
昭和の古き良き時代、お豆腐は引き売りが主流だったそうだ。
引き売りとは、路上で移動しながら、鳴り物や独特の売り声を
発しながら呼び込みをして食品などを販売する形態である。
重厚な実用自転車やリヤカーの荷台に、その日の早朝に生産
されたお豆腐や油揚などを積んで、住宅街で移動販売をする。
お豆腐屋さんの場合、販売に来たことを知らせる合図として、
独特な音色の喇叭(ラッパ)を吹くのだが全国のお豆腐屋さん
の殆どが、画像にある宮本製の喇叭を愛用していたという。
足立区に工場のあった宮本喇叭製作所は、職人さんたちの引退などですでに廃業しており、
引き売りのお豆腐屋も、昭和40年代からスーパーマーケットが広まったり、保存技術が
上がったことで衰退の一途となり、同時に喇叭の音も街の中から消えていくことになった。
近年、製造されなくなった宮本喇叭を、ある楽器メーカーが町工場の職人さんたちの協力を
得て復刻させたのだが、商業用の単純な販促用具だと思いきや、その楽器としての構造に
大変驚かされたという。
宮本喇叭は明治30年頃に吸風琴と言う玩具を元に開発され、ハーモニカなどと同じくリード
付きの楽器に分類されるそうだが、リード1枚で吸う時と吐く時で音色が変わる楽器、特に
全音近く音が変わるものは、世界でも類を見ないのだそうだ。
時は流れ、お豆腐屋さんは平成に入り激しく様変わりをした。
引いていたリヤカーはAE86となり、宮本喇叭の音色は藤壺マフラーの爆音となり、
荷室の豆腐を傷めないよう、車の揺れを確認する水を張った紙コップを置いておく
ドリンクホルダーが、平成時代のお豆腐屋の必需品となった。
宮本喇叭を試しに吹いてみると、遠くまで届く力強さと人の触れ合いや優しさを兼ね備えた
懐かしい音色であり、時代の移り変わりというものを心に確認させる音色でもあった。
あっ、なんかイイ感じのコラム書いちゃったって感じ?自画自賛!
(どこがだよっ!イニDの件いらねーだろっ!)
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Posted at
2017/02/16 21:54:04