
ハンドルの左流れとフレ(シミ―)について、解決が得られましたので、記録したいと思います。同じ悩みを抱えた人にとってはぜひ参考にしてもらいたいと思います。快適なドライブを楽しんでいる人にとってはつまらない内容なので、飛ばして下さい。
17インチのヴァリノの新品ホイールと新品のダンロップのディレッツアDZ101をはいていた去年は特に気にならなかったと思います。デフのバックラッシュのすごい音のほうが気になってたからかも知れませんが。
ディレッツアは10年くらい前から、コスパに優れた、ふだん使いのいいタイヤという認識でリピートしていました。12SRのSタイヤもディレッツアでした。
今どきのコンケーブのホイールはR31には違和感があるなーと思いながら、ふと見つけた
PIAAの18インチの深リム中古アルミホイールに昭和感を感じ、ビックキャリパー対応で深リムのホイールって貴重ですから、手軽なお値段でしたのでポチ!しました。グループA時代の中島悟のPIAAです。PIAAシビックです。なぜかホンダです(笑)。しかも、このNakajima racing type R limited 18インチ 9Jってのが、ネットでも見当たらなくて、海外で一つだけ同じサイズの写真を見つけました。これに型落ちのDIREZZA DZ101 215/35R18の新品(未使用)タイヤを装着して、今年の春から通勤を始めました。通勤で高速を流していると、ハンドルの左流れが気になり始めました。左流れの解決法を模索し、アライメントなどをいじっている時に気付いたのがハンドルのブレでしたので、左流れとハンドルのブレ両方の問題が同時に出ていたのかも知れませんし、両方の原因が一つなのかも知れません。たまたま同時にってことはよくありますが、物事は一元的に考えることで、解決に結びつくことも経験します。
まずは左流れについての検証です。一般道でも高速道路でも、どんどん左に流れていき、常にハンドルを右に切らないといけないので、非常に疲れます。道路は排水のために傾斜があるので、左に流れるのは正常といえば正常ですが、
100m走行して1m以内の左流れは正常なのだそうです。100m走って1mも流れたくないなーとも思いますが...。しかし、そんなレベルではありません。眠い時に100m走ったら、歩道を乗り上げて、崖の下のポニョです。
まずはタイヤを疑うのが常識だと思います。ほぼタイヤとホイールで解決できると思ってますので、タイヤとにらめっこです。どこをどー見ても新品です。ホイールバランスもとったばかりです。でも、まずは自分でできるタイヤの検証です。KENDAのスタッドレス(台湾と比較ってのも??)、シバタイヤに履き替えても左流れは変わりません。タイヤのラテラル方向(横方向)に問題(タイヤの内側と外側の外径の違い)があれば、左右のタイヤを入れ替えて走ると、流れの方向が逆になるので、わかります。方向性は逆になりますが、テスト走行程度なので問題ありません。でも大雨の時にテスト走行をしてはいけません! しかし、左右入れ替えてもやはり左に流れます。タイヤのユニフォミティに関しては自分でできるものはここまでで、タイヤ以外の検証も必要かと思いました。
次はアライメントです。アライメントはサーキットの度にさんざんいじってきましたし、車検時にキャスター角もいじっているので、十分あり得りえます。何度も調整するし、アライメントで解決できるとも限らないので、ある程度改善する見込みがつけばいいと思い、DIYでの調整です。DIYで改善傾向にあるなら、本格的にショップでやってもらうのがいいと考えました。
リアのトーとスラスト角、フロントの車高の左右差(これ以外に大事)、キャスター(これけっこう影響します)、キャンバー、トーと順に合わせました。R31のリアは基本的にアライメントは調整不可ですが、
R31HOUSEのLOWER ARM MAXが入っているので、調整ができます。しかし、キャンバーとトーが同時に動くので、各々をきっちり合わせることはできませんが、トーを優先して合わせます。リアのトー自体で左流れは起こりませんが、スラスト角が右を向いていれば、左流れは起きます。しかし、実際スラスト角はすでに若干左向きになっており、これは左流れを補正するように働くので、このままとしました。
フロントの車高は左が若干低くかったので、左右差がないように調整しました(運転席に自分が座るので、左流れには補正に働きます)。キャスターは調整式のテンションロッドがついているので、調整可能です。しかし、テンションロッドのみの調整では、キャスターもセットバックも変わるので、厳密な調整はできません。実際は、右がかなりセットバックしており、以前の車検でキャスターを合わせて左流れを調整したと言っていたのが、まさしくこれで、すでに右がセットバック(キャスターが起きている)している状態なので、これも左流れを補正する働きをしていることになりますので、このままとしました。次にキャンバー、トーを合わせるのですが、左流れを補正するように左のキャンバーを右より若干付け、トーは0としました。
さて、左流れを補正するようなアライメントでテスト走行に行きました。しかし、ましになりましたが、左に流れます。アライメントで補正できないほどの左流れは、アライメント自体の問題ではないと考えました。本来、他の問題があるときにアライメントでごまかすものではないです。
次に気がついたのは、ブレーキです。昔、GTS-Rに乗っていた時にキャリパーが固着して、ホイールが片方だけ異常に熱くなり、修理した経験があります。しかし、走行後に触っても、左右差はありません。強いて言えば、左フロントのブレーキダストが右より多いのと、ジャッキアップして手でタイヤを回してもやはり、左のほうが抵抗がありそうなので、左のキャリパーが固着ぎみになっている可能性を考えました。それなら、それが左流れの原因として説明がつきます。恥ずかしながら、キャリパーのオーバーホールの経験はありません。さらに、このカルソニックに付いているブレンボのキャリパーが何の流用なのかも全く不明です。おそらくR33?R34?の純正ブレンボだと思うのですが、なかなか中古で出てこないのです。そこで、純正でよく流用されている
中古のZ33ブレンボを購入し、交換してみました。ボルトを調整(自分のキャリパーはM12、Z33はM14だった)すれば、流用は可能であったのは良いのですが、左のキャリパーは交換前と同じように固着気味の印象がありました。実際走っても左流れは直っていません。ここまできたら、勢いで
キャリパーオーバーホールを自分でやってみました。ピストンを抜くのにすごい苦労しました。エアツールというものは一般家庭にないですから(わざわざ買う気もないです)、自転車の空気入れに飛び出た腹をひっかけて全体重を乗せて、ブレーキラインに空気を入れ、ピストンを抜きました。超筋トレです。自動車整備はスポーツです!実際、この左流れのおかげで痩せました。おなかの脂肪が手でつかめるようになりました(笑)。だいぶ左流れは良くなってきた印象ですが、まだ解決には至りません(涙)。そして、この頃からか、高速でのハンドルのブレが気になるようになってきました。左流れが良くなってきたから気になてきたのかも知れません。左流れもさることながら、ブレを何とかしないと運転が苦痛で仕方なくなってきました。泣きっ面に蜂、傷口に塩、左流れにハンドルのブレです。
ここから話が後編、ハンドルのブレです。ホイールバランスをとってから空気圧センサーも付けたので、まずはホイールバランスを取り直しました。20g狂っていて、0gに合わせてもらい、おっ!これか!と思い、整備士さんに笑顔で聞くと、「このくらいでブレは感じないよ!」と言われ、案の定ブレは直りませんでした。期待外れを何度味わうのでしょう。当然ハブリングも使ってるし、スペーサーは使っていませんし、タイヤの脱着もタイヤ〇のセンターフィットの手動バージョンでやっているので、センターの狂いはないと思います。
ロアアームはじめ足回りはどうみてもガタはない。タイロッドのガタはわずかにあるのですが、R31HOUSEの整備士さんに動画を送ってみると、その程度はあるのではないかと言われました。ここで、キャリパーやさらにローターがかなり関係しているのではないかと考えました。実際、タイヤや固定したローターを回すとシャーという音ではなく、シャッ、シャッと1回転毎に音がするのは、ローターの歪みと想像がつきます。しかし、ブレーキジャダーが出るほどではないので、今まで気にはしていませんでした。以前、サーキット走行後にローターが歪んで、ブレーキジャダーが出たのを経験したので、よくわかります。ローターを新品に替えたいところですが、何の流用かもわからない。そこで、最終的に
ブレーキ屋さんに相談し、研磨してもらうことにしました。「事故車かい?」というくらい歪んでいたようです。これが原因だったのかー!とほっとしながら、研磨したローターを装着し、回してみると…。全く前と同じように、シャッ、シャッっと1回転毎に音がします。研磨する前と同じ?ってほどです。そこで、よくよく見ると、ローターとハブの間に3mmのスペーサーが挟まっていました。昔ながらのスカスカ穴だらけのホイールスペーサーをハブとローターに間に挟めて、ブレンボの位置を調整していたのでしょう。キャリーパー流用のためにこんなことしてたんですね。これが入っていると、ローターがきちんとセンターに装着されないことに気付きました。しかし、スペーサーを挟まないと、ブレンボがホイールに干渉します。仕方なく、ローターの外側に5㎜ハブ付きスペーサーを入れることにしました。ローターがぐらぐらよりましでしょう。これで解決!かと思いきや。全くブレは直りませんでした。期待と裏切りの繰り返し。
ここで、「やることやった」感であきらめの境地に立たされましたが、息詰まったら現場に戻るのが、刑事である。むかしからしつこい性格だと言われてましたが、やっぱりしつこいです(笑)。
やはり、タイヤではないか?いくらバランスがとれていても、三角おにぎりでもバランサーでバランスはとれるといいます。以前、タイヤの縦のフレでハンドルのブレがあったことは経験しているのですが、今回の新品のディレッツアでもシバタイヤ×2でも回してみると、1-2mmくらいの縦の振れ(ランナウト)はあるので、これくらいは普通なのか、調べても自転車のフレくらいしかネットで出てこないのでわかりません。このくらいの歪みだったら、タイヤ自体やサスで吸収されて、ブレは出ないのではないかと考えてしまいます。実際高扁平率のタイヤやコンフォートタイヤ、ノーマルサスだったら、これくらいのランナウトは問題ないのかも知れません。しかし、低扁平率のラジアルタイヤに車高調、35歳の車体ではシビアかも知れません。タイヤを買い替えても変わらない可能性も高いですし、無駄な出費は避けたいので、タイヤを買い替える前にタイヤが原因か調べたいのですが、自分ではこれ以上厳しいのが現状です。GSP9700というホイールバランサーがあって、ラジアルフォースとラテラールフォースを測定して、フレの原因がタイヤにあるのか、あればホイールとタイヤを組み直して位相を変えてバランスをとるというものがあるのは知っていましたが、ネットで検索しても北海道では見つからず、
本州にあるショップとメールで相談したりしていました。たまたま、北海道の車屋さんのブログで
GSP9700を使っている整備工場がありました。最後の神頼み、電話で問い合わせて颯爽と行きました。
まず驚いたのが、受付した人がこのバランサーのことを知らないようで、他の車屋さんと同じようにバランスを測っておもりを付けるバランサーだと言っていました。こちらからGSP9700のことを説明して、整備士さんにやっと伝わったようで、自分のタイヤをバランサーで回してもらったら、タイヤの内側1/3くらいが赤く表示されてるのだけど、初めて見る自分が意味わかんないのは当然でしょうけど、整備士さんも意味がわかってないようでした(笑)。「ラテラルフォースは計れますか?」って聞いてみると、「測れない機種です」と言われました。測れるはずなのですが、計ったことないのでしょう。測ることができれば、左流れの原因もタイヤにあるのかわかったかも知れません。期待外れです。3時間くらいかかりますと言われ、3時間待って呼ばれると、バランサーで回したら内リムがフレているので、ホイールの修理が必要と言われました。「バランサーの診断はどうでしたか?」と言ってもプリントアウトができないからって見せてもらえず、内リムが回ってるスマホ動画!?を見せられただけでした。「タイヤは新品でしょ!」と言われ、ホイールの内リム修正を業者に依頼することになりました。内リム修正2本はけっこう修理代かかるものですね。後日、引き取りに行ったところ、「組み付けるときに位相を合わせたのですか?タイヤは問題なかったのですか?」って聞きましたが、「ホイール修理の業者さんでタイヤ組んでもらったから大丈夫、タイヤ新品でしょ?」と言われて、やっぱり分かっていませんでした。少し期待して、履いて走ってみました…。当然のごとく期待を裏切り、全くブレは改善なし。相談するバランサーは良かったのだけど、使い手を間違えたようです。
車に取り付けて回してみるとやはり、2mmくらいは縦のフレがありました。しかし、これは許容範囲かはわからない。思い切って、
GSP9700を扱っている本州のお店に聞いてみました。すると、「加重された状態でRFV(ラジアルフォースバリエーション)80N相当がランナウト(縦方向のフレ)0.48mmで、ランナウト0.6mm以上を不良と判定します」とのことでした。「あくまで加重状態での数値で、実際0.48mm飛び出ているところがRFVピークとは一致しない」とのことでした。さらに「RFV一次ピークを上死点を上にして車両に取り付ける」と良いとのことでした。さらにさらに「重量バランスよりRFVピークを優先して取り付けた方が良い」と、作業を依頼しているわけでもないのに丁寧に教えてくれました。これを聞いたら、2mmのランナウトは異常と感じます。それと、目視的な縦のフレを無くすように車両に取り付けても意味がないことがわかりました。あくまで荷重をかけた状態でのマッチングをしなければ、解決しないということです。あえて、ランナウトだけで言うとなれば、1mm以内が望ましいそうです。こういう知識を持った人がいてこそ、GSP9700の価値があるのです。
しかし、タイヤが原因でタイヤを買い替えるには今一歩踏ん切りがつきません。そこで、サーキットで使った、タイヤカスがボコボコ付いた中古シバタイヤを無理やりフロントに付けて回してみると、ほぼフレはない。溶けたカスで表面ボコボコですけど(笑)。リアのホイールなので、ハミタイでフェンダー擦りまくりですけど、走ってみました。ハブ付きスペーサーを付けていてもブレはかなりおさまっています。確信しました。タイヤを買いなおそう!でもタイヤメーカーの選びようによっては今度も外れになる可能性があります。失敗したくはありません。
真円度が高いタイヤといえばミシュラン…しかし、どう考えても高価で手が出ないのです。ひっぱりで組むのも慣れが必要で、組んでくれるショップもなさそうです。あれこれ調べていると、高精度メタルコア製造システム「NEO-T01」製造により、真円度を出しているタイヤがありました。
ファルケンのアゼニス FK510です。価格もお手頃でした。通勤快速にとっては十分。グリップより走行安定性だ。即刻オーダーしました。取り付けて走り始めて、やわらかい、乗り心地は良いが、グリップはあまり期待しないほうがいいかなという印象。
ドキドキしながら、高速道路を巡行しました。ブレません、しかも左流れもしないのです。
やわらかいゴムやブロックが振動を吸収してくれているのかも知れませんが、ひとまず、解決したと胸をなでおろしました。
はいていたディレッツアも位相を合わせて組めば解決したかもしれませんが、残念ながら、その技術を持った人が近くにいなく、タイヤを買い替えるという選択をせざるを得ませんでした。
ノーマルの足や高扁平のタイヤの車に乗っている人には、2mmのタイヤの歪みなんて関係ないかもしれません。純正のままでいいじゃないかとよく言われますが、確かに歳をとってきた自分もそう思います。でもカッコいい車を見かけるとワクワク楽しくなる。幸せな気分になれる。楽しいカーライフの趣味は自分にとって仕事の活力、生きがいなのです。人に何を言われようが、人に迷惑をかけない範囲でこれからも楽しんでいきます。苦労も絶えませんが、その分喜びも倍増です。