GWでやる気が高まり、しばらく休止していたアイドル制御改善活動(アイカツ)を久しぶりに復帰し、通勤にPC持ち込んで通勤途中でちょこちょこと試していたら、新たな発見をして、一気に問題解決までこぎつけられた。
その発見とはLINK G4+のヘルプに書いていない部分の勘違いであった。
PC LINKのヘルプにはこのように書いてある。

これを読んで、自分は「エンジン回転がRPM停止条件を上回り、アイドル回転数制御を抜けると、ISC(SR20の場合はAAC)を全閉にする」と勝手に思っていたのだ。ヘルプには「アイドル回転数制御を抜けると、クローズドループ制御を停止する」と書いてあるのにね。思い込みはこわい。
で、実際どのようにしているかを想像してみると、アイドル回転数制御を抜けると、ISCの開度は、アイドルベースPOSNテーブルの値で固定されているみたいなのだ。
1.いままで、アイドルベースPOSNテーブルの値は約27%であった。
2.そしてRPM停止条件は800rpmすなわち目標900+800=1700rpmでアイドル回転数制御を抜ける。
3.車を動かし始めて30分程度(エアコン未使用)では、車停止時のエンジン回転落ち込み症状はなく、タコメーターの動きはまっすぐ900rpmまで落ちて止まっていた。
4.車を動かし始めて1時間弱あたりで、車停止時のエンジン回転落ち込み症状が出てきた。タコメーターの動きはまっすぐエンストを目指して落ちていき、500rpmあたりで戻ってくる場合もあれば、そのままエンストする場合もあった。
5.アイドル回転数制御外の時は、ISCが全閉と思っていたから、アイドル回転数制御に入った時に、ISC全閉から開くまで(応答特性が悪いから)時間がかかり、エンストすると思い込んで、RPM停止条件を上げたり、ダッシュポット機能として使えるとヘルプにあったホールドStepをいじったりして、早めにISCを開き始めることを狙ってやっていたが、イマイチ効果なかった。
6.今回のアイカツでまずはアイドルベースPOSNテーブルの値を40%にしてみたところ、エンジン回転落ち込み症状が出なくなったけど、アイドル回転が2000rpmでとどまったり、1~2回ほど2000-1500rpmでハンチングする症状があった。それでもすぐに900rpmに落ち着いたが。
7.次にRPM停止条件を800→250すなわち目標900+250=1150rpmにしたら、2000rpmでとどまったり、2000-1500rpmでハンチングを繰り返し、900rpmにならんくなった。
ここで、アイドル回転数制御を抜けても、ISCは全閉にならん!と気が付いた。
8.ここで、RPM停止条件を50rpmにして、アイドルベースPOSNテーブルを35%にすると1100rpmあたり、25%にするとエンスト寸前、ということを確認し、いままで使っていた約27%は、アイドル回転を維持するには値が小さいということが分かった。
9.車を動かし始めてしばらくは吸気温度が低くて、同じISC開度でもアイドル回転は保持しやすかったけど、運転を続けて吸気温度が上がってくると空気量が足らんくなってくる。というのと、AAC自体の温度が上がり、ソレノイドコイルの抵抗値が下がり(定電圧ドライブのため)電流値が下がり、発生する磁界が弱くなりバルブ開度が小さくなった。というダブル効果で、運転始めて1時間弱でエンスト症状が出始めることになったと思われる。
10.ということで、対策として、アイドルベースPOSNテーブルを32%にした。これだと始動しばらくは1500rpmあたりになるから、それをアイドル回転数制御で900rpmに戻すためにRPM停止条件を600すなわち目標900+600=1500rpmにした。これで、停止時のタコメータの動きは1200前後で0.5秒ほど留まった後、すいっと900rpmになる目指してた動きになった。1時間ほど運転してもこの好ましい動きをして快適。
11.アイドル点火制御のほうの寄与度はあまり大きくなさそうで、いままで停止条件を1300rpmとしていたのを1100rpmにした。1300rpmだと発進のときに点火が遅角してトルクが出ずに発進がやりにくかったけど、これも改善した。
これから本格的な夏を迎えて、エアコン大活躍でどのようになるか、様子を見ていきたい。
そして今日は明日のダートラの準備で、タイヤ交換、油脂類キャップの養生、ダートラグッズの積込。約2年ぶりのダートラ、RWDクラスは6台、全日本選手もエントリーしてる。楽しみだ。
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LINK ECU - エンジン制御の話 | 日記
Posted at
2022/05/14 16:25:43