第13回 『WAXの注意点』
★★★★★★撥水性と親水性・フッ素とポリマー・色指定WAXなどについて★★★★★★
こんばんわ。日本全国で黄砂が吹き荒れているようで、被害報告続出です。僕の愛車もつねに奇妙なマダラ模様となっております。
さて、前回予想以上に反響のあったWAXのかけかた。
今日はその続き。WAXについての注意点というか、ワナというか・・・・・、そういった部分を書きます。
まず
撥水するのがいいってわけではない。
水ハジキのあるボディっていいものです。キレイな水玉が均一に並び、コロコロ~と流れていく様子にうっとりしている人も多いはず。
しかし、
濃色系の車は撥水しないほうがいいこともあります。
その理由。ずばり、
ウォータースポットになるから。
ウォータースポットが何か分からない人のためにご説明。
ウォータースポットとは塗装面が斑点状に白く濁る状態を言います。
通常気にしなければあまり目立ちませんが、塗装表面をよーく見てみてください。
水滴が残って乾いた跡のような模様で、洗ってもこすっても落ちない汚れ(?)みたいなものがあります、これがウォータースポットです。
なんとか写真に撮ろうと努力しましたが撮れませんでした。それほどわかりにくいものですが、これが増えていくと明らかに塗装の輝きは失われます。
これは、車体表面に残った水滴がレンズの役割を果たし、塗装表面焦がしているために起こる現象です。
○撥水状態
キレイに水をはじく状態では水滴が球面となり、上の図のように、日光が一点に集中しやすくなります。そして集まった日光がウォータースポットを作ります。小学校のころ虫眼鏡で紙を焦がしたことありませんか?あれと同じです。
特に濃色系の車は光を集めやすく、加えて、ウォータースポットができるとかなり目立つので危険です。
(虫眼鏡実験でも黒い紙のほうが燃えやすかったでしょう?)
○親水状態
親水状態とは水に馴染む状態、水をはじかない状態を言います。撥水の逆です。水玉はのべーっと伸びてしまいますが、結果的に日光が集中せず、ウォータースポットができにくくなります。
もちろん、撥水性のあるほうが車体に汚れはつきにくいです。
ただし、やりすぎると、晴れたとたんに車体のあちこちでコゲコゲになっていきます。
気にしすぎじゃない?という方もいると思いますが、普通に走っている車の5割以上で、ルーフにウォータースポットが見受けられます。
試しに洗車後、車体をふき取ってよく見てみてください。あなたの車が登録後5年以上たっていれば、ほぼ間違いなく10個はあります。
それから
成分名にだまされるな。
ポリマーとかフッ素とかなんとなく車にいいと思われ勝ちです。でも実際にそれが何なのか、説明できる人はまずいないと思われます。
まず、フッ素そのものは毒です。
フッ素原子と炭素原子からなるポリテトラフルオロエチレン (PTFE) という形状をとり、始めて効果が発揮します。
ちなみにこのPTFEはテフロンと呼ばれ、アメリカのデュポン社が商標登録してるみたいです。
フライパンのテフロンコートのアレです。
そしてフッ素原子と炭素原子は鎖のようにがっちり結びついている。こういう状態をポリマーと呼ぶのである。
?????
界面活性よりわかりにくくなっちゃったよ。
書いてる自分でもあってるのかドキドキです。
すなわち、
フッ素 →ただの物質。撥水性も汚れ落とし効果もない。
テフロン→フッ素を都合よくした形。コーティングに使用。
ポリマー→分子ががっちり組み合った化合物のこと。
テフロンもナイロンもポリエチレンもアミノ酸も広い意味でポリマー。
商品パッケージに「テフロン効果!」「フッ素コートの輝き!」などとよく謳われておりますが、実際にはこういう意味です。
ちなみにテフロンは現在発見されている物質の中でもっとも摩擦が少なく(ツルツルしている)、撥水性、耐高温性、耐油性を備え持つまさしくコーティングに適した素材です。
それで
言っちゃっていいのかな。ここから先は僕の個人的な見解です。専門的知識のない文学部卒業男の思い込みとして読んでください。
たぶん、手で塗りこんでもテフロン効果は十分に出ない。
と思う
実際にフッ素という文字のあるWAXを使っても、その違いが分かったことは僕にはありません。
前述のように分子結合によってその効果が発揮されるようなレベルなら、手で塗りこんだのでは均一な面は形成されない。
それに前に書いたように、WAXの成分の大半は溶剤です。その中にドロドロに溶けたフッ素が入ってるとして
キレイな保護膜が形成されるとはちょっと思えないです。
工業レベルでは2ミクロンとかでテフロンコートしてるそうです。
それに何かのページで安定して固着させる処理は大変だとも読んだ記憶があります。
間違ってたらすみません。
フッ素コートを施行してる現場を見たこともないんですけど、工場とかで下地処理をしっかりやって、専用器具で拭きつけをするなら効果があると思います。
最後に
○色指定のWAXはオススメしません
濃色系の悩み、それはちょっとした埃がついても目立つこと。そして洗車キズが目立つこと。
白色系の悩み、それは茶色い水垢スジが目立つこと。線キズの間に入った汚れが目立つこと。
このことから、濃色系には撥水性を高め、汚れを付きにくくするとともに、粘着性を高めキズ消し効果を高めれば(厳密に言えば薄い傷の上にWAXが塗りこまれて見えにくくなっている状態)、その場しのぎ的な効果が期待できます。
逆に白色系はコンパウンドを多い目にしてあげればほとんど問題が解決します。水アカも線キズもコンパウンドで消せます。
ワックスかけた直後にその効果がはっきり出ていれば、いい商品と思われます。人は車が汚れるたびに一生懸命使います。
けれど長年それを繰り返すと、濃色系ではウォータースポット、塗装の日焼け(退色)を招きます。
白色系ではクリア層がなくなり、一層ツヤのない車体になっていきます。
要するに、その場しのぎの効果を狙う商品は長い目で見れば、良い結果を生まないということです。そして色指定をするWAXはこういった性格が強いです。本当に良いものなら色に関係なく、効果が出るはずです。
もっと言えば、
本質で勝負できないので、使ってすぐにわかる効果を重視する商品になる→本当は車によくない→車がくすんでくる→汚くなるからまた使う・・・・という悪いループにはまったパターンが多いです。
でも高級感、特別感あるじゃないですか?「ダーク系専用」とか書かれると効きそうじゃないですか。
これが陥りやすいワナです。
僕がこのブログでオススメした商品はどれも色指定をしていません、と同時に他のサイト、ブログでも概してよい評価を受けています。
何度も言うように、僕はすべてのワックスを試したわけでありません。今回書いた内容に当てはまらないWAXもあるでしょう。
しかし、僕がWAXをいろいろ使って得た経験から、そういった商品が多い、ということだけは言えます。
今回はかなり長い。そしてクドイ、カタイ!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
WAXについては一通り書き終えたので次回からコーティングの話に行く予定です。
愛車のお手入れシリーズブログ次回もお楽しみに。
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