
皆さんが知りたい?ねじのお話 パート2!
前回は強度区分のお話をしましたが、ボルトの強度区分です。
ナットは?というと、ボルトより一般的なナットはねじ山(フランク)が弱いのです。
同じ材質なのに何故弱いかというと、金属にも繊維のようなファイバーフローというものがあります。
このファイバーフローは転造(冷間鍛造等)によって切削する事なくねじ山を成型しているからです。
切削してしまうと繊維が切れる様になってしまう為、強度も下がってしまうのです。
前回お話したA7075超々ジュラルミン(アルミ)ボルトの引っ張り強度が高強度クロモリ(1000〜1200N)の半分以下(510)しかないのに加えて切削によりファイバーフローがせん断されたら…
更に弱くなります。
また転造ボルトをダイスで切削しなおして使用する場合もファイバーフローの一部を削り落している訳なので本来の強度を維持出来ません。
アルミ製やタップやダイスで補修した物がそろそろ怖くなってきませんか?
次にねじ山(フランク)のお話です。
ねじを締めていくとボルトやナットのフランク同士が強く圧着され僅かに変形し更に強い摩擦をうみ緩み難い状態になります。
このフランクがひっかかる高さが(面積が)小さくなると緩みやすくなります。
このフランクのひっかかりは摩耗等により弱くなる場合と、異種金属の組み合わせた場合の熱膨張率の違いなんかも影響します。
ハブボルトは鉄でナットがアルミの場合、アルミは硬度が鉄より低く摩耗しやすいのですが、ナットのねじ山を注意深く観察する人って殆ど居ないですよね。
また熱膨張率も違いアルミは鉄のほぼ倍の隙間が出来てしまうのです。
強度は弱い、フランクのひっかかりも甘くなる、ひっかかりが甘くなると緩み応力を受けて更に摩耗するというサイクルになってしまうのです。
コレがアルミ(ジュラルミン)製ナットをオススメしない最大の理由です。
2、3回締めたり緩めたりしたら交換して下さいと言うのもこの理由からです。
締め付け過ぎて変形してもフランクは正常な仕事をしてくれません。
アルミは鉄の様に柔軟に変形し元に戻るなんて事もありません。
適切なトルク管理が大切なのです。
どうですか?
しっかり管理出来ていますか?
管理が如何にシビアで、また耐久性が劣る事を考えたら回転の中心に近い場所がたかが数グラムの軽量化した事によるメリットよりデメリットが多く思う様になると思います。
管理はバッチリ!耐久性も考えて毎回の様に交換してます!という方は見栄えを選択するのも良いのかもしれません。
車のお洒落も人のお洒落と同じで手間暇かけてお金もかけてという事になりますw
最近ではクロモリナットの頭の部分だけアルミのキャップが付いた製品もあるので性能や耐久性とお洒落を両立したい方はそういった製品を選択されては如何でしょうか?
最後まで読んで頂きありがとうございましたm(_ _)m
Posted at 2019/01/23 22:25:35 | |
トラックバック(0) | 日記