幼稚園の責任認める=津波で送迎バス園児犠牲―1億7700万円賠償命令・仙台地裁
時事通信 9月17日(火)10時14分配信
東日本大震災の際、私立日和幼稚園(宮城県石巻市)の送迎バスが津波に巻き込まれ園児5人が死亡したのは、幼稚園側が安全配慮を怠ったためとして、5人のうち4人の両親が園を経営する学校法人「長谷川学院」と当時の園長を相手に、計約2億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、仙台地裁であった。斉木教朗裁判長は園側の責任を認め、計約1億7700万円の支払いを命じた。
東日本大震災の避難誘導などをめぐり、遺族らが施設に賠償を求めた訴訟の判決は初めて。
幼稚園側が津波を予想できたかなどが争点だったが、斉木裁判長は判決で、「(当時は)約3分間にわたって最大震度6弱の地震を実際に体感しており、ラジオなどで大津波警報なども出ていた」と、十分に予想できたとの見方を示した。
その上で、「バスが海沿いを走行すれば津波により被災する危険性があることを考慮し、積極的に情報収集すべきだったのに、それを怠り、高台の幼稚園から海沿いの低地へ送迎バスを出発させた」と指摘。園側が積極的に情報を収集し、マニュアル通りに幼稚園に園児らを待機させていれば、死亡することはなかったと判断した。
園側は「市街地まで大津波が来ることは予想できなかった」「一刻も早く園児を保護者に返そうとした」と主張していたが、これを退けた。
上記内容だけでは、何とも言えませんが・・・。
日和幼稚園送迎バスの悲劇・石巻市門脇町
園側の対応の問題点について、遺族側は
(1)地震後の情報収集を怠り、バスを高台にある園から津波の危険がある海側へ走らせた
(2)園職員が停車したバスに追い付いたのに園児を高台に避難させなかった
(3)地震時のマニュアルを職員に周知せず、避難訓練もしていない―などと主張している。
園側は、これまでの遺族とのやりとりで「南浜町を破壊するような津波の予測は不可能だった。一般論としては遺族の指摘の通りだが、法的責任はない」などと説明。
園側の代理人は「訴状を見て対応したい」としている。
こんな説明で、子供を亡くした親を納得させることは出来ない。
逆に、感情を逆なでしていると言えますね。
5月21日、遺族の求めに応じ、幼稚園が説明会を開いた。園児5人の遺族が出席、幼稚園側は理事、当時の園長、バス のい運転手、職員らが顔を揃えた。
保護者(母親)「子供たちがそこにいる状況が分かってますよね。なぜ声掛けしてくれなかったのか」
幼稚園:園長「私の頭の中は真っ白になったんだと思います」 5時間以上に及んだ説明会。そこでまた新たな事実が明らかになった。送迎バスが津波にのまれ、園児5人の命が奪われた宮城県石巻市の日和幼稚園。説明会で遺族側は、幼稚園がバスが
流された場所を知り、当時の園長が現場に行ったものの救助活動を行わなかった点を追求した。
母親「子供たちがそこにいる状況が分かってますよね。なぜ声掛けしてくれなかったのか」
園長「家と車と水があの状態において、私の頭の中は真っ白になったんだと思います」
父親「救助活動も何もしていない。ただ見に行って『あーダメだ』、それで終わっちゃったんでしょ?」
園長「はい。…」
そして、なぜ地震後にバスを走らせたのか? 防災マニュアルが生かされなかった理由とは?
母親「ちゃんとしたもの(防災マニュアル)を職員全員に配布しているんですかね?」
園長「私の書庫にファイルとして置いてあるので、職員には配布してません」
母親「えっ 配布していないんですか?」
園長「これは園長として申し訳ないと思っています」
職員「私も入った時からずっとマニュアルの存在を知らなくて…」
職員のほとんどが防災マニュアルの存在すら知らなかったことが浮き彫りに。
母親「一瞬このまま(バスが)出てしまったらって不安も(あったはず)。でも、それをきちんと誰かに伝えないでしまって(こんなことに)…」
園長「本当にお詫びするしかないです」
5時間以上に及んだ説明会。自分たちの非を全面的に認めた幼稚園側は、遺族の言葉を敬って聞くことしかできなかった。佐藤さんが取り出したのは娘・愛梨ちゃんの写真。
「私、すごくすごく、この子に会いたいんです。毎日毎日会いたくて、会いたくて。でも、会えないんです」
このやり取りが真実だとしたら、遺族への同情を禁じ得ないですね。
これは、安全への配慮を怠ったと言われてもしょうがない。
この子供たちの尊い命が失われた事実から目を背けることなく教訓としていくことが、せめての供養になると思います。
改めて、自分や家族を取り巻く環境や組織が大震災の教訓から学んで対策を講じているか見直す必要がありますね。
Posted at 2013/09/17 15:58:02 | |
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