする導電性ゴムのゼブラゴムです。
3
カミソリをスクレーバー代わりにして、偏光薄膜層と糊の除去を丁寧に行います。薄くなるまでカミソリでそぎ落とし、そのあと無水エタノールでこすり取ります。写真の状態まで約一時間の仕事になります。
4
液晶本体表面の劣化部分を除去し、組み戻した姿です。
メンテナンスがしやすいように基盤を包むケースパネルのアクリル窓の裏面に新しい偏光板を張りつける段取りです。しかしこの方法は、結局失敗しました。
失敗とは:液晶表面の偏光板および偏光層をそぎ落としたために金の枠内の高さ(厚み)が低くなり、ゼブラゴムを介した基盤と液晶の接触が弱く、表示の一部に信号が伝わらないことによる欠けがでました。
切り出した偏光板は液晶本体と金枠の間に配置して厚みを増やして解決しました。くどいですが、この写真の上から、偏光板、液晶本体、青シート、白シート、アクリル散光板、枠プラスチックシートそして基盤となります。
5
これが偏光板です。最も液晶表示がはっきりする角度で液晶に張り付ける部分を切り出しました(□部分は切り落とした場所。写真では保護シートが付いた状態です)。そのため斜めになっています。
注意点:角度だけではなく、表裏でも色合いやコントラストが変わります。テストしてみて最適であった角度だけではなく表裏にも注意が必要です。
6
仕上がりはこのようになりました。安価な厚みのある偏光板のためにやや暗い感じもしますが、十分改善されたと自画自賛です。なお液晶縁のニジミは液晶の劣化で消えませんでした。
7
まとめ
この方法は、古い液晶で同様の現象のものに応用できます。バイクのデジタルの走行距離計の修理、ゲームボーイの液晶修理の例をネットで見ました。
最も重要な必需品は偏光板です。私はアーテック 偏光板(2枚組) と言うものをAmazonで351円にて購入しました。カミソリはカッターで代用できます。無水エタノールの代わりにステッカーはがしも使えると思います。
その他
スイッチ類を裏から支えるスポンジが加水分解してボロボロでした。保管していたドライブレコーダーを購入した時の箱の中のスポンジをハサミで切り出して使いました。
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