2015年07月18日
ある日 人けのない箱根の山の見晴らし台
強い気流にのって
広く 高く 大空を飛び去っていく雲を見た
生き物のように複雑に渦巻いて
地面の上の全部を飲み込むように
圧倒されて私は 急ぎカメラで追いかけたけれど
小さなファインダーに収まりきらないパワーは
捕まえたい気持ちを跳ね除けた
その瞬間、頭の中に 何かが通り抜けて…
小さな頃の私 父親とのドライブ よく来たこの場所
あんなに晴れていたのに 突然現れた沢山の雲
空にあるはずの 見慣れた白い塊
目の前では もやもやとヘンなかたち
窓から袋を振り出して 捕まえたのに見つからない
どんな味がするのかな?
口を開けても 食べられない
どうして?
雲ってなんだろう…?
…
どれだけの年月が過ぎても
同じ場所で 同じ事をしている自分
胸の高鳴りはそのままに
いつかまた訪れたとき
ひとりで? 大切な人と?
もしかして、可愛い孫と?
また同じような自分がうしろに居る気がして
少し可笑しな ほんわかした気持ちになって
カメラを持つ手を下げた
体当たりしてくる風と雲の攻撃を暫し楽しみ
再び車に乗り込んだ。
Posted at 2015/07/18 13:33:54 |
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