相変わらず日本語でのまともな情報がほとんどないので、僕が付けたオプションをひとつづつ解説したいと思います。
ARIEL ATOM 4 OPTION
◆本体
アトム 4 320bhp 6 Speed
※本体です。これのみでも十分楽しいはず!
◆エンジン
350BHPアップグレード-触媒カットパイプ(&スポーツ触媒)+ECU再設定
※ECUのリセッティングで馬力を引き上げるオプションです。標準よりもすこし効率の良いスポーツ触媒、及び完全触媒カットの中継ぎパイプがセットでついてきます。 実際の馬力をベンチで測定すると365Bhp出ていたようです。
軽量フライホイール
※フライホイールはエンジンの回転数の安定性を担保する重りです。これを軽くすると、アイドリングがやや不安定になり、エンジン内の慣性モーメントが減る為、加速、減速が多少良くなり、クラッチー>シフトのタイミングでの回転落ちが素早くなります。僕はヒールトゥに自信が無いこともあって、逆にクラッチをつないだときのシフトショックを減らす為に付けようかと思いました。
調整式トラクションコントロール(ローンチコントロール付)
※トラクションコントロールはタイヤの空転を察知してエンジンの出力を減らす仕組みで、リアのスライド>スピンの一連の挙動に割り込んで危険を減らしてくれます。ATOM3までは無かったのですが、あって困るものでもなく、特にタイヤがあたたまるまでの挙動に関しては助けになりそうです。ただ、どれほどの出来なのか、頼りになるのかは全くわかりません。
3段可変ターボブーストコントローラー
※これは、当初、120Bhp,200Bhp,320(350)Bhpの切り替えというものだったのですが、市販直前で「2番目のモードに意味がない」と考え方を改めたらしく、
1.120Bhp
2.320(350)Bhp(フルパワー/リニアトルク)
3.320(350)Bhp(フルパワー/フルトルク)
という3つのモードに変更されました。
フルパワー/リニアトルクはアクセルペダル開度によって中域トルクをコントロールして、コーナーリング中の挙動を扱いやすくするものです最大開度では3と同じ出力になります。
フルパワー/フルトルクは常にフルトルクを出すモードで、グリップが非常に高い状態なら最も速いモードになるはずです。
ARIELのテストドライバーで最速のラップを持つ一人はフルパワー/リニアトルクの方を好むようです。どちらのモードが好きかは人によって違うとARIELの中の人が掲示板で語っています。
エンジンオイルバッフルドサンプ
※ホンダK20エンジンはセミドライサンプという方式でオイルを回しており、エンジン下部のストレーナからオイルを吸い上げて上部ギアにふきかけていますが、長い全開コーナーリング中ではオイルパンのオイルが傾き、ストレーナーからオイルを吸い上げられない油圧0の状態が発生する可能性があり、これを防ぐためにオイルパンに蓋をするのがバッフルドサンプです。こんなもの標準で付けておけと思わなくもないのですが、そのような状況が発生する状況が、限定的なサーキットの長いコーナー上でだけなので、付いてないのでしょうね。
ハイパフォーマンス スポーツコア エンジンクーラントラジエーター
※コア部分を大容量化したラジエーターです。日本の夏は欧州よりも圧倒的に高温ですので、伝統的に英国車はオーバーヒートしやすく、このへんは保険で付けておきたいところです。渋滞対策でもあります。
ハイパフォーマンス スポーツコア ターボインタークーラー
※これも上と同じですが、ターボなのでまあ、優先度は少し低いかな。どっちかというとサーキットでの油温上昇対策、パワー落ち対策でしょうか。
◆足回り
LSD
※LSDのないアトムはヒラヒラ感は最高なのですが、サーキット出口での挙動がナーバスになります。オープンデフのコーナーリングで内輪が浮くと、内輪が逆に回ってしまう為、接地した瞬間、車体が一気にオーバーステア>スライドという状態になりかねません。ていうか限界走行だとなります。特に縁石を踏んだ後、徐々にアクセル開けるタイミングと重なると非常に不安定になります。スピンを減らすためには大推奨オプション。
キャリパー:APレーシング4ポットキャリパー/290mmディスク(ハンドブレーキ付)
※標準のブレーキ自体も大径化しており、単純な制動力には問題ないのですが、サーキットでは発熱が大きく、最悪ブレーキフルードが沸騰します。ホイールにハマっているエンブレムもプラスチックで溶けます。夏場に全開アタックを長く続けなければ問題ないのですが、安定したブレーキ温度、ブレーキタッチは精神衛生的にも良いです。ちなみにこのAPのキャリパーの型番は、形からしてAP CP 7600と思われます。
サスペンション:オーリンズTTX3ウェイ調整式
※オーリンズサス最高峰TTXです。ARIEL的にはビルシュタインがロード、トラック両方にオススメで、オーリンズはトラック用ということです。つまり、この2つはバネレートが違い、オーリンズのもののほうが硬い、ということかと思います。日本の道はイギリスよりはフラットで整備されている為、オーリンズでもいけるのではないかという甘い期待です。最悪スプリングだけ変えてもいいかな。
ホイール:BSTカーボンホイール
※ホイールは3種類あり、公式発表では標準鋳鉄(36.0kg)、鍛造(27.6kg)、カーボン(21.4kg)となってります。 見た目は標準のが一番好きですがしかし、カーボン(南アフリカ共和国BST製)は軽すぎる!鍛造アルミもかなり優秀です。ちなみに、アトム3の15インチアルミホイールは1輪7.2kgで4輪28.8kgです。
ブレーキ・クラッチライン/ステンレス仕上げ
※シートとシートの間にある、センタートンネル上の2つのケーブルを留める留め金部分の材質だと思われます。基本的に、ステンレスにできるなら全部ステンレスにしたい。
コックピットリモート調整式ブレーキバイアス
※コクピットにある大きな黄色のダイヤルノブです。コレを回すことで、ブレーキの効き具合の前後比を変えられます。ATOMでは車重の前後比が1:2くらいあるので、かなりリア寄りのブレーキにしてもフルブレーキでは前輪が先にロックします。フルブレーキングの限界を上げるためにはオススメ。 ただ、サーキットでピッタリの比率にした場合、下り坂やスリッピーな道ではリアが先に破綻して逆に危ない可能性もあるので、サーキット外では何回転か戻す、みたいなルールを作って置いたほうが良いかも。
クロモリ製エアロ・ウィッシュボーン&プッシュロッド
※見たほうが速いですが、F1みたいな平べったいアームです。素材も標準のものとは違い、軽量化されています。
レースグレード・ロッドエンド
※より耐久性のあるピロボール。標準のものも充分に耐久性はあると思いますが;
レースグレード・ニードルローラーベルクランク
※プッシュロッドとショックをつなぐクランクの回転部分をローラーベアリング受けにしたものです。ATOM4ではそもそもクランクが大型化して回りやすくなっているので、必要かどうかというと…?ただ、もちろん、ベアリング化したほうが動きは良いはず。
◆その他
着脱式ステアリング
※ステアリングが外せるようになります。殆どの場合必要ありません。コクピット周りのクルマいじりをする場合に邪魔になるのでちょっと恩恵があります。あと、盗難対策としてはかなり強い。
ステンレスボルト仕上げ
※ボルトが錆びるなんて考えたくもないですよね!?
アルミ削り出しウイングミラーセット
※標準のミラーはかなり大きいです。おそらく面積で2倍以上あります。このウイングミラーはコンパクトで見た目がよくなります。
エアロスクリーン
※高さ5cmほどの透明の衝立。ガーニーフラップ的な効果で少しダウンフォースも稼ぐようです。付いてないと物理的にヘルメット必須になりますが(目をあけていられません)、付いていればかなりの速度までヘルメット無しでも運転できます。
高位置ブレーキライト
※サイレンサー上部に取り付けられる横長のブレーキライト。アトムは車高低すぎなのであったほうが後車からの視認性は良くなります。
12v. USB ソケット付き補助給電
※コクピットに付くUSB宮殿ソケット。スマホカーナビのお供。
リアカメラシステム
※駐車時に真後ろが見えるなんて…?最高では…?
助手席+クラッチフットレスト
※助手席は足を踏ん張る部分がまったくない&荷物を固定するためのフックアンカーにも使えそう?
カーボンファイバー製インストルメントパネル
※そのまま。ハンドル周りのFRPケース部分を置き換えます。
カーボンランプカバー
※ATOMのFRPランプカバーは強度がペラペラでいつもボルト穴がバカになるので最初からカーボンにしてしまうのオススメです。後からでも買えますけど。
チタンパウダーコートシャーシ
※シャシー色。チタンは光沢低めのライトグレーっぽい色です。